生徒会長編5-10
「只今ご紹介に預かりました2年2組の伊澤優です。
私が生徒会長に立候補した理由は生徒にとってより良い学校にしたいと思ったからです。
現状、この学校の中で最も生徒に評価されているのは制服についての校則の緩さだと思います。
みなさん知っての通り、制服はブレザーとスカート、白のブラウスくらいしか指定はなく、靴下などは自由でスカートの長さなども特に指定はありません。
これは他の学校に比べてかなり緩く生徒の自主性や常識に任せられています。
しかし20年ほど前のこの学校の制服はスカートの長さなどが決められていて、さらにこのようなネクタイがありました」
僕はスカートのポケットから先ほど理事長から借りたピンク色のネクタイを取り出し慣れた手付きでネクタイを結んだ。
「はっきり言って今見た多くの人がこのネクタイをいらないと感じたのではないかと思います。
このネクタイは30年程前に私たちの先輩が全校生徒の9割以上の署名を集め学校側に撤廃を求めたものです。それに加えてその時代にスカートの長さの規定などもなくなりました。
今、一番生徒にとって評価されているこの制服も先代の生徒が動いた結果良くなったものです。
このように生徒が動けばより良い方向に変えることができます。
しかし裏を返せば、意見しなければ何も変えることはできません。
なので、私は学校側に意見します。動きます。
そのため公約については全校生徒の意見を取り入れやすいものにしました。
1つ目は修学旅行の行き先の内容を投票により決めます。
2つ目は食堂のメニューの追加の内容を投票により決めます。
3つ目はリクエスト箱の設置をします。
1つ目、2つ目の修学旅行の行き先と食堂メニューの内容を投票で決めるというのは、先ほどお話ししたように生徒主導で学校生活がより楽しくなれるようにと考えて公約として掲げました。
しかし、私の考えだけではよりよい学校生活を送るためのアイディアには限度があります。
なので皆さんの意見や考えを教えてほしいです。
そのためリクエスト箱というものを設置します。
現在の生徒会では目安箱というものが存在しています。ですが目安箱はあくまで校則や部費に関しての質問が多くその質問に答えて終了というケースが大半で、あまり有意義なものではありませんでした。
私が今回設置したいと考えているリクエスト箱は質問ではなく意見を求めます。その中で意見の多いものや学校生活がより楽しくなるような物は月一回ある全校朝礼の時に発表し、その後全校生徒の投票により意見を取り過半数を越えたものは実現します。
これらの公約を達成していきながら生徒一丸となってより良い学校にしたい、いや絶対にします。そのチャンスを私にください」
伝えたいことは全て言えたので一礼して「ありがとうございました」と言い壇上から降りると拍手が体育館中に響いた。
今回の演説の内容はこの生徒会長編を書き始めてからずっとどうしようか考えていた所で、今まで書いてきた中で一番書くのに時間がかかったところだったので読んでいただけて嬉しいです。
明日と明後日も投稿しますので引き続き見ていただけると嬉しいです。
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