表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んでまでいじめられた僕は乙女ゲームの主人公になってイケメンたちを攻略する  作者: ナイユ
育成ルートまたは逆ハーレムルート ~ダンジョン編~
40/49

ルート40 怪盗先生

 


 企み顔で僕に近づいてくる三人。


(待って、待って。顔がいやらしいんですけど――!!)



 正面から大きい体をしたアースが、ふわりと石鹸の匂いをさせて僕の体を抱きしめてきた。


「ちょ、ちょっとアース君」

「なぁに? ソプラノさん」


(なぁに――って、アース!!)


 穏やかな顔に似合わず、がっちりとした体で掴まれて息が苦しく呼吸が荒くなる。


「ソプラノ」

「ら、ライト君まで!!」


 耳に低音を注ぎ込まれながら、ライトに背後から抱きしめられる。

 高い身長の持ち主に長い手足をスルリと巻き付けられる。


「もう、ダメだってば二人とも!!」


 僕がジタバタとしながら抗議すると、もう一人が近づく気配がした。


「ああ、ソプラノちゃん、本当に可愛い――」


 器用にアースとライトの隙間から僕を触ってくるルビー。僕の右側から体重をかけてきた。


 ルビーが自分の顔を僕のほっぺに、すりと滑らせる。

 ルビーの甘くて高そうな香水の香りと、三人に押しつぶされる体の圧力でクラクラとしてくる。


(あ、まずい。気が遠くなってきた―)


 僕の意識が朦朧とし始めた時に声が響いた。


「こぉら、そこの三人。女の子に寄ってたかって発情しちゃ駄目だぞ」


 見上げると、艶やかな黒い髪をした絶世の美形がいた。


(誰だろう?)



 パァン!!


「あなたこそなんで学校に来てるんですか!」


 一応僕たちの担任でもある魔法の先生が、謎の美形の後頭部に教科書を叩きこんでいた。


(そこは漫画本は使わないんだな)


 丸めた教科書とは違い、綺麗な状態で教卓の上に乗っている漫画を見て思った。先生漫画大事だもんね。



「えー、だって今度俺にも教えさせてくれるって言ってたじゃない?」


 謎の美形はキリリとした顔立ちに似合わず砕けた調子で魔法の先生に絡んでいく。


「今日じゃないでしょう、なんで来たんですか。学校は遊び場じゃありませんよ」


 真面目な事を魔法の先生が言う。


「自分だって、どうせ漫画いつも読んでるんじゃな~い?」


 謎の美形は楽し気に魔法の先生に言い返した。


(おお、当たってる)


 ――この二人仲いいのかな? 





「えー、皆さんに紹介しておきます。今度から授業の手助けをしてくださる事になった怪盗さんです」


 魔法の先生が謎の美形を引き連れつつ教壇に立った。


(か、怪盗?)


「怪盗先生とでも呼んでくれてかまわないよ」


 謎の美形――怪盗先生はそう言った。


「実力は十分ですが、いかんせん教えるのはド下手くそな方ですので、皆さんあまり期待しないように」


 魔法の先生が苦々し気に紹介した。



「胡散臭い奴だね」


 隣の席のアースがそう言った。


「た、確かに」


 僕もアースに同意する。


 そうしていると、怪盗先生がこちらに近寄ってくるのが見えた。


 !?


(え、どうしたんだろう)


 アースとコソコソ話をしていたのを気づかれたのだろうか。



 怪盗先生はアースの机の上に置いている宝箱を見て言った。


「君、なかなか上手に開けれてるね! 筋がいいなぁ」


 怪盗先生は嬉しそうにニコリとアースに微笑んだ。

 いきなり褒められたアースは戸惑い気味に怪盗先生を見ていた。


「なんですか? 突然」


 怪訝な顔をして言ったアースには答えず、怪盗先生は次に僕の方へと体を向けた。



「え、あの」


 しどろもどろとしていると、僕の後ろに先生が回り込んできた。


「んー、悪くはないんだけど、こっちはもう少しかなぁ」


 僕の背後に覆いかぶさるようにしながら、先生は宝箱を見た。


(な、なんだろうか)


 先生は後ろから僕の顔のすぐ近くに、自分の顔を寄せにっこりと笑った。


(あ、笑った顔ちょっとウォーマに似てる)



「クイッ、クイッってやったら開くから、今度試してみてね」


 んー。ん?

 クイックイッで、僕はアースに貸してもらった本について思い出した。


 いや、違うよね?

 

 すると、僕の隣からアースの驚いたような声がした。


「まさか、あなたこの本を書かれた方ですか?」


 隣を見ると、アースが茶色の本を取り出して先生に突き付けていた。


「ん、あー、そうそう。買ってくれたの? ありがとーん」


 怪盗先生が嬉しそうにアースに投げキッスした。



(え、え~~~~! あの本の人!?)


 じゃあ、凄腕シーフってこの人なんだ。


「ファンです!」


 アースがらしくもなく、先生の手を掴んで興奮した様子をしている。



 わ、わぁ。


 すると、僕の膝の上からウォーマの声がした。


「……兄さん」


 わ、わぁ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
[一言] 3人組に抱き締められるソプラノちゃん 愛されてますね~(*´ω`*)ふふ 個人的に石鹸の香りのアースに抱き締められたいです(笑) そして漫画を大切にする先生好きです(笑) 漫画愛を感じて好…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ