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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第9章:美也子の帰還、それぞれの助走

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巨星再臨

 土曜日。

 県立のアリーナはかつてないほどの混雑だった。

 明らかに依田玲効果だ。

 本当に幾春秋のあと、彼女が戻ってくる。


 なんとも締まらないチーム名「なかよし水泳会」名で玲のチームは参加する。

 大柄な依田玲と大杉美樹が目立つが、他にも…。


「あのハーフっぽい人…橋本さくらじゃない?」

「日本に帰ってきたんだ…」

「金髪他にもっ…て、あれインターハイ三冠の橋本結菜だろ?」

「隣って姉妹最高の才能って噂されてる由麻だよな?」

「橋本三姉妹そろい踏みかよ」


「あたしはせいぜい前頭ってか…」

「どんな僻み方してるの、結菜」


「大杉美樹だ。でけえ」

「先生…ああいうのなんかのハラスメントじゃないですか?」

「…もう聞き飽きたの。じき慣れるわ」

「そんなものですかね」

「素敵な人と結婚できるから大丈夫よ」

「またその話…」


「ねえ児島姉の方小さいね」

「隣が妹なのかな?大きいのに…」

「さゆり、気にしないの。今日あなたが主役みたいなものだよ」

「そんなわけない…」

 依田玲は4×50mフリーリレーに児島さゆりをエントリーしていた。すでに50mなら橋本結菜をも上回るタイムを出している。


「おお…なんだあのロリにして色っぽい…」

 彼女は水泳競技会にどんな意味を持つのか。正解は誰も知らない。


 とまあ注目度は最高で。

「いい?お菓子を食べないこと。特に先生と結菜!」

 二人はビクッとして頷く。

「アスリートとして自覚を持って…」

「あの…ちょっとくらい…」

「そんなだからニートだったんでしょ。日向さんに伝えるから」

「それは許して…」

 早名千種は今日引率者だった。


 それはもう圧倒的で。

 個人種目においては自己ベストにはみな遠かった。

 だがこの大会に調子を合わせるメニューを玲は組んでいない。どちらかと言えば疲労抜きくらいの調整程度だった。


 だが結果として4×50mリレーの2種目…フリーリレーは玲、美樹、さくら、さゆりで。メドレーは結菜、美也子、みさ、玲で従来の記録を大幅に塗り替えることとなった。公認記録会なだけで、正式に日本記録になるわけではないほどの小さな大会ではあったが。


 大会を通じて出場した「なかよし水泳会」の選手の順位を上回る者は誰もいなかった。

「依田玲・再臨」とマスコミは報じ、彼女共にいる橋本三姉妹、大杉美樹、あるいは無名の小柄な美少女(児島みさ)に記事は触れたが、圧倒的にマスコミが注目したのは…また無名の美。

 六条美也子だった。


 会場の一部マニアにはロリにして艷やかな少女が(熱狂的に)一番人気だったと言う。

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