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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
ユーエリア商会開業編
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第5話:商業ギルド長と儲け話

私、ユーエリア・アークレイ伯爵令嬢は商業ギルドに加入いたしまして

商人デビューいたしましたわ。

それで今、ギルド長室でギルド長から接待を受けています。

応接室も豪華でソファーもふかふかでヒノキのテーブルも

豪華ですわブランド物かしら?

周りには金に物を言わせたアンティーク物の家具や置物が多数。

壁にシカの剥製の頭が飾ってありますわ。

さて、伯爵令嬢としてどんな対応いたしましょう?

猫被るのめんどくさい、心の中では普通に戻そう。

ギルド長は私を子どもと侮らずににこやかに対応している。

さすが商業ギルドの総ギルド長だわ。


「それで当ギルドにはどのようなご用件でしょうか?」


「そうですわね。とりあえず商人として店舗の確保と

私が開発した技術の特許取得でしょうか?」


この国には特許制度がある。

特許を取った商品の売上の二割が発明した人の

儲けになるというおいしい制度が。

なので、商人たちは錬金術師や発明者を囲い込むことに必死になっている。


「ほほう、新技術ですか?それはどのような?」


お金になりそうな事は喰いつくのが早いわね。

さすがトリーコ・カネダイースッキ。

歴戦の商人で隙が無くそして誠実で金の為なら命を掛ける人と

国中で有名になるはずである。

カンとセンスと商業的投資で成り上がったツワモノで

一代で築いて男爵になったらしいし。


「私が開発した新技術はこれですわ。ウィキ」


「はい、お嬢様」


後ろに控えていたウィキがお風呂とトイレの設計図をテーブルに広げる。


「これは?」


「この国にはお風呂という文化が寝ずいておりませんわ。

 バスタブに数センチのお湯を張って身体を拭くだけで心が休まりません。

 そこでお湯につかって真の極楽を味わう文化が必要なのです」


「はあ・・・設計図を見ますと外付けの小さいタンクに

 お湯が無限にわき出すよう火と水の魔道石を使っていますな

これはどうやって?」


ギルド長はきょとんとしているお風呂文化にぴんと来ないようだ。

しかし、技術には興味を持ってくれたようね。


「火と水の魔道石には魔法陣が組み込んでありますの。

 このエンチェントスタンプのおかげですわ」


「エンチェントスタンプ?」


懐から小型の丸い形のスタンプを出してギルド長に見せてみる。

これはウィキ直伝の魔法陣印刻機です。

今までは光魔法の『レーザー』で魔法陣を印刻してた

(普通の人は手彫りらしい)けど、

これなら魔法陣を頭の中で想像して

これを押すだけで自動的に手軽に印刻できる。

魔力が回復してないウィキだけだと作るのは不可能だったけど

私の膨大な魔力チートで開発できた特注品。

スタンプの底には光と無属性の魔道石を合成し

平べったくしたのが張られていて

どの属性の魔法陣にも魔力とイメージが伝わりやすいよう加工してある。

魔道石の加工技術も数百年前には普通にあったらしい。

それも私はウィキから伝授済み。


「これさえあればごくわずかな魔道石でも

 複雑な魔道動作のできる魔法陣を組み込む事ができますわ。

 しかも魔道石の中の魔力が全く減らずに無限に稼働できますわ。

 しかも、スタンプを持つだけで魔道師の想像通りに

 魔法陣が刻めるしろものなのです。

 刻める魔法陣は魔道師のレベルによりますが」


「なんと、これさえあれば魔道石に魔法陣を手軽に印刻できて

 魔道具が複雑な動作できますな。

 これでお湯を無限に出せるというわけですな。

 しかも自在に複雑な魔法陣を魔道石に組み込めるとはすごい発明です!!

 魔道具の開発も進歩しますよ!!」


エンチェントスタンプのおかげで屋敷のお風呂よりも

数段改良した技術ができました。

タンクのスペースが小型で済むのが良い感じwww

無限お湯湧きの魔法陣を私やウィキがスタンプに記憶させ

固定化したものを製造元に隠匿しておけば誰でも製造できるし。

(印刻する魔法陣をスタンプに記憶させて固定化すれば誰でも

私たちレベルの複雑な魔法陣が刻まれた魔道具を大量生産できる。)

エンチェントスタンプを売り出しても魔法陣をスタンプに

固定化して記憶できるのは魔道師は私たち以外存在しない。

複雑に魔法陣を想像できる魔道師はこの世界にはごくわずかなのだ。



「これも特許をお願致しますわ。

 あと、お風呂ですがこのボディーソープで洗うと

 肌荒れせずに香りもよく綺麗になれますわ。

 髪を洗ってもごわごわしませんし。

 あと薬草を調合した入浴剤をお湯をたっぷりバスタブに入れて

 入浴すれば健康や美容に良いですわ。

 さらにお湯に浸かると安らぎを得る事間違い無しです」


私はボディーソープと入浴剤(薔薇の香り)が入った瓶を取り出して

テーブルの上に置いてみる。

ギルド長はボディーソープの匂いを嗅ぐと薔薇の匂いに笑顔になった。

入浴剤も同じ匂いがするので貴族受けがいいと思う。


「この香りに包まれたら貴婦人にも流行りそうです。

 たっぷりのお湯にこの入浴剤。心地良さそうですな。

 かなり売れそうです」


「これを微調整すると洗剤にもなります」


「なんと!石鹸の嫌な匂いで洗ってある服を着るのが

 バカらしく思えてきますな」


この世界の石鹸は粗悪品が多く匂いも粘土っぽいのが普通らしい。

高級品だと普通の石鹸の香りのやつもあるけどバカ高い。


「これらをお店の主力商品にしようかと。

 最後にトイレ技術ですがこの世界の衛生状態は悪いですね。

 平民のトイレはおまるですし汚物をそのまま外に捨てる人も多い。

 汚物自体が病気の感染源になっているのも多いですわ」


中世ヨーロッパもそんな感じだったらしい。

この世界は肥溜めもないし肥料は葉腐土だけで魔法で作ってるらしいし。


「病気の感染源ですか・・・これは国王にも進言しなければ」


ギルド長も真剣に聞いている。国王にもコネがあるらしい。


「食事前や外から帰った後はうがいや水で手を洗うのが良いですわ。

 食器類などは熱湯消毒するのがいいそうです。

 旅の商人からちらりと見せてもらった本に書いてありました」


嘘です。現代知識です。


「古文書か何かですか?」


「見せてもらっただけなので手元にないのが残念ですが」


大ウソです。


「それで話は戻りますが新たなトイレは陶器製で水洗で汚物を洗い流せます。

 しかも水が飛びだし乾燥させる機能で局部を洗えます」


「水と風の魔道石と水属性の魔法陣の印刻ですか。これは革新的です!!」


ギルド長は感心してくれた。

少量なら魔法陣でウォシュレットと乾燥も

わざわざ石に刻まなくても陶器に刻む魔法陣だけで事足りるだろうし。

私が洋式なので座るのが普通と説明すると。

男もスワショーだ。

ふむふむとさらに感心してくれた。


「イスのように座って用が足せるとは画期的です。

 なるほど用も足すのも新式ですな」


貴族のボットン便所は和式らしい。

最初、それを見た時、苦痛を感じたのを覚えている。

しかも拭くのがトイレットペーパーじゃなくて藁の二重苦。


「で、流された汚物は地下の空間でスライムに浄化させて川に流します。

 この際ですから浄化槽施設を作りませんか?

 下水をまとめて浄化すれば衛生面でもいいですし。

 あと、上水の水道も魔道ポンプを設置して井戸から

 汲み上げてそれにこの魔道パイプを繋げて

 王都中に張り巡らせれば水を井戸から汲まなくても

 自由に使えるようになります」


魔道ポンプで井戸から水を自動的に汲み上げて

魔道パイプに繋げて王都中に水道を張り巡らせると

水を井戸から汲まなくても自由に使える事を説明した。

しかも、魔道ポンプは地下水を汲み上げるだけでなく

緊急時には無限に水をポンプ内臓の水の魔道石から生み出せます。

それと、魔道パイプは内蔵された風と水の魔道石を組み込む事により

パイプ内の水の流れを制御できる事を説明するとギルド長は目を輝かせた。


「これは国家計画になりそうです。王様に進言してみましょう!!」


とノリノリでギルド長はノリノリでOKしてくれた。

かなりの大ごとになりそうな予感がする。


「それでは以上の技術の特許をお願いします」


「特許料は国の法に基づき特許された商品売上から2割の特許料になります。

 これらが現実化すればユーエリア様にかなりの儲けが期待できます」


かなり儲かるらしいお金ゲット。

心おきなく暮らせるわ。


「それではそういう事でお願いいたしますわ。

 古代ローマのテル●エ・ロ●エみたいにお風呂で有名な町になりそうですわね。

 果てはテーマパークみたいにいろんな種類のお風呂が楽しめたらいいですわ

 夢が広がります。ね、ウィキ」


「ああ、滝湯とかですか?薬草湯?

 ウォータースライダーみたいに流れる水の滑り台とか。

 流れるプールみたいな温泉とか?ジェットスパとかもいいですね?

 大波の出るのもいいかも」


ウィキと古代ローマのお風呂の映画を思い浮かべながら。

今後の計画に思いをはせる。

ウィキよ。最後のはジ●ンボ海水プールだ。

するとギルド長が首を傾げながら聞いてきた。


「てーまぱーくとはなんですか?詳しくお聞かせください。」


さすが商人、儲け話には目が無いわ。

ウィキや私に詰め寄って来る。


「古代のローマという街にはそれはそれはいろんな種類のお風呂が

 集まった施設がありました。

 滝のように上からお湯を流して浴びる『滝湯』

 ポーションや薬草を調合したお湯につかる『薬湯』

 ポーションは流通しているものとは違う、

 安価で手にいれられる材料でできる

 オリジナルレシピのポーションを確保しておりますのでご安心ください。

 蒸気で蒸した部屋で汗を流す『サウナ』

 岩づくりで野外で自然の風景を楽しむ『露天風呂』

 40度に熱せられた砂に埋まって汗を流す『砂風呂』

 貴族専用の露天風呂つきの『個室専用部屋』

 板を斜めに巧妙に敷いてお湯を流しそこを滑る『ウォータースライダー』

 お湯の流れを一定にぐるりと一周させる『流れる湯』

 お風呂のなかに風を噴射させてそれに身体を当てて楽しむ『ジェットバス』

 などなど様々なお風呂が楽しめたそうです。

 ああ、夏場は水風呂にすると心地よいそうです。

 お湯と水を切り替える技術もありますし」


「こ、古代にはそんなすごい施設があったのですか?!」


ウィキの説明は大ウソです。現代のお風呂とプール技術です。

現代のテーマパークを参考にしてるね。

ウィキは封印されてる間、暇で異世界の様子を覗き見してたらしいし。

なんか封印の本にそんな機能が付いてたらしく

寝たまま異世界観察してたらしい。

そういえば長島の遊園地楽しかったな。前世を思い出す。


「これはぜひやるべきです!!お風呂の常識を越えた遊技場!!

 これはすごい!!大儲けの神がささやいている。

 これも国王様に進言しましょう絶対!!」


大儲けの神って福の神?ダイコク?

神より髪のことを神様に頼んだ方が・・・;

ハゲのギルド長。


「ではお願いします;」


「よっし!!これで我がギルドも商会もさらに大躍進できるっ!!

 ユーエリア様、実現に向けて『てーまぱーく』とやらに

 技術協力お願いします。

 投資を大々的につのり商業ギルド全体の大事業にしましょう。

 経費はだいたいこのくらいが目安で、大々的に投資も募らなければ・・・。

 忙しくなりそうだ」


OKしてしまった。

本気でやるの?お風呂テーマパーク?

ちなみに、ちなみにこの国には投資制度というのがあり

投資した企業が成功したら

投資先の売上の5%を月ごとにもらえる。

つまり投資先の企業が大成功すると

投資家はコンスタントにお金を得る事が出来る。

まあ、テーマパークをギルド長がやるっていうんなら止めはしないけど。

血管ぶち切れそうに興奮するギルド長を見てどうしよう?と疑問に思った。

ギルド長はそろばん片手にぶつぶつ言いながら皮算用してるし。

取らぬ狸の皮算用にならなければいいけど。


つづく


商業ギルド長の金魂に火を付けてしまったようです・・・(笑)

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