表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アタシを弱くさせる男  作者: mimuka
9/33

9

と、思っていたのに…。


「…ん? メール?」


三時に休憩を取っていたアタシは、ケータイにメールが来ていたことに気付いた。


開けて見て、思わずオヤツに食べていたショートケーキをふき出すところだった。


「んぐっ!?」


メールを送ってきたのは、白神課長だった!


体を小さくしてメールを見てみた。


それはとある料亭の名前と、時間だけが書かれていた。


…もしかして、この時間に、この場所へ来いってこと?


じょっ冗談じゃない!


でも…行かなかったらどうなる?


あのことを言い触らしは…しない? する?


…分からない。付き合いがほとんどないだけに、彼の本性が分からないのだ。


でも分からないからって、あえて知りたいとも思わないんだけど…。


とりあえず、彼の本心を知る為にも行ってみるしか選択はないだろう。


もしいかなければ…と想像するだけで、恐ろしい考えが浮かんでしまうから。


コーヒーを一口飲み、今日の分の仕事を時間までにどう片付けようか、考え始めた。


夜、アタシは時間通りに指定の場所へたどり着けた。


はじめて来る場所で、ちょっと緊張する。


隠れ家的な料亭は高そうで、アタシは思わず自分の手持ちを確認した。


まあ彼が割りカンとか言い出すことはないだろうけど、念の為に!


…とりあえずカードがあるし、万が一には大丈夫だろう。


深呼吸をして、料亭の中に入った。


料亭は入ってすぐ、受け付けカウンターがあった。


和服姿の女性に彼の名前を言うと、案内された。


奥へと進み、和室の前で女性は戻った。


…う~ん、ああいう女性が彼の隣にいたら、お似合いだろうな。


和服が似合う、落ち着いた女性。


まだどこか浮ついた心が残るアタシにとっては、眩しい存在だ。


まっ、考えたってしょうがない。


彼のことは、実際本人から聞けば良いんだ。


この襖の向こうにいる、彼に。


「白神課長、入りますよ」


「ああ、どうぞ」


襖を開けると、すでに彼はお酒を飲んでいた。


…そう言えば、連休前、アタシと同じぐらいの時間お酒を飲んでいても、彼はケロッとしていたっけ。


酒豪とは恐ろしい存在だ。


「お待たせしましたか?」


「いや、わたしが先に来てたんだ。キミは時間ぴったりだよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ