第65話:エリザベス様とジークハルトの結婚披露パーティー 後編
<ユーエリア視点>
ケーキ入刀が終わり、エリザベス様がお色直しのために退場した後、
国内外の貴族や王族たちは食事をしながら、談笑していた。
「ううう・・・。エリザベスも綺麗になったなぁ(涙)」
「陛下、私の息子も立派でした(涙)」
「今日はシュナイダーも飲め!!無礼講だ!!」
「はい!今日はとことん飲みましょう!!」
陛下とシュナイダー前公爵はこの日が来た事を感無量になりながら
お酒をがぶ飲みしてた。
「あなた、まだパーティーは続いてますのよ。
ほどほどにしてください!」
「そうですよ、へべれけ状態でパーティーに参加したら。
新郎新婦も迷惑ですよ!」
やけ酒っぽく飲もうとする陛下とシュナイダー前公爵に
王妃様とシュナイダー前公爵夫人は般若のように睨みつけていた。
「「はい;;;」」
あまりの鬼嫁たちの睨みに陛下とシュナイダー前公爵も恐縮して縮こまってた。
・・・尻に敷かれてるわね;
そしてお色直ししたエリザベス様が再登場した。
エンパイアスタイルの胸下に切り替えから
スカートが伸びていくデザインの水色のドレスで
エリザベス様の清楚さが出ていた。
「それでは誓いのキャンドルの儀式を執り行いたいと思います」
司会のリイムの言葉によりエリザベス様とジークハルトは
一緒に聖火の灯ったスティックを持った。
火の灯った一本の大きな白いキャンドル火を付けた。
誓いのキャンドルとはシンフォニア教の宗教の一種で
これに火をともすと夫婦円満になるらしいです。
キャンドルに火が灯ると一同拍手して祝福した。
次は国内外の貴族や国外の王族のスピーチに移る。
司会のリイムによってつつがなく取り行っていった。
そして青の騎士団長のレイル・サートクリフのスピーチになった。
「ジークハルト殿、エリザベス様、ならびにご両家の皆様、
本日はおめでとうございます。
・・・ってこんな丁寧なあいさつはあたしじゃないわね」
「レイル!!陛下たちの前ですよ!!」
いきなり丁寧なあいさつから普段の言葉にレイルは戻った。
驚いてそれを窘めるリイム。
一同騒然とする;
「いいじゃない!あたしは友人のジークとエリザベスちゃんに
素の言葉で祝いたいのよ!!
ごほん、招待ありがと~www心から感謝してるわw
あたしは、新郎の友人のレイル・サートクリフよ。
イケメンな恋人募集中ねw
ジークとはかれこれ10年ぐらいの友達になるわ。
ジークははとても朗らかで、よく気の付くイケメンよ。
もちろん騎士団長の仕事も、毎日そつなくバリバリとこなすわw
さらに面倒見がよくって、日頃から私をはじめ赤の騎士団長のリイムも
よく助けてもらってるわw
そんなジークが人生の伴侶に選んだエリザベスちゃんも、
素敵で食べちゃいたいくらいプリティよw
誰もが認める素敵な人同士のカップルねw
あたしは2人がは素晴らしいご家庭を築いてると信じてるわw
運命の糸で結ばれた2人の、
これから先の人生に幸多かれとお祈りするわ。
ジーク!!!エリザベスちゃんを幸せにしなかったら承知しないわよ!!
友人としてびしっと言っといたわ!!
それではお祝いの言葉に代えさせていただきます」
レイルらしい破天荒なお祝いスピーチだった;
リイムはそれを見て頭を抱えていて。
陛下夫妻やシュナイダー前公爵夫妻もぽかんとしてる。
エリザベス様やジークハルトはレイルらしいスピーチに
苦笑いしてた。
「ごほん;続きましてカタジナ・ジェヴスキ子爵のあいさつを・・・」
気を取り直してリイムがスピーチの司会を続行した。
こんなハプニングがありつつもスピーチはつつがなく終わった。
「次に新婦エリザベス様からご両家夫妻への手紙です。
エリザベス様から陛下夫妻と
セドリック様とリチャード様とスーナ殿に
向けてお手紙をお読みください」
司会のリイムがそう言うとエリザベス様とジークハルトは立ち上がった。
そしてエリザベス様は手紙を読み始める。
「父上、母上
この日がくるのを本当に長い間待たせてしまいましたね。
毎日一緒にいて、なんだか照れくさいけど、
ここで感謝の気持ちを伝えたいと思います。
父上、今日憧れのバージンロードを歩いてみてどうでしたか?
小さい頃、父上は私とリチャードとリックに色々な所に
遊びこっそりに連れて行ってくれましたね。
王都の大劇場や闘技場、博物館や美術館、
遊びでもいつも真剣で闘技場では白熱して応援して。
新たな一面を見せてくれましたね。
格好良くて、優しくて、面白い父上は私の自慢でした。
もちろん国王としても尊敬しています。
政を行う時の父上の真剣な目が私の憧れでした。
一緒にいて父上と私は性格が本当に良く似ていて、
私は父上の性格が似て形成されているんだと、実感しています。
母上にに注意されることはほとんど同じで、
本当にそっくりでなんだか兄妹みたいだと思う事もあるぐらいです。
父上、愛情いっぱいで大切に育ててくれて、ありがとう
母上、今考えるとどこにそんな時間があったのだろうと思うけど、
たくさん私の為に手作りしてくれましたね。
中でも一番覚えてるのが、私がお城のブランコに乗ってる絵を
ハンカチにに刺繍をしてくれましたね。
とっても可愛いくてお気に入りだったので、
今でも大切にとっておいています。
ここ最近では、
母上や父上の毒殺未遂事件など色々大変なこともありました。
でも、どうにか乗り越えてきました。
今まで無事でいてくれてありがとうございます。
母上は私にとって憧れの人です。
優しくて、努力家で、忍耐強くて、
いつも人のことを思いやっていて、
私も母上の様になりたいです。
影で気が強い所は似てると思います。
そんな大好きな母上も憧れています。
母上、私を産んでくれて ありがとう。
私は母上と父上の間に生まれてきて、
ずっと幸せに暮らして来られました。
これからは、ジークと共に二人の様な、
何でも言い合える仲の良い夫婦に
なっていきたいと思います。
父上、母上、長い間育てて頂いて、ありがとうございました。
そして、ジークのお父さんとお母さん
いつもお家に伺った時に優しくして下さってありがとうございます。
まだまだ嫁として未熟な私ですが、これからもよろしくお願いいたします。
次にリチャード。
あなたは女好きで頼りなくてへらへらした弟だったけど。
スーナちゃんと両想いになれてよかったわね。
これからはスーナちゃんを幸せにしてください。
スーナちゃんもそんな頼りないリチャードを支えてください。
次にセドリック
リックはわんぱくでいつも元気いっぱいで周りを困らせていたわね。
でも、そんな元気な所が弟としてかわいいと思いました。
いつまでも元気でわんぱくなそのままのリックでいてね。
最後にジーク
私はあなたに出会うまで、
こんな幸せがあることを知りませんでした。
こんな私を妻にしてくれて、ありがとう。
お互いに協力し合って、
誰にも負けないぐらい幸せな家庭を築いていきましょうね。
これからも、末永くよろしくお願いします」
エリザベス様が手紙を読み終わると、
陛下と王妃様は涙を流していた。
シュナイダー前公爵夫妻も涙目になっている。
リックとリチャード様も感動しているみたいだ。
「俺もエリザベスが娘で幸せだったぞ!!」
「私もエリザベスが大好きよ!!」
素でそう言って陛下夫妻はエリザベス様を抱きしめた。
「姉貴、おめでとう」
「エリザベス、こんな僕たちの家族でいてくれてありがとう」
「エリザベス様、
私がリチャード様を支えますから安心してください」
リックとリチャードとスーナ嬢も感激してお祝いの言葉を述べた。
「次に新郎新婦の花束贈呈に移ります。
新郎から新婦の両親へ、
新婦から新郎の両親へ花束を贈ってください」
司会のリイムがそう言うと、
ジークハルトが陛下夫妻に
ダイヤモンドリリーとライラックの花束を贈った。
エリザベス様は青薔薇とカスミソウの花束を
シュナイダー前公爵夫妻に贈った。
「ジークハルト殿、ありがとう!!ありがとう!!」
「大切にしますね」
「エリザベス様、これから家族としてよろしくお願いします」
「一緒にがんばっていきましょうね」
花束を貰い、両者の両親は感激して泣きだした。
そして結婚披露パーティーも終焉に近づいた。
「それでは結婚披露パーティーを主催した両家を代表して
リムニスタ陛下がお礼と謝辞がございます」
司会のリイムに促され陛下が立ちあがった。
「新婦の父として
両家を代表して、一言挨拶をさせて頂く。
本日はご多用の中、ご臨席いただき、ありがとう。
皆様からの心温まるお言葉が2人の胸に
しっかりと刻み込まれたことと思う。
成人したとはいえ、まだまだ未熟な2人だが、
皆様に温かい目で見守って、
時にはご助言頂ければ幸いだ。
最後になったが、皆様のご健康とご繁栄をお祈りする。
これをもちまして両家の挨拶とさせて頂く。
本日は誠にありがとう」
陛下が感慨無量に謝辞を述べた。
会場の一同も拍手して祝った。
「これにてエリザベス・サムエル・エンジェルム様と
ジークハルト・シュタイナー様の結婚披露パーティーを終わらせて頂きます。
ご来場になった皆様、ありがとうございました」
司会者のリイムが結婚披露宴のお開きを告げた。
新郎新婦のエリザベス様とジークハルトと
両家の両親の陛下夫妻とシュナイダー前公爵夫妻が
退場してパーティーがお開きになった。
こうしてつつがなく結婚披露パーティーが終わった。
両家の家族も幸せそうだったし。
エリザベス様とジークハルトは良い夫婦になると実感できたパーティーだった。
王家の家族の心の温かさが伝わっていいパーティーだったと思う。
私もいつかそんな結婚式がしたいなと思った。
つづく
王家の人たちは温かい家庭だという事が
書いていて伝わりましたwww
きっとエリザベスも国王夫妻のように温かい家庭を築くと思いますw
あ、レイルのスピーチは彼らしいですねwww
レイルは本当の言葉でジークハルトやエリザベスを祝いたかったのですねw
結婚式は温かい物になりましたw
次回は結婚披露パレードですwww