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アタシを弱くさせる男  作者: mimuka
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…と終われるハズもなく、連休明けて、アタシはグッタリしたまま会社へ出勤した。


「おはようございます。課長」


「波希課長、おはようございます」


「うん…。おはよう」


みんな、充実した連休を過ごしたんだろう。


輝く笑顔が眩しい…。


二課のオフィスルームに入ると、次々と仕事の確認が入る。


落ち込んでもいられないな。


一通り終えると、自分の席に座った。


課長ということで、誰よりも良い机とイスを与えられている。


…でも今はちょっと恨めしい。


座り心地が良すぎて、眠りたくなるからだ。


「波希課長、お疲れですか? 連休、休まれなかったんですか?」


二課で一番若い女性社員が、熱いコーヒーを淹れてくれた。


「ある意味、休んだことは休んだんだけど、ね…」


連休中、一度も服を着ずに過ごしたことなんて今までなかった。


「あ~、何にもしないで過ごすと、逆に疲れるというやつですか?」


「…いや、何もしないことはなかったんだけど」


ベッドの中では強制的に…って、ダメだ!


思い出してはいけない。


アタシの今までの人生の中で、最大の汚点だ!


「アレ? そう言えば課長の着ているスーツ、連休前に着ていたのと同じですねぇ?」


「ぶっ!」


思わずコーヒーをふき出してしまった。


すっスーツはいつの間にか彼がホテルのクリーニングに出していたので、綺麗にはなっていた。


今日はそれを着て、ホテルから出勤したからなぁ…。


「くっクリーニングに出してたから、忘れてたわ」


「そうですか。でもよくお似合いですよ」


「あっありがとう。そろそろ仕事に戻りましょう。先月の成績は良かったけど、今月はまた違うんだから」


「そうですね。一課に負けないように、頑張りましょう!」


女性社員は鼻息荒くして、自分の席に戻った。


二課のみんなは先月の成績が良かったせいで、仕事にも集中している。


目の仇にしていた一課にようやく勝てたのだ。


おかげでアタシの課長としての株も上がったし、めでたしめでたし…で終わりたかった。


気が抜けすぎると、よくない。


アタシは気持ちを引き締め、仕事に取り掛かることにした。


さっき言った通り、先月は良かったけれど今月はどうなるか分からない。


特に一課の連中、負けた悔しさもあるからかなり気合が入っているだろう。


とにかく、あのホテルのことはいったん忘れて、仕事に集中しよう!


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