第一話 朝のやりとり
春の澄み渡った空から眩しい程に差す朝日と、
開いた窓から流れてくるそよ風が
何とも心地の良い朝を告げてくれた。
まだ少し肌寒いこの季節。
そして温まったふかふかのベッド。
まさに二度寝をするには
もってこいなシチュエーション。
これはもう二度寝するべきなのでは?
そうだ俺の中の神様もそう言ってる
逆に二度寝をしなければ罪だ
そうだそうしよう
では、おやすみなs
「二度寝するな!!」
「ぐふぉぁっ!」
「二度寝なんて私がさせるもんですか!」
そう言いながら朝から
腹部に踵落としをしてくる奴などいるだろうか?
少なくともそんなことをしてくる奴は
俺は一人しか知らない。
「起こすなら声をかけるだとか
もう少し優しく起こせないんですかねぇ...」
そう腹部へのダメージに耐えながら
その張本人に言う。
「あなたが二度寝なんてしようと
するからでしょ!!
私、声よりも先に手が出ちゃう性分なの
ごめん遊ばせ。」
こいつは、同じ村に住んでいる幼馴染みのレティシアだ。
いつも、俺の家に勝手に上がり込んでは二度寝の
邪魔をする嵐のような女だ。
「絶対思ってないだろお前..
後、お前が出したのは足だ」
「あなたは声かけても絶対起きないでしょ?
そんなことよりもさっさと着替えて!
早くいくわよ!」
確かに寝起きが悪いのでぐぅの音もでない
手が出ないうちに着替えるとするか
そんなやり取りをもう何度したのだろうか。
ある意味、
俺達にとって
ありふれた一つの日常なのかもしれない。