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時機を

 小島職鎮は神保氏の重臣で長年上杉とも良好な関係を持っていた人物。しかし佐々成政の越中入りの際、織田家に臣従。ただこれは……。


山本寺景長「偽りの降伏。来る織田との戦いに向け、殿が指示したものであった。翌年、同盟者である武田領内に織田が侵入。1ヶ月と言う。あまりにも短い期間で武田が滅んでしまったその日……。」


 柴田勝家が魚津城に攻め寄せて来た。


山本寺景長「殿は小島職鎮に対し、富山城の占拠を指示。魚津城攻めに出ている佐々成政不在を狙い作戦は成功したかに思えたのであったのだが……。」


 即座に鎮圧。


山本寺景長「小島は行方知らずとなり、我らは敵の退路を断つ術を失ってしまった。もしあの時、小島を残していたら……。」

寺島長資「仕方ありません。あの時、信長が斯様な事態に陥るとは誰も思っていませんので。」

藤丸勝俊「今、放生津に向かっている船も門徒の物。しかも遠出用では無く、大きな船ではありません。敵に見破られたが最後。敵を倒せる代物ではありません。」

 

 城外。


柴田勝家「国衆で問題を起こしそうな奴は?」

佐々成政「先だっての小島の反乱が良い契機となりました。神保に対し、

『統治能力無し。』

を突き付ける事が出来ました故、その心配はありません。ただ注意しなければならないのが一向宗。今は大人しくしていますが、皆種子島の使用に精通している者共。玉薬の提供と指揮官の侵入に目を光らせなければなりません。」


 魚津城。


山本寺景長「別に彼らが織田に勝つ必要は無いし、戦う必要も無い。敵を浮足立たせるだけで良い。さすれば……。」


 自らの手で魚津城を脱出する事が出来るかも知れないから。


山本寺景長「魚津城は港の機能も持つ故、ここを失う事は越中を失う事も意味する。しかしこの城の状況では……。」


 たとえ守り切る事が出来たとして、次の侵入を伏せぐ事は不可能。


山本寺景長「故に今、松倉に居る上条殿にした。

『我らは城を脱出し、越後に戻る所存。』

と……。」

寺島長資「上条殿からの返事は?」

山本寺景長「『魚津については既に殿より聞いている。開城降伏の許可が出ている事を。故に松倉を気にせず動いていただきたい。』

と。」

藤丸勝俊「上条殿御自身は?」

山本寺景長「信長の件を受け、

『佐久間が離れる事がわかった故問題無い。』

との返事を頂戴している。とは言え……。」


 佐久間盛政が動くまで城を出る事は出来ない。


山本寺景長「越中国内の何処かで誰かを動かす事が出来れば……。」


 門を開け、打って出る事が出来るのだが……。


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