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高良フェノミナン/phenomenon〜キイロバナのまわりに咲く  作者: ライターとキャメル
第8章:母はきませり

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犬も食わないわ

「名前や連絡先は聞かなかったですけど」


 美人だけって情報ね。顔が代名詞ってムカつくよね、あたしも女だわ。

 幸平くんの関係者か。またちぐさちゃんが嫉妬しなきゃいいけど…。でもちぐさちゃんの妹なら…ちぐさちゃん一人っ子だった。

 自称が怪しい。今夜確認しなきゃいけないことが増えた。

 とりあえず由麻。


「光太郎くん、連絡先教えて」

「ええっ…」

 なぜ嫌そうな声を出すのかな?

「知らない人には注意して簡単に連絡先を教えないように言われてます」

「黙ってれば分からないわよ。知りたいのは由麻のことだけだから。それに…あたしは知らない人?」

「知らないわけでは絶対ないっすけど…」

 みきが知ったら怒るのかな?怒るんだろうな。

 でも…まっいいか。

「由麻から連絡来たときだけ教えてくれたらいいよ」

「一度もやり取りしてないから、それくらいだったら」

 なんか納得してくれたみたい。

「秘密の約束ね」

 秘密ができることが大人なんだよ、少年。

 変な女に騙されるなよとあたしは光太郎くんに念を押して別れた。


 あたしも十分に()()………女だ。


 帰宅してすぐにあたしはちぐさちゃんに連絡をする。

 ーー電話いい?

 短信。

 すぐに返ってくる。

 ーーん。どうしたの?


 許可をもらったのでまずは話しやすいちぐさちゃんへ。実家のことも話してしまおう。


「ごめん、急に」

 構わないと彼女。夕飯を作っているらしい。ちなみにあたしは料理が下手みたいな認識が、児島先輩たちや先生にはあるみたいだけど、ちぐさちゃんに教えるくらいには普通にできる。料理と字の綺麗さはあたしの美徳だと、彼女からお墨付きをいただいている。

「最近妹できた?」

 驚かせようと予想外から切り込んだ。……のに

「美也子ちゃんのこと?」

 あっさりと初耳の名前を言った。


「ちょっと風の噂で聞いたんだけど…すっごい美人がお姉さんって呼んでるって」

「まだ知り合って1ヶ月だよ。…あ、光太郎くんに会ったんだ」

 このお嬢様は回転が早すぎる。

「美人のほかは?」

「うーん、美少女?」

「おんなじ」

「顔がすっごい綺麗」

「ちぐさちゃんも綺麗じゃない」

「格が違うわ」

 彼女にそこまで言わせるとかどれほど。


「分かった。明日教えて」

「うん。フライパンが重くて」

「一人分?」

「二人だよ」

 あー、失礼しました。犬も食わないわね。使い方合ってる?

「現国再追試だったよね」

 藪蛇だ。遠くから腹減ったーと幸平くんの声が聞こえた。ごめん、お邪魔しました、っと。


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