「ゼミ飲み会で全員ぶっ壊れる編」
サブタイトル:「限界大学生、今夜は理性を卒業します」
場所:大学近くの大衆居酒屋「魚民ゼミ棟前店」
時間:金曜19:00〜終電後(なお何人かは帰らない)
富澤(乾杯後すぐに梅酒5口):「てかさ〜、まじでよく提出したよね私たち。えらくない?世界に自慢してよくない?」
ひとり(端の席で水を握りしめながら):「は、はい……。でも……できれば提出せずに消えてたかったです……」
千里(ハイボール片手にノリノリ):「ダメだよ〜、ひとりちゃん!今日の目標は“自分を好きになる”だよ〜!あと唐揚げを5つ食べる!」
副部長(まだ飲まず、焼酎を注ぎながら):「“自分を好きになる”とは、社会的規範の呪縛をいったん外すという意味で、飲酒との親和性が高い」
部長(乾杯ビールで目を潤ませ):「副部長、今だけは黙って飲んで。語る前に飲め。演劇はまず、酔うことから始まるの」
scene 2:地雷炸裂ゾーン(飲み会中盤)
瑞稀(焼酎ストレートで静かに):「……“わかりやすさ”って、そんなに大事?“深さ”より“伝わる”が勝つこの世界、ほんと嫌」
伊達(日本酒をちびちび):
「“伝える努力”を怠った者の言い訳にも聞こえる。だが、正しい。“伝わる”が評価されすぎる世界は、音が軽い」
リョウ(一人でレモンサワー2杯目):「てかさ、評価の話ずっとしてるけど、それで幸せになった人いるの?」
野田(枝豆を握りしめながら):「わ、わたし……A評価取ったけど、ここにいていいかずっと考えてて……誰かの“居場所”を奪ってないかって……」
ボス(グラスを置き、静かに):
「野田。お前がその言葉を言ってる時点で、お前の“居場所”は誰にも奪われていない。むしろ与えている」
(全員、微妙に黙る)
scene 3:たきな崩壊、千里暴走
たきな(日本酒3杯目、瞳が虚ろ):「“敵”がいない世界、苦手です……。戦う理由がわからない……こんな時、どうすれば……」
チサト(大声で):「たーきーなー!戦わなくていい日が“幸せ”なの!勝ち負けのない宴!それが“今夜”なの!」
たきな:「でも、目的がないと落ち着きません。私……酒を飲む意味、失います……」
リョウ(たきなの肩をぽんと叩いて):「意味とかいらない夜もあるよ。強いて言えば、今日の“勝ち”は“笑って終電逃す”こと」
富澤:「いやでもそれ、わかる〜!“幸せなトラブル”って感じっすよね〜!」
scene 4:全員ぶっ壊れるラッシュ
瑞稀(沈黙から突然):「……誰かに“すごいね”って言われたこと、ちゃんと受け取れた日って、人生で何回あるんだろ……」
圭介(ぼんやり煙草くわえて):「“受け取れない褒め言葉”って、一番寂しいな。……でも一番真実かもしれない」
ひとり(涙目でうつむきながら):「……いま……ここにいていいって思えたの、今日が初めてです……。みなさん、ありがとうございます……(ぐすっ)」
部長(それを見て感極まる):「野田さん……あなたこそ今日の“主役”よ。台詞なしでも、こんなに胸打つの初めて!」
アイボー(ソフトドリンクで参戦):「現在、全員の感情レベル:98%。この集団は“心的共振状態”にあります」
scene 5:終電逃し組、路上にて
(誰も帰ろうとせず、店の外にフラフラ集まる)
伊達:「……このまま朝まで議論する?それとも、何も話さず缶コーヒーでも飲む?」
ボス:「今夜は話さなくていい。ここに“いる”ことが、すでに意味だからな」
チサト:「ひとりちゃーん、ねえ、寒くない?手つなごう?」
ひとり:「はい……少し、暖かいです……ありがとうございます……」
たきな(空を見上げながら):「“幸せ”って、数値化できないから、ちょっと信用できなかった。でも、今なら……たぶん、わかる」