ルート31 レベル21お祝いパーティー ~イケメンが遊びに来た~
「なーなー! レベル21のお祝いにパーティーしない!?」
「いいね~、アースも行こうぜ!」
「えー、俺も? まぁ、いいけど」
イケメン三人組がなにやら楽しそうに教室で話している。
(パーティー面倒そうだなー。僕だったら行きたくないかも)
まぁ、こういうのは男同士でやってどうせ僕には声はかからないだろう。
「じゃあソプラノちゃん家でお祝いね!!」
「オーケイ! ソプラノん家ね」
「お菓子や飲み物は俺たちが用意して持っていくね!」
(なんでだよ!!!)
「酷いよ。皆、勝手に進めて」
僕は休日のパーティーに向けて家を掃除しつつ、ウォーマに愚痴る。
「ソプラノちゃん可哀そうに」
よしよしと片づけを手伝ってくれていたウォーマが頭を撫でてくれる。
「一人ならまだしも、あの勢いの三人を断れないし」
僕はうわーんとウォーマの体に抱き着いた。ウォーマはまたポンポンと僕の頭を撫でてくれた。
(うぅ、掃除しないと)
そしてすぐにパーティー当日は来た。
(片付けよし、服は――これでいいよね)
男ばかりだし僕も男っぽい服を着ようかなと思ったが、せっかくパーティーだしなぁと考え直してシンプルに可愛い系にしてみた。ルビーの好みの系統な気もするが、まぁいいや、この服の気分だし。
――ドキドキドキ
『ピンポーン』
(うわー! 来たー!! 来ちゃったよー!!)
僕は三人が鳴らすチャイム音に少しパニックになる。
頭が真っ白になりながらも、おそるおそる玄関を開けた。
「い、いらっしゃい」
玄関に大きな三人分の影ができる。
「お邪魔―!! ソプラノちゃん!!」
バッ! と一際目立つ派手な雰囲気、誰が見てもカッコイイと思うだろう装いでルビーが現れる。
「へぇ、ここがソプラノん家ねぇ。あ、お邪魔しまーす」
ルビーの後ろから高い身長を折り曲げたライトが入ってくる。
「わぁ、いい匂いがする。お邪魔します」
そっちこそいい匂いがしそうなアースが優美な姿勢で家に入ってきた。
私服姿で余計イケメン度が増した三人組。手にそれぞれジュースやお菓子を入れた袋を抱えている。
僕は三人を自分の部屋へと誘導する。
「へー! 可愛い部屋だね」
アースが部屋をくるりと見回し褒めてくれた。
「うっへ。ピンク! まぁらしいんじゃねーの」
ライトがけなしてるのか褒めてるのかよくわからない感想を漏らす。
ルビーはと思っていると、僕の腕を掴んで丸いテーブルの近くに座った。僕もルビーの手に引っ張られその隣に座る。
「俺、ソプラノちゃんの隣ねー!」
「じゃあ、俺その反対側~」
いつの間にかアースも近くに来ていて僕の左隣に座った。ルビーは僕の右側だ。
「真正面かよ、まぁいいけどねー」
ライトが机を挟んで真向かいに腰掛けた。
「はい、かんぱーい!!」
「ういーっす」
「乾杯!」
――カチンカチカツン――
いつもは僕とウォーマだけで静かに暮らしている部屋の中で、三人が乾杯をする。
(お、男くさい)
ピンクを基調とした可愛らしい部屋には不似合いな組み合わせだ。
「レベル21ってヤバくない?」
「ヤバいヤバい! すっげヤバい!!」
右隣のルビーと真正面にいるライトがなにやら勝手に盛り上がり始めた。
(これがリア充のノリか。怖い)
左隣に座っている茶髪イケメンのアースがこっそりと僕の方を向いた。
(なんだろ)
そうして、アースは自分のジュースの入った瓶を僕の持っている瓶にくっつけた。
「ソプラノさん乾杯」
「うん、かんぱい」
おそるおそる乾杯をすると、アースは目元を緩めて嬉しそうに微笑んだ。
そんな僕らをルビーが目ざとく見つける。
「くそアース!! 抜け駆けすんなよなー!! ソプラノちゃんかんぱぁい!」
「待て待て俺がする! ソプラノかんぱーい!!」
ルビーに続いたライトもググと体を近づけ、瓶をくっつけてきた。
(お、おお)
学校とは場所が違うからだろうか。面子はいつもと変わらないのに、僕の部屋にいる三人はなんだか新鮮に映る。
(なんか、学校よりリラックスしてる?)
皆いつもより、笑顔が多い。楽しそうなのが伝わってくる。
(まぁ、思ってたよりはこういうの悪くないかも?)
そんな風に思っていると、床についている僕の右手をルビーの人差し指がつーと撫でてきた。
(うわっ、何)
すると、今度は左手に違和感を覚える。指と指の間の付け根にアースの指がつつっと入ってくる。
(ひぃ、なになになに)
助けてと真正面を見ると、僕の太ももをライトの長い脚で挟まれる感触がした。
唖然として口を開けたまま三人を見回す。
三人とも僕を触ったまま何事もないかのように談笑している。
(なんなんだよ、こいつら~~!!)




