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氷雨と大牙……大牙と夜夢に襲い掛かる者……3

 大牙と夜夢を追う三人の姿、その後ろには更に複数の兵が続いていく。


 先頭を走るのは、雷国刺客衆(黒雷)の頭領、百姫である。


 “落雷の百姫”と呼ばれ、数名の部下と共に敵陣への奇襲作戦を実行する等、無理な命令も、金で請け負う。


 黒雷の団員を引き連れ、移動する雷国刺客衆の頭領で男勝りな性格、大の男よりも、身長が高く、鬼斬り刀は、鉈のような形をしている。


 赤髪の美人であるが、その性格と身長から、男性よりも女からの告白と恋文が絶えず、悩みの種になっている。


 ◆◆◆


 そんな百姫の後ろを走る二人の内、一人は銀大(ぎんだい)


 別名を雷刀の銀大(ぎんだい)


 雷国刺客衆(黒雷)の攻撃隊長である。

 鬼斬り刀に電撃を集め、集めた電撃の分だけ広い範囲に斬撃を可能にする。


 百姫を姐さんと慕っている。


 特徴的な稲妻型にカットされた顎髭(あごひげ)、細身ながらに鍛え上げられた肉体、野獣のような俊敏さ、直感の持ち、最後まで諦めずに戦う精神の持ち主、稲妻の刃を操り、視界に入る敵を全て凪ぎ払う豪快な若き傀動である。


 もう一人、百姫を姐様と慕う少女。


 ◆◆◆


 雷砲の馬黄(まき)、そう呼ばれる彼女は、雷国刺客衆、一番の問題児である。


 格闘センスは、一般人とあまり変わらない為、傀動失格の烙印を押されたが、その後、ズバ抜けた発想力と行動力で雷国中の傀動や、雷動に戦いを挑み暴れ回った、百姫に敗北し捕まった後に、気に入られた結果、部下となる。


 雷国刺客衆(黒雷)の遠距離攻撃隊長を任されており、通り名である雷砲とは、その名の通り名、鬼鋼を使って作った棒状の丸筒を武器としている。


 筒の内部に電気を溜め、勢いよく打ち出し、落下直後に広範囲で感電させる。


 大牙と夜夢を追う三人の攻撃は凄まじく、樹海の景色が一変する程であった。


「やりすぎだバカ! ドンだけ威力出しまくってんだよ、馬黄ッ!」


「ウッサイわね! 生きてるわよ! 間違いなく生きてる筈よ!」


 いがみ合う二人に呆れながら、辺りを見渡す百姫。


「破片がないね……直ぐに周囲を探索、見つけ次第、直ぐに破片でもいいから、持ってきな! 時間は五分、四方、八方、見逃すんじゃないよ!」


 指示を聞き、一斉に動き出す部下達、そんな最中、周囲に視線を向ける百姫。


 そんな視線と黒雷の間を掻い潜るように、移動する大牙と夜夢。


 夜夢の異能、それは景色が見えるだけではなく、生きる道を示す物でもある。


 夜夢の暗闇に照らされる異能の映像は白黒の世界であり、その世界で、唯一色が記された道が浮かび上がる。


 それは生きる為の道であり、太ければ、太いほどに生存の可能性を上がり、細ければ細いほど、死地になる。


 夜夢が見た光景は細く記された道であり、行き先すらわからないままに、道を進んでいた。


 大牙と夜夢は、最初の一撃で、崩落した地下の洞窟に迷いこんでいた。


 時間が無いことを理解しながら、二人は逃げるように移動していく。

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