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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
シンフォニア教国の吸血鬼編
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第68話:イノーゼと大教主の再会

<イノーゼ視点>


シンフォニア教国に行く事が決まった時、

ノッレおねえちゃんはものすごく怒ってました。


「イノーゼを孤児にした癖に今更何の用だって言うのよ!!」


ノッレおねえちゃんはわたしのことで怒ってくれてるみたいです。


「でも、わたしの家族かもしれない人だから会ってみたい」


「イノーゼ・・・」


わたしがそう言うとノッレおねえちゃんは複雑そうな顔をしてました。


「わかったわ。イノーゼがそう言うなら行こうじゃないのよ!!

 私も行って大教主をぶん殴ってやるわ!!」


ノッレおねえちゃんは握りこぶしをしながらそう言いました。

・・・やりすぎだと思うけどな。


「おねえちゃん、暴力はダメ」


「・・・うううう;

 そんならこっそり食事の時間にカラシを入れてやるわ!!

 辛さに身を悶えるがいいわ!!」


そんなことして怒られないのかな?おじいさんは偉い人みたいだし。


「おねえちゃん、子供のいたずらみたい」


「うっ・・・。私、私、20歳の大人なのに;」


わたしがそう言うとノッレおねえちゃんは

床に突っ伏してショックを受けていました。

・・・それを見たわたしはおねえちゃんはおねえちゃんらしいと思った。


それで2週間がたっておじいさんのいるシンフォニア教国に着きました。

わたしと一緒にノッレねえちゃんも来ました。

それとリックおにいちゃんと陛下と王妃様と

リチャード様とスーナおねえちゃん、

ノブナガさんとライおにいちゃんとタクミおにいちゃん、おハツちゃん、

ユーエおねえちゃんとウィキおにいちゃん、

それとニッキーおにいちゃんとロザンナおねえちゃんと

マークスおにいちゃんが護衛で来ています。

キラおにいちゃんはお留守番です。

それとハイにゃんがペットとして同行してるみたいです。


「ここがシンフォニア教国なのね」


「気候が高温多湿だな。海が近いからか?」


「暑いにゃ~;;;;


ユーエお姉ちゃんがシンフォニア教国に感心してると

ウィキお兄ちゃんとハイにゃんは暑そうにしていました。


「エンジェルム王国から南、だから、ここ暑い」


「マークス、相変わらず博識ね」


「それにしてもじめじめして暑いな;;;

 半袖着てきて正解だったな」


ロザンナおねえちゃんがマークスおにいちゃんの

賢さに感心してると、

ニッキーおにいちゃんはシャツの

裾をパタパタさせながら暑そうにしていました。


「それにしても異国の宣教師が多いな」


「独特な恰好をしてますね」


「なんかヨーロッパのバチカン市国に来たみたいだな;」


「拓海は似たようなところ行ったことあるの?」


「いや、知ってるだけだ」


シンフォニア教国は教会の牧師さんや

神父さんやシスターさんがいっぱいいます。

ノブナガさんはそれを見て感心してました。

ライおにいちゃんから見たら神父さんたちは珍しい恰好の様です。

けど逆に着物のライおにいちゃんたちは見られてる気がします;

タクミおにいちゃんは似たような場所に言った事あるのかな?

おハツちゃんも不思議そうに聞いてるし。

タクミおにいちゃんは知ってるだけみたい。

そう話を聞きながらムジカの街を歩きました。

一旦丘の上にあがってシンフォニア教国の全体を見に観光に行きます。

言い忘れてたけどシンフォニア教国の首都はムジカです。

ムジカの丘の上のオーケ川の右側にレンガの塀に囲まれた中にあります。

丘の上から見える景色はすごかったです。


「すげえ!!」


「ここからだとムジカの街が一望できるな」


「これがシンフォニア教国なのですね」


「すごい眺めですね」


「見とれてしまいます」


リックおにいちゃんと陛下と王妃様と

リチャード様とスーナおねえちゃんは丘からの眺めに感心していました。


「パンフレットによるとあれがルフォー城だって」


「結構、モダンな建物なのね。城って感じがしないわ」


「なんか普通の建物にゃ」


パンフレットには写真付きで建物が解説してあります。

おじいさんの家のでルフォー城を指差すと

クリーム色の大きな屋敷っぽい建物が見えました。

ユーエおねえちゃんからすればあれは城っぽくないそうです。

ハイにゃんから見ても普通らしいです。



「東側のあれがマーリア大聖堂で

 西側がマージョ大聖堂だって」


「なんで2つあるんだ?」


ライおにいちゃんがそう聞いてきたのでパンフレットを見ます。


「マーリア大聖堂は原理主義派が管理していて

 マージョ大聖堂は革新派が管理してるんだって」


「どの国でも派閥争いはあるのだな」


ノブナガさんはそれを聞いて、納得していた。

派閥争い・・・争ってないでみんな仲良くしたらいいのにね。


「それと中央にあるのが教皇庁事務所だそうです」


「宗教の国でも事務仕事あるんだな」


「そうなんだ」


タクミおにいちゃんとおハツちゃんは建物を見て感心してた。

そういえばタクミおにいちゃんは

ニンジャの仕事の傍らライシンラ国の

事務仕事(帳簿を付ける仕事)もしてるらしいです、


「なんか、夢壊れる」


「そうよね~宗教の国なんだから

 なんか事務してる姿が想像つかないわ」


「・・・どこの国も事務に追われてるんだな」


マークスお兄ちゃんとロザンナおねえちゃんは

シンフォニアの人の事務姿が想像できないのか不思議な顔してた。

ニッキーおにいちゃんは事務してる人を思い浮かべたのかため息ついていた。

ニッキーお兄ちゃん計算苦手だもんね。


丘からの観光を終えたわたしたちはおじいさんのいるルフォー城へ行きました。

なんか、偉い宿泊客はそこで泊まらせてくれる。

わたしが行っていいのかちょっぴり不安になりました。


お城は丘から見たのと同じように

クリーム色の建て物で

扉の上に白い女神様の像がありました。

さらに上には時計台があります。


「めずらしいですか?」


黒髪に紅茶色の目の綺麗な男の人が話しかけてきました。


「はい」


「ルフォー城は最初は初代大教主様の別荘として建てられたものです。

 しかし、今はあまり使われなくなったものを

 現大主教が改築して使われているのです」


私が頷くと綺麗な男の人はお城について教えてくれた。

別荘だったんだ。だから普通の屋敷っぽいんだね。


「へー、あなた詳しいですわね。

 お城の関係者かしら?」


「申し遅れました、私は大教主様の従者です。

 タカライヒデトと申します」


宝井秀人たからいひでと?日本人の名前みたいね」


「・・!!」


ユーエおねえちゃんがヒデトおにいちゃんにそう言うと、

ヒデトおにいちゃんは驚いた顔をしていました。


「こいつもトリッパーなのか?」


タクミおにいちゃんが興味津々そうにヒデトおにいちゃんを見ていました。


「・・・先祖がそうだったらしいですよ。

 さ、中へ案内します」


ヒデトおにいちゃんにお城の中を案内されて

わたしはきょろきょろ見てみました。

シンフォニア教の国だから女神様の銅像や絵がいっぱいありました。


「さすがに宗教の国だけあるわね」


「これらの芸術品はシンフォニアの名産になって

 さまざまな国々から注文の依頼が多いのです」


ユーエおねえちゃんはヒデトおにいちゃんからそう聞いて

なるほどと納得していました。

お城の中を一通り見終わるとタカライさんは

お城の中の礼拝堂に案内されました。

礼拝堂はステンドグラスの七色の光に照らされて

とても綺麗だった。

すると、大聖堂の中で誰かが祈りをささげていました。

あ、おじいさんだ。


「大教主様、

 エンジェルム王国とライシンラ国の来賓の皆さまを

 ごあんないいたしました」


「ありがとう。

 エンジェルム王国とライシンラ国の皆さま、

 こんなところで出迎えてしまい申し訳ない」


そういっておじいさんが頭を下げた。

・・・どうやらいい人みたい。

けど、ノッレおねえちゃんはおじいさんをずっと睨みつけてた。


「こんな所では何ですので食堂へ向かいましょう」


そういっておじいさんはわたしたちを食堂へ向かいました。

そこには銀のナイフとフォークのテーブルセットが置いてありました。


「シンフォニア教国の名物のフルコースを用意してあります。

 心行くまでお楽しみください」


おじいさんが手をパンパンとたたくと、

使用人らしき人達がごちそうを運んできた。


「この、たねなしパンはイースト菌を使わないで作られたパンです。

 あとサラダカプリ風のとてもおいしい素敵な

 新鮮なトマトを使ったピザもあります。

 シンフォニア教国名物のじゃがいものポテトサラダと蒸しポテトです。

 味が足りなければこしょうで味を付けてください。

 牛肉と長ネギとひよこ豆の煮込みは

 じっくり材料の牛肉と野菜に味が染みこむまで煮込みました。

 郷土野菜のスープもあります。

 お酒が欲しい方は赤ワインと地ビールもありますので

 よかったらお飲みください」


材料を運んできた青い髪を一つ結びにて緑の目をした

美少年の使用人の男の子が説明が終えると

料理の乗ったお皿をテーブルに乗せていった。


「それでは女神の自然の恵みに感謝していただきましょう」


そう言っておじいさんが祈りをささげてから

食事を食べ始めた。


「ピザあつあつでおいしいにゃw

 火傷やけどの刺激がたまらないにゃ~www


「「「「「・・・・;;;;」」」」」」


ハイにゃんの相変わらずのドMさにみんな冷や汗をかいていた。

おじいさんたちも変に目を丸くしている。


「熱いなら冷めたものを持って来ましょうか?」


「冷めたピザはおいしくないにゃw

 熱いからいいのにゃ~wwwwプレイにゃwプレイにゃw」


「・・・;」


使用人の男の子もせっかく気を使ってくれたのに

ハイにゃんは相変わらずだった。


ハイにゃんをよそにわたしも食事を食べ始める。

ピザやたねなしパンもおいしい。

牛肉と長ネギとひよこ豆の煮込みも

味がしっかりしておいしい。

スープの野菜が柔らかくてこれならわたしでも食べられた。

そうやって食事が進んでいくとおじいさんが話しかけてきた。


「・・・おいしいですか?」


「はい」


「よかった」


わたしが笑顔で答えるとおじいさんはぱっと顔を輝かせてよろこんでくれた。


「・・・・」


おじいさんをノッレおねえちゃんはさっきからずっと睨みつけていた。


「そこのお嬢さん、さっきから私を見ていますが、

 何か気に障る事でもしましたか?」


「・・・してるじゃない。

 イノーゼを6年間もほったらかしにしてきて

 謝りもしない奴をイノーゼの身内だなんて私は認めないわ!!」


ノッレおねえちゃんはテーブルをバンッっと叩いて、

おじいさんに向かって怒鳴った。

みんなしんとなって空気が固まった気がした。


「・・・お嬢さんはイノーゼを大切に思っているのですね」


「当たり前よ!!5年以上、私はノッレと一緒にいたんだから、

 ユーエと同じくらい姉でいるつもりよ!!」


そう言ってノッレお姉ちゃんは叫んでおじいさんを睨みつけた。


「ノッレおねえちゃん・・・。

 ノッレおねえちゃんがわたしの為に怒ってくれてるのはうれしいけど、

 仲良くしてほしい」


「イノーゼ・・・」


わたしの言葉にノッレおねえちゃんは困ったような顔をしてた。


「・・・そうですね。

 イノーゼすみませんでした。

 今までほったらかしにしてきて私は神に仕えるものとして

 いや、祖父として失格ですね;」


おじいさんはしゅんとした表情をしてた。


「いい・・・。これから仲良くしてけばいいよ」


「そうですね。これから私も祖父として頑張って行きます!!」


おじいさんは顔をあげて明るい表情をしてた。

そして、しばらくお互いの話をずっとしていた。

すると、おじいさんはこんな事を言ってきた。


「イノーゼ、実は頼みがあるんだ」


「何?」


おじいさんからの頼みごとってなんだろ?


「明日のシンフォニア教の式典の巫女として

 儀式に参加してほしい」


「「「「「「「え?」」」」」」」


わたしが巫女?巫女って何やるんだろ?

おじいさんの言葉にみんな目が点になってた。


「実は当代の巫女はシンフォニア教国にはいないのだ。

 イノーゼのお母さんが先代の巫女だったのだが、

 もう亡くなっていてな・・・」


わたしのお母さんは死んじゃってたんだ・・・。

わたしは少し悲しくなった。


「なのでイノーゼにもその遺志を継いでもらいたいのだ」


「・・・でも、巫女ってどんな事するの?」


巫女ってどうやってお仕事するんだろ?


「ただ祈りを捧げてくれるだけでいい。

 だから頼みたいのだ」


おじいさん困ってるみたい。やってみようかな?


「うん、わたし、おじいさんを手伝う」


「ありがとう!さっそく明日、巫女をやってもらおう」


なんか、わたし、巫女になるみたい。

でも、式典ってたくさんの人が来るんだよね?

上手くできるかな?

そんな事を考えながらおじいさんのお手伝いで巫女をする事になった。


つづく


イノーゼは巫女をする事になりましたw

大教主の目的が見えませんね;

吸血鬼がどう絡んでくるのか?

次回に続きますw

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