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アタシを弱くさせる男  作者: mimuka
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6

アタシの耳元で、彼は低く囁く。


「ひっ!」


あまりにも艶のある声に、腰の辺りがゾクゾクする。


「ちょっ、やめましょう? そろそろチェックアウトの時間でしょう?」


壁にかけてある時計を見ると、すでにお昼が近い。


「ああ、大丈夫。連休いっぱいまではこの部屋、抑えたから」


えっ…それって…。


おフロに入ってあたたかくなったはずの体が、どんどん冷たくなっていく。


「どうせ予定は入れていないんだろう?」


「そっそうです、けど…だからと言って、ここで過ごすつもりはありません!」


「わたしかキミの部屋でもいいけど?」


「それは激しくお断りします!」


この人、思っていた以上に人の話を聞かない上に、ワガママだ!


「なら、ここでいいな」


そう言うと、バスローブの腰紐を解かれた。


「きゃあ!?」


「うん、その声可愛いね」


「白神課長、いい加減に…」


「こういう時には名前で呼び合うのが、マナーってものだよ」


「むっ邑斗さん」


「よくできたね。柚野」


頭を優しく撫でられ、思わず緊張が緩む。


しかしこの人は油断ならない人だということを、アタシはすっかり忘れていた。


目の前でニッコリ微笑み、とんでもないことを言い出すまでは…。


「じゃあ、ご褒美に気持ち良くさせてあげよう」


ぎっぎやあああああっ!




…アタシの心からの絶叫は、彼の唇によって封じられた。


<完>


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