表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/116

異形を屠りし者

新たな作戦の準備が着々と進む最中、雷国に不穏の風が吹き荒れる。


「た、大変です! 水国からの使者が、水国に炎国が兵を動かしと……既に国境が突破されているようです」

慌てて駆け込んできた兵士の声に雷国がざわめきに包まれる。


炎国は、水国が雷国と共謀し、風国で行われた悲惨な現状を夜国からの密書により知る事になり、炎王=閻樹(えんじゅ)は、重い腰をあげたのだ。


炎王は炎国三代将である、謙影(けんえい)利庵(りあん)豪雪(ごうせつ)の三名が進軍に導入され、総大将として炎国=閻樹(えんじゅ)となり、炎国の全兵力が水国の王都へと進軍を開始していた。


炎国が全兵力を水国に向かわせられた理由は夜国から提案された同盟であった。

夜国が炎国を守ると誓い、それを魂の盟約として炎王と夜王が裏切ればその命が潰える契約を呪術師を通して結び、両国が裏切れない状態を作り上げていたのだ。


それこそが炎国の全兵力を使った進軍を可能としており、雷国を目の仇にしていた夜国と水国を厄介な隣国と考えていた炎国は其の利害を一致させたのだ。


そして、水国は炎国と夜国の同盟軍が水国へと進行し、水国は事態を把握すると直ぐに雷国に使者を送り助けを求めたのである。


しかし、水国の兵士達は炎国の兵士達により蹂躙されていく。

練度の差が大きく更に炎国には数多の傀動が参戦しており、水国の傀動達はその実力差に早々に戦場からの撤退を開始していたのだ。


水国は瞬く間にその戦力が失われ、水国の領土が次第に赤く染まっていく。

燃え上がる水国の地で炎王は、水王に対して炎国にすべてを譲渡する様に書いた手紙を使者に持たせつかわせた。

それにより激怒した水国は使者をその場で切り捨てると水軍に対して徹底抗戦の構え命じる。

この決断が水国のすべてを失う事になるのだった。


その結果、戦闘開始から1ヶ月が過ぎようとしたその日、水国の城に多くの炎国兵士が突入し、三将の一人である利庵が水王の首を討ち取り、水国は王を失う結果となる。

一国が大陸から滅んだ事実は雷国に恐怖を与えた。


水国が交戦状態となった事実を知った際、雷国は即座に大軍勢を水国に向けて進軍させていた、だが、そんな雷国軍の行く手を阻んだのは夜国であり、水国に向かう雷国軍は夜国兵と交戦になり水国に足を踏み入れる前に大半の兵を失う結果となった。


雷国は水国が陥落する頃には雷国の防衛にすべての戦力を使う事となり、失われた戦力の補充は叶わず、雷国には、他国からの防衛を日々不安を感じる兵士と傀動を多く失い管理が難しくなった無数の鬼達の苛立ちの奇声が鳴り響いていた。


そして、それは起こるべくして起こったのだ。


炎国、夜国の同盟軍に加え、風間を新たな王とした風国軍、更に鬼を使役しようとした事実を重くみた六国傀動衆の老師達から百仮に「雷国を粛清せよ」と指示がくだる。


雷国はその強大な国力に身の振り方を誤り、その結果、大陸からその存在を失う事となった。


雷国と三カ国同盟軍並びに六国傀動衆との戦闘は瞬く間に雷国の敗北で幕を閉じる。


多くの犠牲を払う結果となり、雷国はその力で最後まで足掻き、炎国と夜国に大きな損害を与える結果となった。

雷国の雷王をはじめとする多くの重臣達の首が斬られ、雷動も同様に六国傀動衆により、多くの首を失う結果となった。


雷国の領土は夜国と風国に分断される結果となり、水国はすべて炎国に吸収され、更に三カ国同盟が正式に六国傀動衆のもとに認められ、三カ国同盟が大陸の新たな連合国となる。


雷国戦争から、十年の時が流れる……


そこには外海に出来た新たな島に上陸して鬼を斬る大牙の姿があった。

紅琉奈と夜夢が大牙の側で鬼を切り捨てる。


「大牙、やっぱり敵が弱い、退屈……」

そう言いながら、欠伸をする紅琉奈。


「紅琉奈、大牙は今、命令で島の調査をしているんですよ! 不謹慎な発言はダメですよ!」

紅琉奈に注意をする夜夢の姿がそこにあった。


そんな二人を見て軽く笑う大牙、大牙は三カ国同盟軍に入り、炎国を拠点として鬼の討伐と新たな島が外海に現れた際の調査を行う炎国調査部隊に配備されていた。


既に大陸の鬼は三カ国同盟軍により、ほぼ全滅しており、空から大陸に入ろうとする鬼達を殲滅する為に百姫率いる黒雷の部隊が三カ国空軍と名を変えて活動している。

そして、百姫の横には五郎の姿があり、雷国壊滅の際に五郎に掛けられていた呪術の解除方が六国傀動衆により押収された書物の中にあり、五郎もまた、自分の人生を歩んでいた。


氷雨は元水国の傀動衆を束ねる長となり、百仮は老師衆へと戻っていた。


六国傀動衆と三カ国が協力し、新たな時代が紡がれる鬼達をすべて屠るその日まで……


異形を屠る者……鬼切り傀動―――END


読んでいただきありがとうございます。

この作品はコロナウイルスが流行った頃に作者が心が折れてしまう出来事があり、中断してしまった作品でした。

読者様からのメッセージをいただき、再開しましたが、当時の資料やメモなどが既に無く、ストーリーに脱線や拾えきれていない部分が目立つ作品となってしまいました事を深くお詫び致します。


またよろしければ、別の作品でお会いできたら幸いです。皆様ありがとうございました。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ