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教会へ 2
街へ向かうために、村の馬車乗り場まで行く。
ここで賃金を払って馬車に乗せて貰うのだ。
「おじさん!子供二人分でお願い!」
とレティーナが御者に自分達で出し合った二人分の賃金を渡し、
教会のある街へと向かった。
村を出て暫くすると、大きな通り道に出た。
この道はこれから行く街や、農場や牧場にまで通っていて俺達にとってのライフラインだ。
様々な所に通っているので、そのぶん多くの様々な人が、この道を通っていく。
俺達のような普通の村人、冒険者、農家さん、
山に狩りに行く狩人や流れの旅人等がいる。時折、吟遊詩人なんて
珍しい人がいたりして、その人の出会った冒険者
の話や各地に伝わる物語や伝説を音楽に乗せて
話を聞かせてくれたりする。
「今日は良い天気ね!絶好の外出日よりだわっ!」
そう言いながらレティシアが馬車の窓際で
気持ちよさそうに空を眺めている。
「そうだな~。こんな日にはピクニックなんて
のが一番合う。教会から戻ったら近くの
川にでも行くか?」
そう聞くと彼女は少し意外そうな顔をしたが、
すぐにいつもの太陽の様に眩しい笑顔で
「約束よ!」
と返事を返した。