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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第4章:サナノキ

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収束1

「高校最初の試験をサボるなんてやるねー、幸平くん」

 ヒメさんは含み笑いをしながら茶化してきた。

「サボりたかったわけじゃないし。だいたい橋本に呼ばれたんだからな」

「嫁も愛人も朝から抱きほう……」

「ヒメ…?」

 怖い声がしましたぜ、ヒメさん。

 離席していた千種が戻ってきた。


「千種、追試大丈夫だって?」

「人助けだから特例だって」

「泉田先生が頑張ってくれたみたいよ」

 ほほー、やるなあの爺さんと思っていると千種は

 俺に向かって

「今日だって」

「マジか。」

「放課後」

 橋本は死んだ目をしていたらしい。


 あれから三日。整理すると、救急車はすぐに高校付属病院(大学は来年開校なのでとりあえず…らしい)に入り即入院。見立てではこの地方特有の風土病ではないかとのこと。この病院はそれに特化して設立された経緯があるらしい。当初よりも総合色が強くなったとも。全部行朝さんの受け売り。


 大杉の事情を聞いた千種と橋本がそれを行朝さんに伝えると、行朝さんの決断は早く(なんでも小学校の書き初めは「先手必勝」が恒例とのこと)、すぐに青写真を描いた。

 水泳の特待枠見学で親子で来た時に、体調を崩し入院、大杉は弟ともどもこちらで生活させるとのこと。

 千種からか行朝さんからか、姉ちゃんに話が回り

 姉ちゃんは風土病救済基金を設立するらしい。病による困窮などを救済、援助する目的で対象は本人及び()()

「家はどうするのさ?」

 姉ちゃん曰く

「幸平は千種ちゃんにあげたから、一緒に住むよね?そしたら空き家あるよね」

 そうですか。賃貸にして、俺は他家で借家人ですか。

「いいじゃん、早名家の主になりました早名幸平ですって近所に挨拶すれば」

「数カ月前にまわったばかりだぞ」

「出世したねえって尊敬されるよ」


 んなわけあるか!


「幸平、この間の場所に千種ちゃんと…大杉さんで行ってごらん」

 あそこか………。行きたくないんだけどな。

「この時期立入禁止になるはずだけど、咎める人もいないだろうし」

「なにかあるん?千種連れてきたくないんだけど」

 あんな千種二度と見たくない。

「鎮まってるから大丈夫。今は大人しく()()()()みたいだし」

 よく分からん。


 そうして橋本以外は無事テストをクリアした。



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