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後輩6-10

誰を勧誘するか考えていたらあっという間に月曜日の朝になってしまっていた。


とりあえず、神無を誘ってみようかな。いつも通り朝は神無と一緒にいくしその時に聞いてみよう。


「神無、できたらでいいんだけど生徒会に入ってくれないかな。役職は何でも良いんだけど」


「めんどくさい」


「だよね、神無は仕事も忙しいもんね」


「ギリギリまで人が集まらなかったらまた考える」


「そっか。ありがとう」


やっぱり断られたか。僕と同じで神無も面倒くさがりだし、駄目だとは思っていたけど。


学校に着いてからは休み時間の度に色んな人を勧誘したが、成果は全くなかった。


やっぱり生徒会って結構大変なイメージがあるのかな。生徒会長以外はそんなに忙しくないはずなんだけどね。

まあ、今回は僕が演説で色々なことをやりますって言ったから、忙しくなるっていうイメージがついてしまってもしょうがない気がする。


気づいたらあっという間に一ノ瀬さんと会う時間になってしまっていた。


急いで生徒会室に向かうと一ノ瀬さんがすでに生徒会室の前に立っていた。


「僕から呼んだのに待たせてごめん」


「いえ、私も今来た所なので」


急いで生徒会室のドアを開けて一ノ瀬さんと一緒に入る。

なんか一ノ瀬さんの様子が変な気がする。そんなに生徒会に勧誘されるのって緊張することだっけ?


「一ノ瀬さん」

「は、はい」

「東雲さんからもう聞いているかもしれないけど、生徒会に入ってくれないかな?」

「え?」


空気が凍った。


「答える前にちょっと東雲に電話しても良いですか」


「はい、大丈夫ですよ」


「東雲、私に言うことはないかしら」


鬼のように怒っている気がするけど何かあったのだろうか。


2、3分東雲さんと電話で話していたがようやく終わったようだ。

電話中怒ったり照れたりしていたが何を言われていたんだろう。


「お話を中断させてしまってすみません。それでなぜ私を誘うんですか」


「僕、転校してきたばかりであまり友達もいないし誘える人がほとんどいないんだよね」


僕が正直に答えると彼女はまた不機嫌になった。


「なるほど、知ってる人に片っ端から声をかけている感じですか。女たらしですね」


「いや、女たらしってこの学校女の子しかいないんだからしょうがないじゃん」


「まあ男の子は先輩しかいないですもんね。まあ私は仕事があるのでできないですね」


「そっか。一ノ瀬さんが生徒会に入ってくれたら楽しそうだし、仕事もできるから頼りになると思ったんだけど」


「それを最初に言ってください。しょうがないからやってあげてもいいですよ」


「え、ありがとう。凄く助かるよ」


急にやる気を出してくれたのか、いきなりオッケーしてくれた。


まだ知り合ってから一週間もたっていないけど、1年生の中では一番仲良いし、やってくれるのはかなり嬉しい。同じ寮の花宮さんも1年生だけど僕にはかなりあたりが強いしな。


「そういえば、次の撮影は来週の日曜日なのでよろしくお願いしますね」


「え、売上とかの結果が良ければって話じゃなかったっけ?」


「私のSNS見ましたよね?あの反響で先輩を使わないなんてことするわけないですよ」


「まあ、それならやりますけど」


「私も生徒会頑張るので先輩もモデルの仕事がんばりましょう」


「そうだね。わかったよ」


「じゃあ、そういうことで」


一ノ瀬さんが生徒会室から出ようとして、ドアを開けているがなぜか硬直している。


「あ、葵。いつからここにいたの?」


「ごめん、最初から。全部聞いちゃった」


僕と一ノ瀬さんは目を見合わせた後、二人で大きなため息をついた。

読んでいただきありがとうございます。


明日も引き続き投稿する予定なので、この話が面白い、続きが気になると思っていただけたらブックマークや評価をしてくれると嬉しいです!

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