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7 魔法学校に入学。

 冒険者ギルドを後にした俺たちは、宿屋を探して歩いた。この町は国境の町だけれど、特に国交が多くはないのでそれほど大きな町ではない。だって、隣国が竜神族の国なのだから、交易の利益も少ないのだろう。まぁ、国ではなく村だけど。竜神族の村と、ここリオの町は非常に仲が良い。竜神族にとっては、唯一の必需品を仕入れることができる町だし、リオにとっては、もし何かトラブルがあれば竜神族に助けてもらえる。お互い必要不可欠な存在だ。


 俺たちは、門から続く、メインストリートを町の中心に向かって歩いている。この町は中心から円形に広がっており、中心にいくほど裕福な人間たちが住んでいるらしい。町の中心地には、噴水があり、その周辺は商店街になっている。町の北側の一角は、貴族たちが住んでいるらしい。貴族と言っても、小さな街なので領地を持っているような貴族はいない。ほとんど、平民と同じような暮らしをしている。とにかく、平和でのんびりとした良い町のようだ。


 しばらく歩いていると、父さんが言った。


「ここだここ。この宿でしばらく滞在するぞ。入学までにはまだ少し日にちがあるからな。明日は、学校に入学の手続きに行くぞ。」


 そう言って、宿へと歩き出す。宿は三階建てで、一階は飯屋も兼ねているようだ。宿屋に入ると、ご飯を食べるテーブルが所狭しと並べられていて、その奥に宿屋受付があった。


「うぉーい、泊まりに来たぞ。ルイスはもう死んじまったか?」


 なんか、すごい失礼な話し方だけども、知り合いがやっている宿なのだろうか。受付に座っている女の子はあわてて後ろへ走っていった。え、逃げたのかな?すると、しばらくしておばあさんが女の子と一緒に奥から歩いてきた。


「あらまぁ、アルフレッドかい。生きてるうちにまた会えるとは思わなかったわい。」

「ルイス?ルイスなのか?すっかりばーさんになっちまったなぁ。あはははははは」


 失礼にもほどがある・・・。


「仕方がないだろう、最後に会ったのはいつだったか。忘れちまったわい。お前さんは外見はちっとも変わらんの。やっぱり種族が違うと何か寂しいのぅ。あたし、ひとりだけ歳を取って。。」

「でも、歳をとってもルイスはかわいいおばさんになったな。あはははは」


 確かに、おばあさんは年の割には華麗な顔をしていた。


「お、そうだ。息子を紹介しよう。長男のアレクシスだ。」

「初めまして、よろしくお願いします。」


 俺は、深く頭を下げた。


「うんうん、流石にアルフの息子だな、かわいい顔をしておる。さっきから娘がぽーっと見惚れているわけだ。あはははは」

「え!? えええー、やめてよおばーちゃん~」


 そう言って女の子は逃げて行った。自分でも鏡を見て多少自信はあったけれど、面と向かってかわいいとか言われると嬉しい。かなり恥ずかしいけれども。。


「今度、ここの魔法学校に行かせようと思ってな。」

「ほー、珍しいな。お前のところ滅多に人の世界には入ってこないと思っていたが。」

「こいつには、魔法の才能があるみたいだからな。基礎からしっかり学ばせようと思ってな。」

「ほうほう。確かに、魔力の量はとんでもないみたいだけど。もう魔法は使えるのか?」

「うむ、使えるぞ。そうだ、アレク。ルイスに悪い毒素とか除去するやつあったよな、あれやってあげてくれないか?」

「え、ここで使ってもいいの?良いなら全力でやってあげるよ。」

「全力かぁ・・・、うーむ、まぁ体に良いことだからいいかな。」


 まだ、夕方前の人の少ない時間だからだれも見ていないだろう。見られてても別にいいけど。


「じゃぁ、いくよー。おばあさん、力を抜いて身をゆだねててね。」

「んー、何をするのかわからんけど、いいぞー。」


 今回は、全力の特別サービスである。普段は自分の魔力だけでやるんだけどねー。俺は、周囲の魔力を感じた。あたり周辺の人や、草木以外に漂っている魔力をかなりの範囲感じながら集めていく。深呼吸をしながら、手のひらを上に向けて力を抜く。周囲の魔力を自身の体内に・・・、周囲の魔力を自身の魔力に・・・。俺はイメージをしていく。おへそのあたりで魔力を圧縮していく。自身の魔力が膨大に膨れ上がっていくのを感じる。魔力の圧縮で体に熱がこもりだす。そろそろいいだろうか、今回はこのすべての魔力を使う。もちろん、魔力切れを起こさないくらい残してだが。


 俺は、イメージに取り掛かる。今回は大掛かりなので、かなり細かいイメージまでしていく。ターゲットは、ルイスおばあさん。効果は体全身にかかるように。体内にまで効果が広がるように。体内の悪い毒素を取り除く。活性酸素、血流の流れが悪くなっているところ、体内に不必要な物質、細胞、すべて取り除く。俺は、ステージを魔法発動へと持っていく。発動は簡単だ。心で魔法発動と唱えるだけだ。


 魔法が発動すると、ルイスおばあさんの周りが光で包まれていく。光の渦ができているような感じだ。その光が収まると、魔法は終了だ。これで、体内の体に悪いものはすべて無くなっているはずだ。


 魔法がすべて効果を終えると、そこには10歳くらい若返ったおばあさんが立っていた。ちょっと、やりすぎたかもしれない。。。父さんも、黙って「あっちゃー」って思っているような顔をしていた。


「その若さで、無詠唱ときたか。。恐ろしい才能かもしれないな。ん!? なにさね、人の顔をまじまじと見つめてきて。。失敗でもしたのか?」

「いや、すまん。息子がやりすぎたようだ。」

「え・・・、なんだと!?」

「いや、いい変化だとは思うが。鏡を見てこい。。」


 おばあさんが、不思議そうに奥に歩いて行った。そのあと、娘が「誰っっ!!」て叫んで、そのあと、おばあさんが、「きゃぁーーーーーーーっ」て叫んだ。もちろん、嬉しそうにである。


 最終的には、おばあさんにも感謝されてよかったと思う。


 そのあと、俺たちは宿泊する部屋に案内された。

「さて、明日はいよいよ学校へ行くぞ。寮に入れるのは入学してからだから、しばらくはこの宿を家だと思っといていいぞ。学校の用事が済んだら、父さんはまたギルドに行かないといけないから、お前は宿でお留守番をしてなさい。」


「わかったよ、ギルドマスター殺さないように気を付けてよ。。」

「そんなことしないよ。お金をどうするのか話し合うだけだ。」


 しかし、嫌な予感しかしない。。ついていくべきか。でも、俺がいてもたぶん、威圧で置物になっているだけだから宿にいることにする。


 その日は宿で、久しぶりにベットでぐっすりと眠れた。


 次の日の朝、朝食を済ませた俺たちは、学校へと向かった。


 魔法学校は、黒っぽい石を沢山積み重ねたような建造物で、昔の洋風な城を思わせる。外から見ても何階建てなのかよくわからない。ただ、敷地面積が広大だ。広大すぎて、端から端まで歩くと数時間かかりそうだ。学校の正門から、校舎までも少し歩いた。遠すぎるぞ。


 校舎につくと、学校の案内係のような窓口に父さんが声をかける。

「すみません、息子の入学の手続きに来たのですが、どちらに行けばよろしいでしょう?」

「入学の手続きはそちらを右に曲がってまっすぐ行ったところに案内がいます。」


 受付の方は、一瞬固まったが、無事職務を全うすることができた。俺たちは案内されるがまま、入学手続きの行っている部屋へと通された。


「すいません、息子の入学の手続きをお願いします。」

「は、はい。えーと、息子様は何歳になられますか?」

「5歳になりました。たしか、5歳から入学ができると聞いたのですが。」

「あ、それは特別な条件の者の入学年齢なのですが。通常は6歳からになります。」

「う、聞いてないですが。特別な条件ですか?」


 なにやら、雲行きが怪しい。

「特別な才能があるかたや、王族や特別に許された方のみとなります。いわゆる、飛び級というやつですね。」

「それなら、息子は才能は間違いなくあります。なので入学させてください。」

「そ、そういわれましても、簡単な魔法の試験が必要になりますがよろしいですか?

 6歳になりますと、誰でも入れますよ。」

「せっかくここまで来たのですから、試験を受けさせてください。駄目なら連れて帰りますから。」


 と言う事で、俺はいきなり試験をすることになった。


 俺はひとり、試験会場まで案内されて、担当の試験官と挨拶する。

「こんにちは、よろしくお願いします。」

「はい、試験の内容は三つの的を魔法で破壊することです。できますか?」


 そんなことでいいのか?簡単すぎる。。目の前に、三つの棒が等間隔に立っている。その上に、的のような丸い物がくっついている。あれを破壊すればいいのか。


「わかりました。もうやってもいいんですか?」

「どうぞ。」


 こんなもの、魔力なんてほとんどいらない。。俺は人差し指を立ててその上に小さな火の玉を作った。そしてすぐに、火の玉を放つ。途中で火の玉は三つに分かれてそれぞれの的を消滅させた。


「これでいいですか?」


 あれ、試験官。顎が外れるくらい口が開いたままになっている。なんだ?何かまずいことをしたのか?


「あのー、次は何をすればいいのですか?」

「え、えええーと。合格です!!」


 はい?こんなのが試験でいいのか?こんなのが合格って、この学校のレベル恐ろしく低いのでは・・・。


 俺は、父さんが待つ部屋に戻って、合格だって伝えた。父さんは「当然だ」みたいな顔をしていた。そのあと、父さんは入学金を収めて無事手続きが終わった。何もトラブルが無くてよかったよ。


 俺たちは、帰りは別々に帰った。俺は宿へ。父さんはギルドへ。俺が宿でくつろいでいると、早々に父さんが帰ってきた。すこし、イライラしているようだ。


「アレク、生活費が足りないぞ。あのギルドマスター逃げやがった。。」


 俺は、やっぱりと思った。







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