【2】 祭りの始まり
2016年8月末
総合評価 871pt
文章評価 168pt
ストーリー評価 169pt
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これが今回出版される予定になっている、拙作『あなたの未練、お聴きします』の小説家になろうでのポイントである。
こんなにも低ポイントで、知名度もそれほどない作品が書籍化? 信じられるだろうか。
実際、この数字より低ポイントで、書籍化に至っている作品というのは、なろうでもかなり少ない思う。
何故? 何故こんな拾い上げがあったのか? その理由は?
私にも、どうしてもそれは疑問でならない。
もちろん、その疑問は解かれるべき議題ではあったが、オファーを受け、本を書いてる段階では聞きようがなかった。
なぜか?
多くの新人作家さんと同じ様に、怖かったのである。
いろいろ五月蝿いことを言って、藪をつついて蛇を出すようなことは避けたい。
『ああ、そんなに言うのなら、この話はなかったことに』
実際にはそんなことを言われるはずはないが、それでも心の奥底で怯えている。編集者や出版社に楯突いたら、せっかくの書籍化話が水泡に帰すのではないか?
このように、びくびくしながら契約を交わし、いろいろな要求を飲まざるを得ない立場にいる新人は、とても多いと思う。
しかし、出版が発表され、それが現実となるカウントダウンが始まった今になって、私はようやく筆を取ることができた。
そもそもが、書籍化の話が来る前から、ずっと思っていた。
現在は、多くのコンテンツがWEB中に散らばっているが、『ラノベ作家になるには?』『ラノベ作家の実態』などの情報はあれど、
『WEB作家が拾い上げられ、その後出版に至るまでの体験談』
というような作品はほとんど聞いたことがない。
そんなものがあれば面白いのに。
ど新人作家を取り巻くあれこれ、出版業界の豆知識や、どんなことが苦しかったのか、楽しかったのか、嬉しかったのか……そんなストーリーを、垣間見てみたい。
疑問だった。なぜ書籍化の決まった作家さんは、自分の体験談を文章に起こさないのか?
こんなに面白い題材が、目の前にあるのに。自分自身が今まさに体験しているのに。それを語る資格だって、得られてるわけなのに。それでも、体験談は少ない。
――それなら今回、幸運にも機会を与えられた私自身が書こう。
前述の欲求がこの連載に、私を突き動かした。
この連載は、まぎれもなく出版に至る前夜祭だ。
書籍化に向けて、手が空いたインターバルに書き綴った、高まっていく胸の鼓動を抑えきれなくなっている、ど新人作家の手記だ。
祭りはここから始まり、出版直前まで、定期的に発信していこうと思う。
出版化にあたって、規約上外部に出すのはNGの情報もあるため、多少マイルドな表現、触れていない部分もあることなどはご理解いただきたい。それでも、書けるだけのギリギリのところは書いていくつもりだ。
駄文・拙文、至らないことはままあるが、どうぞお手隙なときにでも、お付き合い願いたい。