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初日3-4

部活勧誘に巻き込まれたとはいえ、今日は始業式とHRしかなかったので、まだ13時過ぎだった。


今日は寮に帰っても昼食が用意されていないのでコンビニで買うことにしようかな。


学校から歩いて2分くらいのところにあるコンビニは学校の敷地ではないが、ほぼ堀江学園の生徒専用になっている。まあ学園の周りはほとんどなにもないしこの学園の関係者以外はあまり来ないだろう。そのため、高確率で学園の生徒に会うことになる。ご飯を買うついでに、ジャンプでも立ち読みしようかなと思ったが、変な噂が立つと困るので、やめておこう。前の学校の時は月曜日は少し早く家を出て立ち読みするのが週初めの楽しみだったりしたのだが、しばらくそれはできないな。


そんなどうでもいいことを考えていると、急に視界が暗くなった。


「だーれだ」


なんか背中に柔らかい感触と良い匂いがする。


こんなことをする人に心当たりがない。五條さんはテンション的にやってきそうだけど、こんな柔らかい感触はしない気がする。ごめん五條さん。


「声的に会田さんかな?」


「あたり~今帰り?」


「うん、部活勧誘の波に巻き込まれちゃって」


「ああ、なるほど。どこも新入部員が欲しくて全力で勧誘してるからしょうがないね。巻き込まれたくない人は早く出るか、靴を持って裏庭のほうから抜けるんだけど、今日入学したし流石に知らないよね」


「そうだね。でも色々な部活を見れてちょっと楽しかったかも」


「それは良かった。でもうちの部活は見に来てくれなかったよね」


じとーっと僕を見る。

すごい人混みだったし見つけられないのも許してほしい。

そもそも会田さんが何の部活に入っているのかすら知らないし。


「会田さんは何の部活入ってるの?」


「一応服飾部に入ってるよ。ほぼほぼ幽霊部員だけどね。今日もちょっと顔出しただけですぐに抜けてきたし」


「自己紹介でも服を作るのが好きって言ってたもんね」


「うん、家のミシンよりも学校のやつの方が格段に良いから、早く作りたかったり、小さい生地がほしい時とかだけ部活に行くの」


「そうなんだ」


そこから少しどうでも良い話をして、お互いの家の話になった。



「そういえば、伊澤ちゃんってどの辺に住んでるの?」


「今は寮に住んでるね。神無と五條さんと同じところだけどわかる?」


「ああ!あそこかー」


「有名なの?」


「うん、去年の学年別ミスコンの1位をあそこの寮のメンバーで独占してたからね」


「ミスコン?」


「そう、5月の生徒会選挙と一緒に毎回やる余興で人気投票みたいなものだね。正直生徒会選挙よりもこっちの方が盛り上がってるよ」


なるほど、この学校特有のイベントみたいなものか。


てか5月に生徒会選挙をやるってことは天野さんはもう少しで生徒会長じゃなくなるのか。


それから5分ほど会田さんと話してからコンビニで蕎麦を買い寮に帰った。


寮に着き部屋で蕎麦を食べようとおもったが部屋で食べてめんつゆこぼしたら嫌なので食堂で食べようかな。


食堂に行くとペットボトルを持ってる神無がいた。


「もうご飯は食べた?」


「うん、飲み物取りに来ただけ」


「そっか」


まだ食べてなければ一緒に食べようと思ったけどしょうがないな。


すると、神無は椅子に座って飲み物を飲みだした。


「部屋戻らないの?」


「うん、優はここで食べるんでしょ」


「うん」


それからしばらく黙々とそばを食べ、神無は黙ってお茶を飲んでいた。


お互い無言だが特に気まずいという感じでもなくなぜかわからないけど神無がいると落ち着くような気がする。


このまま喋らなくてもいいけど、せっかくだし会田さんから聞いた話を聞いてみようかな。


「そういえば神無って去年のミスコンとったの?」


「気づいたら取ってた」


やっぱり去年の一年生で取ったのは五條さんじゃなくて神無だったか。

なんかすまん五條さん。


「取ったら何かあるの?」


「好きなものをもらえる。私はチョコ1年分」


「雪はパソコン買ってもらってた」


「雪?」


「天野雪」


「ああ、雪って天野さんか」


神無は学年とか関係なく呼び捨てなんだな。よくわからないけど神無なら許される気がする。


てか、パソコンってすごいな。どこからそのお金が出ているんだろう。


あらためてこの学園の凄さを知ってしまった気がする

お読み頂きありがとうございます。

今まで最低でも2日に1話は出すようにしていたのですが昨日、一昨日と出せなくて申し訳ありません。週4話は個人的には出すようにしたいので今日の夜か明日の夜にもう1話投稿します。

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