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氷雨と大牙……炎国への帰還1

 全てが終わり、目覚めた大牙は、船内で拘束される形で手足を鎖で繋がれていた。


「これは……」


 意識が戻り、手足に繋がれた鎖が“ジャラジャラ”と音を発てると、直ぐに見張りであろう男が喋り掛ける。


「意識を取り戻したか、すまないが……少し待っててくれ、直ぐに報告してくるから」


 優しそうな声で、申し訳なさそうにそう口にすると、男は直ぐに駆け出していく。


 それから直ぐに、氷雨と五郎が慌てて、拘束された状態の大牙のもとに走ってくる。


 その背後には、豪雪の姿もあり、拘束されたまま、大牙への説明が開始される。


「うむ、取り敢えず、拘束させてもらった事実を謝罪しよう、本当にすまないな」


 そう口にすると頭を下げる豪雪、そこから、拘束が解かれると、大牙は自由の身になる。


 手足の感覚を確かめるように指先を動かし、動きを確認する。


 その直後、大牙は紅琉奈と夜夢の姿が見えない事実に気づかされる。


「先ずは、何故、こうなったかを話そう、簡単な話だ、お前は勇敢にして、残虐に戦い過ぎたんだ……結果、お前は俺の部下達に恐れられたんだ」


 大牙は凄まじい戦果をあげた、その結果、間近で戦闘を肌に感じた兵士達は味方であると理解しながらも、大牙の存在に恐怖を感じずには要られなかったのだ。


 その結果、大牙が目覚めるまで、暴れないように拘束する他ないという、決断に至ったのである。


 豪雪と他の艦隊が不確定船から発せられた赤い狼煙に向かう犯罪者船団を見つけ、結果として、全ての敵船を掃討する結果となったのであった。


 合流後、直ぐに大牙が目覚め、ことの詳細を聞き、豪雪は耳を疑った。


 しかし、捕らえられた罪人達に刻まれた凄まじい傷が全てを真実であると物語っていた。


 こうして、大牙達の長く、残酷な島の調査が終わりを告げる。


 炎国の港に戻ると、連絡を受けた閻樹と利庵、そして、大勢の家臣と兵が出迎える事となる。


 豪雪の艦隊が多く失われている事実をその目にした閻樹であったが、帰還に対する第一声は皆への労いであった。


「よくぞ! 帰還したッ! 主らが、生き残り生還した事実が何よりの朗報であり、我が国においての喜ぶべき事実である。よくぞ生き残った!」


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