登波離橋
小笠原貞慶の動きを見た日岐盛直は、今の長野県東筑摩郡生坂村にあった標高125m。犀川が屈曲した突端を利用した本拠地日岐城に籠城。小笠原勢は三方から迫り両者は激突。翌日、日岐盛直の弟盛武が降伏を申し出るも却下。攻撃の手を更に強め、城西部の大手口付近まで進出。しかしここから膠着状態に陥ったのでありました。
深志城。
小笠原貞慶「日岐はまだ落ちぬのか?」
「はい。犀川に阻まれ攻め手が大手口に限定され、兵数の利を活かす事が出来ていません。そればかりか……。」
日岐勢が突如現れ、被害が発生しています。
小笠原貞慶「わかった。私自ら兵を出す。」
小笠原貞慶は深志を出発。平出から城の西部を狙い進軍。その途中の登波離橋に差し掛かった所……。
「殿!背後より敵襲であります!!」
小笠原貞慶「ん!上杉か!?」
「いえ、日岐であります!!」
小笠原貞慶「数は?」
「50居るか居ないかでは無いかと!」
小笠原貞慶「ならば構わぬ!返り討ちにしてくれん!!」
今の長野県北安曇郡池田町の登波離橋で小笠原貞慶と日岐勢が激突。乱戦となった結果……。
海津城。
高坂昌元「牧之島の芋川より連絡がありました。登波離橋において日岐の部隊が敗れたとの事であります。」
直江兼続「日岐城は?」
高坂昌元「小笠原の勢い激しく厳しい状況にあります。」
中条景泰「貞慶はそこに居るのですか?」
高坂昌元「はい。」
中条景泰「盛直様は十分役目を果たされましたね?」
直江兼続「うむ。盛直殿に連絡する術は?」
高坂昌元「急使が出発した段階では可能でありましたが、今はわかりません。」
直江兼続「『撤退していただいて構いません。』
と伝えていただきたい。」
高坂昌元「わかりました。」
中条景泰「では私は……。」
日岐城付近小笠原貞慶本陣。
小笠原貞慶「時間の問題だな?」
「はい。周辺地域の国衆が挙って参集している姿を見て日岐も諦めが付いたでありましょう。」
小笠原貞慶「一時の甘言に乗るとどうなるかがわかったであろう。」
そこへ……。
「申し上げます。麻績城から動きあり!」
小笠原貞慶「真田か!?」
「いえ、そうではありません。」
小笠原貞慶「ん!?ではいったい誰が?」
「片喰・酢漿草の家紋!中条景泰であります!!」
少し前、麻績城。
中条景泰「直江より
『これまで守っていただき、ありがとうございました。替地は用意します。』
との事であります。」
真田信幸「此度はこちらの都合である中、お心遣い感謝します。」
中条景泰「沼田でありますか?」
真田信幸「矢沢と共に北条に備えます。因みに中条様はこの後、日岐に?」
中条景泰「まだ決め兼ねていますが……。」
日岐は予定していません。




