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50 国王様からの褒美

 敵の本隊を退けた俺たちは、タリアでログハウスを出してゆっくりとしていた。


 二年前に作ったこのログハウスだけど、あの時からはずいぶん居心地がよくなった。今は、3DKの部屋割りになっている。リビングはあまり大きくなくても問題がなかったため、リビングを半分の広さにして新たにニーナの部屋を作ったのである。

 ログハウスにも寮にあった魔道具と同じものを納入した。台所で水も出るし、火も簡単につく。風呂の水もボタン一つで入れられるし、温度調節もできる。もう、火の玉を沈める必要もない。実に快適だ。


 朝食をすますと、ログハウスの前にひとりの兵士がやってきた。俺が出ていくと、

「アレクシス様、敵の軍隊全ての撤退を確認いたしました。なので、王都への帰還をお願いいたします。」

「わかりました。」


 俺はみんなに王都に帰ることを告げると、荷物の整理をした。外に出ると、もう馬車が待っていた。いつから待っていたのだろう・・・。シルフィーがログハウスを片付けると、みんなで馬車に乗り込んだ。


 王都までの数日間は、相変わらず護衛も沢山付いて来るので盗賊と出会うこともなかった。魔物たちは出たが、護衛だけで十分倒せていた。何もトラブルもなく平和な旅を終えて俺たちは王都に戻ってきた。王都に戻ると直接王様との謁見となった。


「国王様、無事に帰ってまいりました。依頼達成のサインを頂ければと思います。」

「ありがとう、君らは我が国の恩人です。我が国は誰一人亡くなることもなく、敵を追い返すことができました。」


 すると、総務担当の大臣が助言を呈した。

「国王様、この度の功績を称えて、我が国の直轄地のひとつを男爵領として差し上げてはいかがでしょうか?」

「おお、それは素晴らしい。アレクシス様には我が国の爵位と領地を差し上げましょう。」


 まったく、何が素晴らしいのやら。それは、我が国の爵位と領地をやるから、国王の言う事をしっかりと聞いて馬車馬のように働けってことだよな。。それは、御使い様を我が支配下に置きたいと言っているのと同じだよ。


「いいえ、私はこの国の民ではありません。この国の爵位を頂いても全く嬉しくもありません。それは、褒美ではなく、支配下に入れという恐喝のようなものでございますよ。。」


 それを聞いた国王は、さーっと顔を青くする。そして、慌てて弁明する。

「と、とんでもございません。支配下に置くつもりなど毛頭ありません。失礼いたしました。爵位の話は無かったことにお願いいたします。」


 そこで、何を思ったのか国王が言った。

「そうだ、貴方様の信頼を得るためにも、我々の領地の一部を竜神族の領地として差し上げましょう。」

「なっ、国王様、それは竜神族に侵略されたと同じ事ですぞ!」

 慌てて、総務大臣が苦言を呈す。


「黙りなさい、総務大臣。先ほどのあなたの助言はこの方を酷く不快にさせたのです。あなたが原因で領地を失うと肝に銘じなさい。」

「な!? し・・・しかし。」

「弁明は受け付けません。控えておりなさい。」

「はっ!」


 総務大臣は、頭を下げて跪いた。


「国王様、私は別に領地が欲しくて敵を追い返したわけではございませんよ?私はただ、指名依頼を受けてそれを達成しただけでございます。褒美など、通常でしたら金銭で片付けるものですよ。。」


「い、いえ。それでは国の一大事を解決した者への褒美とはとても言えないのです。どうぞ、領地を受け取っていただきたくお願い致します。それに、我が国の領地が竜神族の領地となりますと、現在の領地内のやり取りがすべて竜神族との交易となるのです。我が国としても悪い話ではありません。」


 うーむ、なるほど。。国王の言い分にも一理ある。俺は一つ気になることを聞く。

「そうなった際は、関税などどのようになりますかね?」

「それは、また後日話し合いで決定したいと思いますが。」

「ふむ。そうですね、悪い話ではないと思います。」

「そ、それでは・・・」

「わかりました、今回の褒美として領地を一つ頂けたらと思います。」


 俺は、領地を貰うことにした。


「それでは、どの領地がよろしいでしょうか・・・。」

「では、いま私が滞在しているリオの町をください。」

「え?」

「え?」

 あれ、何か変な事を言ったかな?


「いえ、あの。領地と言うのは伯爵領とか、男爵領とか現在貴族が納めている領地の事なんですが。」

「いえいえ、そんなに大きい土地を貰っても俺一人で管理なんてできませんから。。町ひとつください。」

 町ひとつでも、俺一人では管理できないけどな。。


「は、はい。アレクシス様がそう仰るならその様に。。」

「ありがとうございます。」

 俺も冒険者として国王様に頭を下げた。


 こうして俺は、町を一つ手に入れた。


「さてと、シルフィー、ニーナ。リオに帰るか。」

「「はい!」」


 俺たちは再び王族専用馬車に乗り、リオへと向かったのであった。


 もちろん、すぐにリオの町が俺の物になるわけではない。国からティファナ伯爵に正式な勅令が降りるまではまだしばらく時間がかかるだろう。必要な人材は国に引き上げるだろうし、ティファナ伯爵にもリオの町を自分の領地から失ってしまうのだから大変な痛手だろう。面倒なことにならなければいいけどな。


 そして、リオの町民も不安はあるかもしれない。今までの支配者が変わるのだから。でも心配しないでほしい、支配するのは俺だからな。できるだけ今と何ら変わらない感じに治めていきたいと思う。しかし御使い様が納める町かぁ、これからどうなっていくんだろう。ああ、これからどうするのかも自分で決めないといけないのか。


戦争の部分を大幅に書き換えたため、女神様の天罰の部分を消去しました。すみません。2019/3/21

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