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氷雨と大牙……黒雷の香北

 急ぎ、炎国の国境を目指す一向、その際に氷雨は大牙と紅琉奈に何故、炎国に向かうのかについて語る。


 本来の目的は、氷雨の友人であり、炎国の王である炎王に紅琉奈の存在が敵でないと知らせる為であった。


 雷国での騒動は、氷雨の予想を遥かに越える物であり、六国(むこく)の王達が紅琉奈を危険だと判断し、六国傀動衆が紅琉奈を敵として争えば、途方もない犠牲が出るのは明らかであったからだ。


 そして、六国傀動衆が協力して動く際には、六国の王達、全員の合意が必要となる。


 だからこそ、氷雨は急ぎ、炎国を目指す事を決めていたのだ。


 本来ならば、大牙を炎国に同行させるのは避けたいと考えていた氷雨であったが、修山が襲われた事実を知り、苦肉の策を選択した結果であった。


 もう一つの目的は、大牙の鬼斬り刀を新たに打ち直す為である。


 一度、打った鬼斬り刀は、本来ならば他者が扱う為には作られていない。


 鬼斬り刀は、扱う存在に合わせて、力を引き出すように作られているからだ。


 炎国の鍛冶屋には、鬼斬り刀専門の工房を持つ者も多く、氷雨と炎王の知る人物が行う鍛冶屋で、ある鬼斬り刀を打ち直ししようと考えたのだ。


 炎国を目指し、最中、巨大な白雲が不自然に空に停止している事実に氷雨が気づく。


「嫌な雲だな……風があるのに、動かないなんて……用心しろ!」


 そう声に出した氷雨、次の瞬間、白雲の中心に穴が開くと、次々に小さくちぎれた小雲に乗り、黒雷の兵隊が地上に降り立つ。


『すみませんが、貴方達を捕まえさせていただきます!』


 空からの声に氷雨が白雲を睨み付ける。


「随分と幼い声だな! 悪ふざけも、余り遣り過ぎれば、仕置きされるぞ!」


『此方は、貴方達を捕まえる大義名分があります。貴方達は香北(かほく)が責任をもって拘束します! 皆さんお願いします!』


 香北は香南の妹であり、雲を操る異能使いである。


 そんな香北の声に従うように、次々に刀を構える黒雷の者達。


 大牙達は、再度、黒雷と刀を交える事となる。

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