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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第13章:新しき人々

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父に似た

「千種ちゃんの確約がとれたからいっか」

 どうやら児島家の心配はひとまず矛をおさめたらしい。

「じゃあさ、幸平くんに千種ちゃんが飽きたら、幸平くんをあたしに…」

「わ、わたしも…」

 千種はこのやりとりに苛立ったのか、

「幸平はあたしに満足しています」


「体が?」

「体も、です」


 はあ…。

 千種や橋本が入学する前は、この姉妹が学校の一番人気だったと聞いたことがある。それくらい飛び抜けた美人姉妹のはずだったのだけど。


 千種があまり放課後プールに俺を誘わない理由が分かった気がする。

 折井がいるとは言え(最近なんだか千種と折井は仲が良い)、野球部に放り込んでおいた方が、千種は水泳に専念できるのだ。もっともマリー・スティーブンスさんが本格的に関わるようになるらしいから、千種が今後どうなるかは分からないのだけど。


 ・・・

「幸平…あたし心配なんだけど」

 姉妹と別れクラスに戻る途中で千種は話す。

 心配?千種がなんか心配することあるのか?

「あたしがいないと幸平、絶対女の子に刺されるよ」

 怖いこと言うなよ。

「幸平にその気がなくても、勝手に寄ってくるし」

 そりゃ千種が横にいるからこそ、たまたま俺でも良く見えるだけだろ?

「ほんとにあなたは…」

 だいたい背も低いし、顔だって…。

「美也子ちゃんがいとこで、華さんが叔母さんでしょ?あなたのお母様とはお会いできなかったけど…」

 まあ…運としか。

「お母さんが言ってたけどね」

 千紗さん?

「華さんも美也子ちゃんもとびっきりだけど、一番は…」

 ………。

「あなたのお母様だって」

 もういないからな。昔の…話だよ。それに誠心さんからは俺がは親父似だと…俺はそれが嬉しかったんだ。


「あなたほんとに自分に無頓着」

 そういうおまえもな。

「どうしてあなたに女の子が寄ってくるか、分かる?」

 なんかフェロモンでも出てるからか?

「比較的綺麗にしてるよね」

 臭いって遠回しに言ってる?

「あなたの匂いはあたしが知ってる」

 そりゃ毎晩横で寝てるから…。

「あなただけの匂いだと思う?」

 俺、千種の匂いも撒き散らしてたり?

「あなたもうオスなのよ」

 んじゃおまえだってメス…。あぁ、そうだな。案外そうなのかも知れない。


「あたしたち微妙なお年頃でしょ?」

 男は言わない方がいいとは思うけど、まっ確かに。

「幸平、激しいし」

 いや、面目ない。

「つまりはそういうこと」

 非常に説得力のあるお言葉ありがとうございます。恙無く…今後は?


「あたし以外ダメだからね?」

 十分留意の上…

「はい、って言いなさい…バカ」



珍しく肩に力の入っていない千種ちゃん

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