最後の
上杉軍が浦城の北西尾根を制圧した所で日没。
直江兼続「今宵はこれまでとする!敵襲があるやも知れぬ故油断せぬよう。」
と下知。そこへ……。
直江兼続「色部殿如何為されましたか?」
色部長実「私の陣地にこのようなものが届けられました。」
色部長実は今の新潟県村上市にあった平林城の城主。
直江兼続「……。」
色部長実「義理の兄。新発田重家からのものであります。」
そこに書かれていた内容は……。上杉景勝本陣。
直江兼続「新発田重家は今宵城内で宴を催す。それが終わり次第、城門を開き最期の戦いに挑むとの事であります。」
上杉景勝「夜の攻撃は控えてくれ?と。」
直江兼続「はい。」
上杉景勝「逆に仕掛けられる恐れもあるな?」
直江兼続「はい。ただこれにつきましては怠りはありません。ある1つの地点を除いては。」
上杉景勝「今日我らが奪った北西尾根だな?」
直江兼続「はい。」
上杉景勝「仮に新発田が約束を守り。打って出た場合、攻め寄せて来るのも北西尾根になるな?」
直江兼続「仰せの通り。」
上杉景勝「う~~~ん。」
直江兼続「これにつきまして……。」
色部長実より提案がありました。
直江兼続「私が責任を以て対処します。そして……。」
新発田重家を討ち果たして見せます。
直江兼続「色部も新発田同様北条三郎との争いにおいて殿に味方し、その後の新発田との戦いにおいても我ら側を貫いて来ました。故に色部の殿に対する忠誠心に揺らぎはありません。」
上杉景勝「信用して良い。と言う事だな?」
直江兼続「はい。もし色部に背信の動きがありましたら。」
上杉景勝「直江。其方が責任を以て対応する?」
直江兼続「御意。」
上杉景勝「わかった。私も新発田に助けられた一人。出来ればこうしたくは無かった。頭を下げてくれさえすれば。人質を一人供出してくれさえすれば悪い様にはしなかった。しかし新発田にも誇りがある。見事な最期を飾らせてやれ。」
直江兼続「ありがとうございます。」
その夜。浦城内で宴が催され、これまでの疲れが嘘であったかのように大騒ぎが繰り広げられる城内を。じっと眺め、聞き入る上杉軍。宴は日を跨ぎ。丑三つ時を過ぎても続き、夜が白み始めた丁度その頃。城内は静寂へと変わり、やがて……。
色部長実「城門が開かれたぞ!新発田重家の最期!我らの手で見事飾らせてくれん!!皆の者!後れを取るでないぞ!!!」
「おぅっ!!」
浦城から新発田重家を先頭に一斉に色部長実目掛け突進する新発田軍。これを迎え撃つべく身構える色部隊。でありましたが……。
色部長実「ん!?様子がおかしいぞ。」




