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死んでまでいじめられた僕は乙女ゲームの主人公になってイケメンたちを攻略する  作者: ナイユ
育成ルートまたは逆ハーレムルート ~ダンジョン編~
36/49

ルート36 抱き着くために頑張る三人とレベル上げをしてくれるスライム

 


「俺が一番魔物倒すから、そしたらチューしてくれない?」


 夏休み、三人と一緒にダンジョンを目指す道中にルビーに言われた。


「えぇ」


 僕が呻くと、残りの二人もルビーに続いた。


「抜け駆けすんなよルビー。ソプラノ、俺が絶対一番になるから……その、キスしろよ」

「ソプラノさん、俺が一番になるから可愛いお口貰ってもいい?」


 僕は目を白黒させる。

 ウォーマがモフモフ姿で小さく唸った気がする。


(だ、大丈夫だよウォーマ。そんな事しないよ)


「あの、さすがにキスは駄目だよ」


「どうしても?」

「ダメか?」

「そっか残念……」


 僕が断ると三人が気落ちしたように見える。


(うーん可哀そう? いやいや! でも駄目だよ)



 草むらを踏みしめ歩きながら、ルビーはしょうがないといった風に提案した。


「じゃあさ! 三人の中で一番モンスター倒せた奴をぎゅうって抱きしめてくれるのはアリ?」


「う、う~ん? まぁ、そのくらいなら?」


 断った負い目があるので、僕も少しは妥協するべきかなと思った。


「よっしゃ~、やった嬉しい!!!」

「俺がぜってー、一番になるからな!」

「わぁ、楽しみだな」


 三人が盛り上がる。

 僕はその三人の様子を見てハッとなった。


(も、もしやこれは……)


 最初に無理な要求をした後に、少しだけ下げた要求をして通すというあの……。

 営業マンご用達のドア・イン・ザ・フェイスでは!?


 くっ。


 ルビーのにやりとした目と視線が合った。




「そういえばそれ、付けてきてくれたんだ」


 アースが僕の首筋を見て言った。


「あ、うん。皆ありがとうね」


「スゴク似合ってるよ! ソプラノちゃん」

「だな。いい感じじゃん」


(え、えへへ)

 僕は三人に貰ったチョーカーを自分の指先で触る。


 三人が僕の家に遊びに来た時のプレゼントの中身は二つあった。

 一つはシャボン玉のような形をした魔法水玉という玩具と、もう一つは可愛らしい音符のマークがついたチョーカーだった。


 首へのフィット感もよく、鏡を見た時に非常にソプラノに似合ってる気がして、僕は気に入っていた。

 モンスターの皆と魔法水玉で遊んだが、これも評判が良かった。


『こんな素敵なのをくれるなら、勇者も悪い奴らじゃなさそうですね』

 魔法水玉に満足したモンスターたちがそう言っていた。


「ソプラノを抱きしめるためにも、魔物倒して倒して倒しまくるぜ!!」

「何言ってんの? 俺がソプラノちゃんに抱き着いてもらうの。お、わ、か、り?」

「ふふっ。二人ともソプラノさんを貰うのは俺だから。絶対渡さないよ」


(いや、悪い奴らだよ、やっぱり)





「おい、あれスライムじゃね?」

「どれどれ?」

「あ、本当だ」


(きたーーーーーー!!!)


 てくてくと歩いていた僕らはダンジョンの入り口まで来てしまっていたようだ。

 見知ったスライムがピョコンと現れていた。


(どうしようどうしよう)


 色んな意味で緊張しだした僕とは違い、三人は堂々とスライムの近くに歩み寄った。

 僕はスライムと目が合った気がした。


(が、頑張れ! スライム君!!)


 僕の気持ちにこたえるようにピョンと一際大きくスライムが跳ねる。



「ソプラノちゃんとギュッってするのはっ、この俺だからな!!」


 ルビーがおかしな事を真面目に言い放ち、スライムに攻撃を始めた。


(が、がんばれ~~~~~!!)


 僕はスライムを応援しながら、自分の両手を絡めて握りしめた。



 ゴウゥゥッ


 ガッと突き出したルビーの手から炎が放たれる。

 スライムはそれを受け止めながらも動こうとしない。


「なんだぁ?」

「なかなか倒れないけど、攻撃もしてこないね」


 ライトとアースが怪訝そうな顔をする。


(れ、レベル上げ手伝ってくれてる~~~~~~~~!!!)


 足元で戦闘を見守っているウォーマが僕の視界に入る。

 スライムの成長に喜ぶように、ウォーマは目を細めていた。


(良かったね、ウォーマ)

 参観日に来た親御さんのような気持ちなのかもしれないな。


「んー?」


 ルビーが首を傾げて攻撃をやめる。


「ステータスオープン! 俺」


 先生やウォーマと違い他人のステータスは見れないが、僕たちでも自分のステータスは見る事ができる。


 ルビーの詠唱で文字が出る。


【ルビー】LV23  

 『魔力122』

 『知力100』

 『体力110』 

 『特殊スキル 炎』



「おースゴイスゴイ、2もレベル上がってる」


 ルビーが自画自賛する。


「へぇ、凄いじゃん!」

「本当、おめでとう! ……でも」


 ルビーもアースの言葉に目で頷き、言った。


「なんでレベル上がってるのにスライム倒せないの?」


 僕は心の中で称賛した。


(おめでと~!! ちゃんとルビーのレベル上がってるよ! スライム君!!)


 困惑した三人とはよそにスライムはえっへん! と宙で回転して見せた。


「っ!!?」

 三人組はそんなスライムの様子に警戒の姿勢を見せる。


 皆に姿が見えない事をいい事に、ウォーマもスライムの近くまで行き、くるりと回った。


(テンション高いなウォーマ。嬉しいんだろうな)


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― 新着の感想 ―
[一言] ルビーやりますね(笑) 社会に出たら上手くやっていけそうですね! しかも貰ったプレゼントが独占欲丸出しな感じ堪らないです(笑)音符のマークがついてるのもソプラノちゃんぽくて可愛いです!ナイ…
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