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後輩6-7(一ノ瀬麗視点)

今回の話は6-5の一ノ瀬麗視点となります。


今日は待ちに待った撮影の日。

こんなに楽しみなのはいつぶりだろう。


私がメインで立ち上げるブランドの中で初めての男性ブランドなので気合いが入っているのもあるけど、やっぱり伊澤先輩が来るっていうのが一番大きいかな。


撮影の準備を色々しているとカメラマンの近藤さんがスタジオに入ってきた。


「おはようございます。今日はよろしくお願いします」


「久しぶりね、麗ちゃん。今日はよろしく~」


近藤さんは私が小学生の時からファーストカレントのカメラマンとして働いている人でその中でも最もモデルの実力を引き出すカメラマンと言われている。


「はい、よろしくお願いします。近藤さんは今日も早いですね」


「ええ、準備に妥協すると良い写真は撮れないからね。それにモデルよりも早く入ると、その人の私服も見れて撮影のイメージがつきやすいのよ」


やっぱりそれが良い写真を撮るための秘訣なのかな。私が小学生の時から一緒に仕事をしているが毎回かかさず早く仕事場に来ている。


近藤さんと私で各々準備をしていると、伊澤先輩と東雲が来た。


今日は言っていた通りウィッグ無しで女性用のボーイッシュ系の服を着ている。

学校でしか会ったことがなかったからウィッグ無しの姿は初めてみたけどやっぱり伊澤先輩は可愛いな。前の高校が男子校じゃなければモテモテだった気がする。

まあ今は女子校でモテているけど。


近藤さんにも紹介したがかなり評判が良いみたいだし、これは撮影が楽しみだ。


着替えて化粧もしてもらったが思っていた感じと違う。

あれ?全然魅力が出ていない。他のモデルと同じレベルに成り下がっている。


小物の選択も化粧も、他のスタッフからの評判は悪くないが何か納得ができない。


伊澤先輩は男の子なのに女子校に行っているという他の人から考えたら馬鹿げているような状況で生活をしている。

しかももう1ヶ月以上経っているのに多分私を含めても3人にしかばれていないと思う。

それほど規格外の可愛さと演技力、女子力を備えている。

そんな人がこの程度の訳がない。


やる気が無いのかと思って伊澤先輩を呼び出したがどうやら他のモデルの真似をしていたらしい。

伊澤先輩はそのままでいいのに勿体無い。


私が怒ったあとは何か思い付いたのか、東雲と二人で化粧品やアクセサリーを集めはじめた。東雲に頼まないで私に頼んでくれればよかったのに。


どうやらいつも通りのメイクを完璧にするためにいつもの化粧品がほしかったらしい。

化粧ポーチは持っていたとは思うけど、中にフルメイクするだけの物は入れないもんね。

多分ジェンダーレス男子用のメイクをする気満々だったと思うし尚更足りなかったんだろう。


いつものメイクをしてモデル用の服を着た伊澤先輩は他のモデルとは全然違う雰囲気があり、まさに私が求めていた姿だった。


でもそう考えると悪いことしちゃったかな。


ジェンダーレス男子のメイクをその場で出来るくらい事前に調べてこの撮影に臨んでくれるとは全然思っていなかった。こんなことなら事前に言っておくべきだったと思う。選挙の時も演説を見ただけで本気で練習していたのがわかったしやる時はやる人なんだな。


でもごめんなさい。こっちのほうが100倍綺麗だからいつもの伊澤先輩の化粧のほうでいかせてもらうね。

見ていただきありがとうございます。

明日投稿する話も麗視点になります。


ブックマーク100件目指して毎日投稿中なので、この作品が面白い、続きが気になると思っていただけたらブックマークの登録していただけるとめちゃくちゃ嬉しいです!

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