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防戦、そして奇襲

切れ味の鋭い一撃だった。

沈黙する。

状況から判断するしかなさそうだな。

「分からないよ。強い心とか飛び抜けた才能だとか、持ち合わせたと感じることはなかったかな」


千種ははたと手を止めてじっと俺の目を見る。

「うん。恋して良かった」

あれ、なんか納得してるし。

「さっもう支度できるから手伝って」

柔らかな声で誘う。

あ、この声を知ってしまうと。どうやら将来の道に一筋灯が点いたみたいだ。


馬鹿話をしながら夕食を終えたあと、なにげにソファに腰を下ろす。ぼうっとテレビの天気予報を見てると横から千種が

「ねえ。どっちに座りたい?」

「右か左かってこと?」

「うん」

「こだわりはないけど、気付いたらいつも左に座ってるかな」

「そっか。今もそうだもんね」

と、横に腰を下ろした。

「慣れるかなあ、こっち」

「代わろうか?」

「それだと意味ないの」

「右にいることに意味?」

「時間をかけてね」

「お互いがお互いを風景だと思うようになるにはずいぶんかかるよなー」

「あと5年でなんとかしなさいよ」

「乾杯できるまでの純粋な年月か」

「悪くないと思わない?」

「ずいぶん先のことだな」

「たった1500日先だよ」

天気予報は晴れを告げていた。


千種を送ると…ってか5秒だけど千紗さんが顔を出した。

「幸平くん、良かったら毎日のご飯、家で食べる?」

「ごめんなさい、さすがに毎日は恐縮すぎて」

「あら主人も飲み仲間ができて嬉しいって」

姉ちゃん、この家ごと洗脳してないよな?


ところで、そう言えば玄関の中に入るの初めてだったなとふと脇を見ると…

「うぉ!」

と変な声が出ちゃった。

プロ野球選手の等身大パネルが目に入ったからだ。

プロ野球選手の中でも一番いま人気のある遊佐晶。

数回しか会ったことはないけど、俺の義兄。




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