突進
中条景泰の挑発である事を承知の上で突撃を試みる小笠原貞慶。そのまま中条隊と正面衝突。
中条景泰「ん!敵の勢いが強いか……。」
「殿。中条が後退していきます。」
小笠原貞慶「善し!このまま追い散らすぞ!!」
と後退する中条隊を追い掛ける小笠原隊。このやり取りを幾度となく繰り返し……。
小笠原貞慶「追い詰めた!(上杉の別部隊が)到着する前に片付けるぞ!!」
と中条景泰本隊目掛け突撃を指示した。……ちょうどその時。
「放て!」
の合図と共に小笠原隊の側面目掛け一斉射撃が。
小笠原貞慶「しまった!伏兵か!!」
思わぬ敵襲に動揺の色が走る小笠原隊の様子を見て。
中条景泰「突撃!!」
とこれまでの逃げの姿勢から反転攻勢に打って出る中条景泰。これに対し、
小笠原貞慶「深志から増援がある!それまで持ちこたえよ!!」
と踏み止まる事を決意。双方相乱れて戦う中。
「申し上げます。間も無く深志より部隊が到着します。」
の待望の知らせが。
小笠原貞慶「到着次第!攻撃に転じる!!もう少しの辛抱だ!!!」
と指示を出そうとした所。
「申し上げます。深志城が……。」
敵の手に落ちました。
小笠原貞慶「何!深志に敵兵は……。」
少し戻って日岐城。
芋川親正「千見の寺島殿にもう1つ。これは中条殿からである。
『もし日岐に問題が無かった場合は……。』」
一目散に深志を狙って欲しい。
寺島長資「『何処か別の場所で小笠原貞慶と戦う。そうなれば貞慶は深志の兵を動かす。さすれば城はがら空き。そこを狙って欲しい。』
……か。わかった。ところで芋川様は?」
「中条様の救援に赴くとの事であります。」
寺島長資「弟を頼みます。と伝えていただきたい。」
「わかりました。」
小笠原貞慶「敵兵が入ったとなれば、深志を簡単に落とす事は出来ぬ。今出来る事は……。」
目の前の中条を叩き、甲斐若神子の北条氏直隊への合流を目指すほかない。
小笠原貞慶「皆の者。無念ではあるが、一時深志を離れる。その前に……。」
「申し上げます。上杉の新手が犀川の対岸に。」
小笠原貞慶「……芋川か?」
「旗印を見る限り。」
小笠原貞慶「してやられたか……。仕方がない。中条攻めは諦める。敵兵が集まる前にここを離れる。諏訪を経由して若神子へ向かう。」
「……わかりました。」
芋川親正「中条殿。御無事で何よりであります。」
中条景泰「芋川様。助けていただきありがとうございました。ところで日岐は?」
芋川親正「ぎりぎりではあったが落城はしておらぬ。とりあえず深志に入り、体を休めましょう。」




