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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第13章:新しき人々

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上級者・千種

 おかしな一日だった…そんな感想を持ちながら帰宅する。

 部屋で着替えていると「幸平」と珍しく甘えるように千種が後から声をかけてきた。

「んあっ?」

 と我ながら間抜けな声で振り返ると、そこには尻。

「なんだあ?」

 と驚き、よく見ると千種のお尻は短い制服のスカートに包まれており、その中から綺麗に伸びた黒いストッキングの美脚。


 あ、やば。

 瞬間的に血の気が下の方へ。

 千種の脚ってこんな破壊力もってんのか…。

 なにかをああしたい…との強い欲求を抑えつつ、じっくりと観察する。


 至福千年。

「ほんとに好きなんだ」

 千種がこちらに向き直る。

「どう?」

「千種さん、俺とつきあってください」

「なにを?」

 あ、今さらか。それともなにを?


「分かった?」

「いろいろと」

「まだ半分しか本気出してないからね」

 俺は千種の怖さをいよいよ知る。


「旦那の性癖を広げてどうするんだよ」

「あなた、みささんに見惚れたでしょ」

 えー…認めた方がいいのか?正解が見えない。

「黙ってないで答えて。あたしとどっちが魅力的?」

 答える代わりにストッキングの感触を撫でて確かめる。

「ねえ…二人きりで住むようになったら、もっとしてあげる」

 耳元で囁くとか上級者の貫禄。


 よし千種に礼をいわねば。

「今度のとき何回…いきたい?」


 ・・・

 思わぬことでしばらく動けずにいた。

 ほんと男って単純。

 でやっと玲先生の報告。


「あら、幸平水泳に戻るの?」

 しれっと聞いてくる千種。だってみささんと約束したろ?

「他の女の約束が大事?」

 ……。

 ひょっとして怒ってる?

「…当たり前でしょ」

 そりゃまあ…。

「右腕だったら本気で怒るところだったわ」

 定位置ってか、お気に入りの場所って言うか。

「怒ってるのはね…みささんがあたしを()()()こと」

 なんでそんなこと。


「分からないかな。隙があるなら幸平をあたしから奪うって予告よ」

 そんな大げさな…。

「幸平のタイムを気にしてるうちにだんだん気になりだして…」

 そんなことあるか?

「とかそんな甘っちょろい動機じゃないもの」

 どういう?

「好きになったから、でしょ?」

 うわ…まじか。


「なんかねえ…キントキも怪しいのよね」

 えー?

「黙って見過ごすつもりだったんだけど、どうしてあなたは面倒なことばかり起こすの?」

 それは…おまえが幸せそう…とかじゃなくて、いい女になってきたからじゃないか?


「だったらなおさら。略奪なんて絶対にさせない!」


 あなた…もしかしてミコさん?


ギリR15?

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