表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

安心して、今だけだから

安心して、今だけだから

作者: 幻灯

私では、貴方の隣に立つ権利を持つことは出来ないのですか?



貴方からの愛を望むこと自体が、やはり烏滸がましいのでしょうか?



でも…仕方がないではありませんか。



貴方を嫌いになりたくても嫌いにはなれないのですから。



日に日にこの想いは、増していくばかり。



だからこそ、気づいてしまった。貴方がっ!私を恋愛対象として見ていないという事実に!!



あれだけ、私に話しかけてくれたのに!



あれだけ長い間…私にほとんど毎日話しかけてくれたのに…



それさえも、ただの気まぐれだったと言うのですか?


そんな残酷なことを誰が考えつくと思いますか?



分かってはいるのです。



自分から話しかけにも行かない私にそのようなことを言う資格がないことも。


待つばかりで自分から行動しようともしない私に貴方を責める資格がないことも!


だから!




だから…




諦めようと。最終学年でクラスが離れてしまった、この機会に諦めようとしました。




でも、そのようなことが私に出来るはずがありませんでした。




離れていても考えるのは貴方のことばかり。偶に廊下で見かけると話しかけてくれないかと、考えてしまうほど貴方のことを愛しているのです。




なら、自分から行けばいいと、おっしゃる方がいるでしょう。




では、貴方には出来ますか?





私ではない人のために私のクラスにやって来て、楽しげに笑い合い、軽口を言い合い、私の事をチラリとも見ない方に、話しかけに行くことが出来ますか!?




少し前まで、彼女が来る前までは少しではありましたが、私と話すために私の教室に来て下さりました。




ですが、彼女が来てからは私には目もくれず彼女に会いに行く貴方の姿を見ることが多くなりました。





その時、私が何を考えているかあなたには、分かりますか?





早くこの学園から出て言ってくれと、早く私の視界から消えてくれと考えてしまうんです。





だって、彼女がいると自分が惨めになってしまうんですもの。




まるで、今までは彼女の代用品として一緒に過ごしてくれていただけだと言われているようで。




ふふっ、こんなに惨めで苦しい思いをしてまで誰か愛してしまう自分がいるなんて…





知りたくありませんでしたわ。




でも、あと少しで貴方とは会えなくなる。





卒業すれば、二度と会うことは無くなる。きっと、貴方は私の存在自体を忘れて結婚するのでしょ?





だって、貴方はただでさえ忘れっぽいのだから。








だから、












安心して、今だけだから






貴方がこんな私を知ったらきっとガッカリするのでしょ?


貴方が知る私は、勉強が出来る女であって、恋する乙女ではないもの。



だからね、決して貴方に伝えるつもりはないの。



こんな醜い想いを。




こんな醜い私の心を。



貴方の前では、カッコつけたいのもあるのだけどね。






読んでくださりありがとうございます。

もし、面白いと思っていただけたら評価してくださると励みになりますのでお願いします。

この作品の続編も書こうと思っているのでそちらも読んでみたい思った方はブックマーク等、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ