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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第4章:サナノキ

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継泳(リレー)

「この時期に退学者?」

 ヒメさんの言葉に思わず問い返す。

「もう届けも出て正式だって」

「どっかに掲示とか…されるわけないよなあ」

「誰とか詮索するの…不謹慎かしら」


 なあ…橋本。なんで会話に加わってるのかな?

 隣のクラスだろ。

「マロもキントキも仲いいよ」

 確かにいつも一緒だもんな。

 だけど毎日ここで見かけるんだけど。

「愛人も抱けないような甲斐性なしに発言権があると思って?」

 静かに笑う千種。

「うちらより千種はゆなちゃんに心開いてるよ」

 はっきり言うのがヒメさんらしい。

 関係は壊れないと確信してるのだろう。

 日下部たちよりは………あ、鈴木ずっと休んでるな。

(そういうことか?)

 千種も(たぶん)と視線で返す。

 わけのわからない事象は黙るに限る。図らずも千種と俺は秘密を共有することになった。


「ヒメちゃん?」

「ん?」

「どっかにいい男いないかなあ」


「イソノ、野球やろうぜ」

 割り込む沢村。いつもおまえ突然だよな!

「ナカジマみたいなあれでいい?」

 橋本が首を横に振りながらヒメさんと会話してるのが横目に見えた。


 お昼休みに橋本が来た。

 て言うかマロさんもキントキさんも。

 増えてるよ。

「あたしが男目当てじゃないって分かった?」

 知りたくないし。

 弁当広げはじめた。圧倒的不利。

「聞いてみたんだ。特待の件」


「行ってらっしゃい」

 なんか千種の声久しぶりに聞いた気がする。

「もう聞いたけど」

 なんで千種が一番なんだ?

「どこ行く?」

「プールでいいか」

「昼食べたらな」

 千種の弁当だけが俺の青春。


 なぜか黄色いリボンを結んだ髪の先を持ってヒラヒラと手を振る千種を後にして、橋本とプールに向かう。

「圧力すごいわね」

「ん?」

「結果言うとさ、空きはあるから可能だけど、事情次第だって」

「ありがとう。予想のいい方だな」

「ダメか、条件付きか、どっちかだって予想あたってたね」

「答え早かったんだから橋本が頑張ってくれたんだろ?」

「聞くだけのことだから。それよりさ、誰か考えてみたんだ」

「転入希望者?」

「そ。キーワードは東京で高一、惜しまれている」

「地域、年齢、実績か」

「10分かからなかったよ」

「大杉美樹」

「答え知ってるじゃない。つまんないの」

 少し水泳に興味ある者ならそう答えるだろう。

 自由型短距離、日本歴代2位を日本選手権で出して優勝している。

「でもまさかなあ」

「この間の高校予選に出場してないのよね」


「画像見てびっくりしたんだけど、彼女知り合いだよ?」

「面識ないけどなあ」

「あのイヤホンを中継してくれた人」



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