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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第4章:サナノキ

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70/212

収束4

 スイミングクラブの仲間であったと言う。

 その中でもスター的位置のみさ(都で3位になったこともあるらしい)と有望株の大杉は旧知であった。

 ずっと静かな児島さゆりは…たぶん…うん、まあ。

「引っ越して行ったからどうしてるかなってときどき…」

「ときどきかあ。かあ〜。あっ美樹ちゃん、妹のさゆり、ね」

()()()()()()

 ぎこちなく頭を下げる妹。

「そうそう、美樹ちゃん、すごい記録でこの間の選手権優勝したんでしょ?おめでとう」

 思いもかけない相手からの祝福に、大杉は盛んに照れている。

「え、でも…」

 見るな、大杉。

「千種ちゃんに嫉妬されるよ」

 怖い茶化ししないでください、先輩。みささんが日本選手権をチェックするくらいには水泳に興味があるのが意外だ。

「そうじゃなくて…」

 大杉の言葉に

「違うの?早名幸平ちゃんに…あれ…男子和田…幸平?」


 バレた。

 千種に目で対応をねだると

「幸平が優勝者なのここだけにしていただけませんか、()()

 にっこりと艶やかに圧力をかける。

 マネジャー役が板についてきたな。

 うん、俺より偉い。

 飄々として、みささんは

「いいよっ」

 ヒメさん並みに軽い。


 機嫌良くみささんは先頭で神社を過ぎ丘を上がる。息が上がらないあたり、何気に心肺機能が強い。俺も大杉もさゆりさんもタイプとしては短距離だから、結構きつい。

 みささんに次いで俺と千種。

 後でさゆりさんと大杉が話してる。

「お父さんがお医者さんなんですか」

「付属病院で専門の研究ができるからって」

「母がその病気なんです」

「たぶんパパが診療するのかなあ」

「それでこっちに」

 なんか二人で頷いているけど案外相性いいのか?


「幸平、全部背負わなくていいからね」

 右腕を抱く千種がそっと囁く。

「あなたにも限界あるでしょ?線をひいて」

「線?」

「背負うのは、早名幸平と早名千種の家庭でいいよ」

「二人だけって?」

「ううん、みんな」


「一番で絶対なのはあたしだけど」

 前の家の子になっちゃいそうだもんなあ。



橋本「出番は?」

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