表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第2章:始まりはいつも録画

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/209

千種の嫉妬

 外交官デビューした俺は複雑な気分で教室に戻った。

 あ、千種いるじゃん。

「大丈夫だったか?」

「今日は同じ中学の人だったからね。私の顔見てさ、またかみたいな顔してた」

 千種にしたらほんとヒメさんに頼ってるな。

「決着ついたんだ」

「OKだったよ」

「え?」

「無事納得してもらってOKってこと」

「ああ、そっちの」

「千種がはっきり恋人がいるからって言ったことに驚いてたけど」

「なら噂になるかな」

「幸平くんも有名人デビューだね」

 ニシシとヒメさんは笑った。

「幸平は?」

「後で話す」

「夫婦で秘め事かい?うらやましいねえ」

 俺がたまたま優勝できたのなんか秘密にするほどのことなのか分からなくなってきたぞ。それほどに、入学三日目の告白は千種のモテ具合を証明していた。


 放課後の帰り道。

「ゆなちゃん大丈夫だった?」

「圧力外交は後で歴史検証が必要だな」

「条件があったの?まさかゆなちゃんになんか迫ったんじゃ」

「逆。水泳部のコーチしてくれって」

「あれ、コーチいないの?」

 俺と同じ発想な。

「決まるまでの代行でってさ」

「それなら協力してあげたら?」

「もう少し学校のこととか知ってから考えてみるか。橋本結構可愛いしな」

 ピタッと歩みを止める千種。謡曲の姫くらい炎が立ち昇る。

「あたしも昨日知ったんだけどさ」

 気が付かず呑気に返事をする。

「どした?」

「あたし、独占欲が強いみたい」

 横を見て思わず1m後退りした。

「心頭滅却………」

「甲斐までいかないけど…………うまくコントロールできない」


 優しく接してくれる面しか見てないから意外だった。

「晩飯さ」

「うん?」

「一緒につくろ」

「ご機嫌とり?」

「歴史の芥にするだけ」

「そんなの分かる高校生いるかなあ?」

 今日は昨日より曇天の空。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ