赤谷城
赤谷城は今の新潟県新発田市上赤谷にある加治川上流左岸の標高205mの丘陵に造られた城。ここは……。
中条景泰「津川から新発田領へ通じる唯一の道。ここを落とせば新潟湊を失った新発田を完全に干上がらせる事が出来ます。」
藤田信吉「よくぞこの道を見つけてくれました。感謝します。」
中条景泰「後は……。」
攻め落とすのみ。
赤谷城に到着した藤田と中条は東に対面する丘に本陣を設置。ここで……。
中条景泰「時間を掛けている暇はありません。」
藤田信吉「うむ。津川の金上が来る前に片付けるぞ!」
と赤谷城の要衝根古屋を攻撃し陥落。勢いそのまま関ヶ峰の要害に進出。赤谷城主小田切盛昭は至急津川に援軍を要請するも……。
金上盛備「津川の手前にも上杉の手勢が。全軍で以て救いの兵を出す事が出来ぬ。それにここから赤谷までは……。」
25キロ以上離れ、途中200メートル近く上り下りしなければならない。
中条景泰「新潟の調略がこの作戦にも効いています。」
藤田信吉「それを言うならここを攻める前に……。」
加治川の堰を確保出来たのは大きい。
中条景泰「藤田様の指示に従ったまでの事であります。」
藤田信吉「これで皆。泥沼に苦しめられる事も無くなりました。これまで鬱憤。晴らしましょう。」
中条景泰「わかりました。ところで如何致します?」
藤田信吉「と言われますと?」
中条景泰「小田切の処遇であります。もし彼が降伏を申し出て来たら……。」
藤田信吉「亡き謙信公の方針で良いのでは?
『降伏した者は許す。』
で。彼は新発田とは違い蘆名の家臣。此度のいくさは新発田を討伐する事。うちは蘆名と刃を交える考えにはありませんので。」
中条景泰「わかりました。」
と赤谷城に対し降伏勧告を使者を送る中条景泰。
小田切盛昭「主家は蘆名であるが、我らは古来よりここを守って来た。その間、反上杉を貫いて来た。今更上杉に頭を下げる覚えはない。かくなる上は……。」
翌日。
中条景泰「城門が開きましたぞ!」
小田切盛昭「武門の維持!見せつけてくれん!!」
全軍で以て上杉陣目掛け突進を試みる小田切勢は善戦するも……多勢に無勢。
藤田信吉「敵ながら見事でありました。」
中条景泰「……。」
藤田信吉「如何為されましたか?」
中条景泰「いえ。2年前の事を思い出していました。」
藤田信吉「そうでありましたか……。でも羨ましい限りであります。」
中条景泰「と言われますと?」
藤田信吉「中条様も小田切も……。」
この人のため。と言える人がいる事が……。
藤田信吉「藤田の元々の主君は山内上杉。あれがだらしなかったのが、まぁここまで生き残れる原因となっているのでありますが……。」




