表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第5章:みんな居場所を求めてる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/211

初夏におこった顛末

 そういやそんな話を聞いたことがあるな、なんて千紗さんのいつもながらの美味しい朝食をいただきながら考えていた。


 するとおずおずと扉が開き赤色が目に飛び込んできた。

「おはようございます。昨晩はおせわになりまして」

 ありがとうございますと千紗さんに頭を下げる北さん。

「礼儀正しい不良か、おばさん」

「大福が喋ってるー」

 子供の喧嘩か、おい。そして昨晩ヒメと北さんになにがあった?


 しばし世代を超えた舌戦が繰り広げられて、勝者の高校1年生が本題を切り出す。


「教職課程とってたんだって?」

「教育大卒で、友達もいなくて水泳もお休みしてた私がとっていないとでも?」

 うわ、不憫。橋本ともやりあってたし、北さんって苛められっ子体質なのか?そういや舌禍事件も………。

「ウチの学校、先生が足りないのさ」

「え?」

「ついでに水泳界トップクラスが二人もいるのに、指導者もいない」

「………つまり?」

「働け、ニート!ってならない?」

「私が先生?」

「考える時間なんてウチらJKよりあるんでしょ」

 すました顔でヒメさんはそんなことを言った。

 ちなみに水泳界トップクラスの二人を問うと

「水泳界の美少女と言ったらさ、ウチと…」

「ヒメさんと?」

「マロ」

 ………うん、そんな気がしてた。


 ほんのしばらくの間北さんは前の家に居候することを決めた。そしてなるべく早く賃貸をさがすのだとか。そのために髪も黒くしたし。

 それと水泳教室に在籍して、偶然に居合わせる橋本たちにアドバイスもすることにしたとのこと。別にお互いにプロとアマの関係でもないんだろうけど。

 結果的に現役復帰と教員採用をなぜかこの地で、日本水泳界の巨星は求めることにしたらしい。ヒメさんに感想を求めたら

「弱り目に祟り目」

 と笑っていた。たぶん何かの言い間違いだろう。


 これが通り過ぎる初夏におこった赤い髪の女性の顛末の一部始終だ。


いよいよ美也子編

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ