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38 ログハウスを建てた。

 領都に到着して五日目朝。俺は目を覚ました。


 すでに、シルフィーによって食事の用意もされていた。もちろん、シルフィーが作ったものではないけれど。三人で揃って朝食をいただく。今日、この宿を出るつもりだ。キャンセル料がいくらかかかるだろうが、一週間分のお金がまったく返金されないことはないだろう。


「すみません、ギルドで仕事を受けたため、本日で宿をたつことにします。」

「はい、それでは清算をいたしますので、しばらくお待ちください。」


「お待たせいたしました。キャンセル料として、当日分の食材の費用を引かせていただいております。ご確認ください。ご返金がこちらになります。」


 フロントの男は、明細とお金をテーブルに置いた。確認すると、今日の分の食事に使用される予定の食材代が引かれていた。それだけでいいのかな。


「ありがとう。また領都に来た際は寄らせていただきます。」

 俺達は、礼をして宿を後にした。なかなか、よい宿だった。



 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇



 俺たちは今、精霊の森と呼ばれる深い森を歩いている。精霊と名前が付くくらいなので、精霊が住んでいるのだろうか。領都からリオまで直線で繋ぐと、その間はほぼ、この精霊の森が続いている。街道の方は、森の南側を迂回する形で作られている。


「アレク様、すみません。少し疲れました。。」

「よし、少し休憩しよう。」


 シルフィーが一番に脱落した。やはり、人間にはつらい道のりだと思う。しかし、ニーナはまだ平気な顔をしている。やはり、人間よりは体力あるのだろうか。


「シルフィー、なんだったら俺が抱っこして行こうか?」

「い、いや。大丈夫です。。恥ずかしいし。。」

「にーな、抱っこしてほしい!!」

「ニーナは、まだ元気だろう?」

「ぶー。」


 シルフィーは顔を赤くし、ニーナはぽっぺを膨らましている。


 森は、馬車なんて通れないから、歩くしかない。でも、四時間くらいずっと歩き続けたのだからシルフィーも人間としては十分な体力だと思う。


 森の中で、適当な岩に腰を掛けて座っていると、気持ちいい風が吹いてくる。日の光は、なかなか地面までは届いてこないが、木々の間からは、所々光の線が降り注いでいる。森の中にはオゾンがたくさんあって、大きく深呼吸するときれいな空気がたくさん体内に入ってきて、体が清められる感覚すらある。


 俺は、ふと思いついた。

「シルフィー、そのアイテムボックスは馬車でも簡単に入ったよなぁ。」

「はい。入ります。無制限のアイテムボックスらしいですね。」

「それなら、家も収納できるんじゃないか?」

「う・・・、それはやってみないとわかりませんが。。できそうではあります。」


 俺は、小説に出てくる野営の時には、収納から家を取り出すというのをやってみたくなった。。

「すまん、シルフィー。予定変更だ。今日は、ここで野営をするぞ。家を作りたくなった。」

「い、家ですか?」

「うん。家を作って収納していれば、野営でもベットに寝られるだろう?」

「はい。確かに。。アレク様に地べたに寝てもらうのは耐えられないので、それがあれば嬉しいですね。」


 嬉しいことを言ってくれる。だが、俺もシルフィーを土の上なんかで寝かせたくないぞ。もちろん、ニーナもだ。


 そして俺は、おもむろに周囲の木を引っこ抜いて行った。森の中の家と言えば、やはりログハウスだろう。材料なら沢山ある。少し木と木の間をすいてやれば、日の光がそれだけ多く差し込むようになる。木にとっても、光合成がより多くできるので悪い話ではない。俺はできるだけ、古くて枯れる前の大きな木を引っこ抜いていく。


 途中で、シルフィーがお昼ご飯を作ってくれたのでみんなで食べる。久しぶりのシルフィーのご飯。非常にに美味しかった。。ニーナも、食べて少し咀嚼して固まったかと思うと、満面の笑みで答えた。どうやら、言葉では表現できない美味しさだったらしい。


 お昼ご飯を食べた俺は、引き続き家づくりを続ける。引っこ抜いた木は、風魔法で枝、根っこを切り落としていく。表面も風魔法で薄くスライスすれば、カンナで削ったような、滑らかな表面になる。仕上げに電波レーダーの要領で手からマイクロ波を木材に照射する。誘電過熱により無理やり木の中の水分を乾燥させていく。


 よし、材料として丸太を百本くらい用意できた。あとは組み立てるだけだ。俺は素人だが、適当に組み合わせていったら雨風をしのぐくらいはできるログハウスを完成させた。収納するために地面には固定していない。


 数時間、俺は格闘していたが、夕方には何とか完成した。


「で、できたぞー。俺たちの家だ。」

「すごいです、アレク様!!」

「すごいすごいー」

「でも、入り口が開いたままですね。」


 うん、入り口の扉は作れなかった。扉を開くための金具が無いのだ。とりあえず、結界で入り口は塞ぐことにする。そのうち、町に戻ったら入り口を作る。


「よし、家全体を結界で囲むからみんな中に入って。」

「はい。」

「うん!」


 この結界は、ちょっと特殊なものにした。俺達三人のみ出入りできるようにしたのだ。他の者は、一切入ることはできない。


 中はそんなに広くはない。2DKの部屋割りになっている。三部屋作るには狭すぎた。まぁ、その分ベットは広くしてあるので、シルフィーとニーナも一緒に眠れるだろう。あと、お風呂とトイレも当然付けた。台所のスペースは作ったのだが、寮と同じ魔道具を置くつもりなので、今現在は調理はできない。後日取り付けよう。今日の晩御飯は、外にかまどを作って調理してもらった。当然、寒くないように結界は張ってある。


「ニーナ、おねーちゃんの御飯大好きーーー。」

「ありがと。」

「俺も大好きだ。」

「あ、ありがとうございます。」


 今日の晩御飯はカレーだった。でも、最高級のカレーだった。。


 ご飯を食べた後、俺は一度試しにログハウスを収納してもらった。何も問題なく簡単に収納された。そして、同じ位置にまたログハウスが出現する。しかし、結界などは毎回掛け直さないといけないようだ。


 ひとつ問題だったのは、ベットが木だけで布団が無かったことだった。布団も村で買えたらいいのだが。。俺は、我慢して何とか寝た。土の上よりは良いかもしれない。



明日は、何としても村まではたどり着こう。


ログハウスの木材を乾燥させる工程を追加しました。2019/3/24

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