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怪談 カイダン ダンダン ダダダーン

あれは四年前の事だった、僕は・・・


挿絵(By みてみん)


それは、まだコロナが起きていない

四年前の事ー


僕は老人介護施設で

働いていた。


入院ではなく、遊ぶ方ー

老人達の、幼稚園のような場所

と言ったら、問題になるが

そんな所に勤めていた。



月曜日はカラオケの日で、

みんな楽しそうに

歌っている。


「どうしたの?鴨居くん

元気ないね」


琴子おばあさんが聞いてくる

上品な顔しているが、目つきは鋭い。


「実は

うちで飼ってる

猫が一昨日から帰らないんです」


「ひょっとして、オス?」


「そうですオス猫です・・・」


「ああ。 オス猫は自分の家の近所で

縄張り争いに負けると

帰れなくなって、

どっかいっちゃうって聞くわよ」


「ええ・・・そうなんですか!

どうしよう」


琴子おばあさんは目を細めて

「そういや、一昨日から入院している

順子さん、もうダメみたいよ

脳卒中ですって・・・」


「本当ですか。

順子さんは、この施設から出て街を

みんなで一緒に、

車椅子で散歩するんですが、

うちのクロが凄い懐いてたんですよね」


「ほんと、順子さんって

動物に好かれる、良い人なのに

私みたいな、猫が大っ嫌いな

意地悪ばあさんが

長生きしてわるいわ」


琴子おばあさんはうっすら笑ったのを

僕は見て見ぬふりをした




次の朝

玄関を開けると、クロがいた。

何事もなかったように

僕の足に体を絡ませてくる


「どうしたクロ、どこ行ってたんだよ」

僕はクロにたっぷりと餌をあげた。


仕事場について

猫が戻ってきたことを、

琴子おばあさんに報告しようと

後姿の車椅子の肩を叩いたら。


そこにいたのは、順子さんだった


僕は驚いて

「順子さん、脳卒中で危なかったって聞きましたけど

お元気になられたんですね」


順子さんは、ニコニコ微笑んでいる


「琴子さんにも教えてあげないと

どこにいるんだろ」


同僚の裕美が、悲しそうな声で言った。


「琴子さん昨日、自宅で亡くなったそうです

脳卒中ですって」


僕は声をあげた

「昨日あんなに元気そうだったのに」



そこで

順子さんは、ニコニコしてこう言って


「鴨居くん。クロちゃんに

ありがとうっと言っといて」


「身代わり、を見つけてくれてってね」




高級猫缶を三つ僕に手渡して

ウインクした。



ー終わりー








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