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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第2章:始まりはいつも録画

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ボッチ・the・すりーぷ

 近くのちょっと大きめな町で桜の開花宣言のあった金曜日、千種と朝家を出る。朝晩と千種邸と自宅のどちらかでご飯を食べ、もはや家2軒とも我が家と勘違いしそうな勢いだ。

 ついでに秘蔵遊佐録画選を毎晩遅くまで解説付きで見せられて、今なら姉より義兄の方が町でばったり出会ったら瞬時に判別できるだろう。

 それはつまりずっと昼寝ていると言うこと。起きていたのは体力測定くらいか。

 ところで入学式も含めて4日も過ぎても、まだほとんどの人間が己のクラスでの立ち位置を測りかねている。我がクラスは40人、男が15人と圧倒的に少ない。

 そんなに派手派手しいギャルは存在せず(田舎だからか?)、主な役どころはクラスのリーダー格ヒメさん、頭と美担当の千種、男のリーダー格は沢村と言うやや自信過剰気味なヤツだ。その他は必要に応じて群れを変える感じ。絶妙にバックボーンがそれぞれ違う。

 俺?居眠りと千種の付属物が精一杯の印象だろう。ちなみに千種の恋人宣言は一部に衝撃が走ったらしいが(ヒメさん談)、同じ姓と言うことから虫除けのための偽装説(正解)だとか、いとこや親戚の血縁説(かなり正解)、年子説(不正解)、そもそも早名幸平などいない都市伝説(寝てばかりいて動かないから)までヒメさんには問い合わせが集中したと言う。理由は千種が美貌であるがゆえに目立ちすぎるからで、横でチョロチョロしてる野郎は誰やねん、と言うことらしい。確かに朝夕の登下校一緒だからね。


「ちゃんと明日夫婦で参加してよ」

 睡眠から目覚めて帰る準備を始めた俺に、ヒメさんは声をかけてきた。

「なにそれ?」

 横でやっぱり帰る準備をしていた千種に尋ねる。

「親睦をかねてみんなで遊びに行こうって。ラインきてない?」

 千種しか登録ないしヒメさんすら知らないよ。

 あ、もしかしてすでにボッチの座確定?

 千種以外ならガタイのいいおっさんとだけ毎晩イチャイチャしてるからなあ。行朝さん、昔から息子がほしかったからと千紗さんが笑っていた。

「千種行くの?」

「ヒメに念を押されたからね。3時間くらいみたいだし。幸平は?」

「どっちでもいいけど強く行きたいわけじゃないからなあ」

「お父さん明日休みだよ」

 ほほう。貴重な情報ありがとう。

「参加する!」

 読みたい本が溜まっているけどね。

「知ってる?幸平が家に来てから…」


「あたしお父さんと会話してないんだよ」

 父親と男の取り合いって新しい世界だね、どんなジャンルか知らないけど。

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