第64話:エリザベス様とジークハルトの結婚披露パーティー 前編
<ユーエリア視点>
エリザベス様とジークハルトの結婚式が済みましたので
エンジェ城へ移動してそのまま結婚披露パーティーとなりました。
舞踏会と同じくお城の大ホールが会場となります。
すでに、国内外の貴族たちや国外の王族たちが談笑しながら
パーティーが始まるのを待っています。
「やっぱお城の料理は美味いよなw」
「そうだよな~wタダ飯だしw」
「こういう時だからこそ美味いよなw」
「まさに祝いの席にふさわしい料理です」
舞踏会と同じように立食パーティー形式で
すでにニッキーやウィキや拓海やキラが料理を食べてるようです。
「おいしいw」
「こんな料理を食べられるなんてパーティーに参加できてよかったわw」
「まさに役得よねw」
「おいしいですw」
イノーゼとノッレとロザンナとお初ちゃんも料理に舌鼓を打っている。
「ウィキさんwあ~んw」
「ん?もぐもぐ。美味いなw」
アンナからフォークでウィキは食べさせてもらってた。
なんか距離が縮まってる気がするわね。
「微笑ましい光景ですな」
「まったくw」
「アピールの成果ですw」
「////////」
アドバーグとクレアはアンナとウィキをにこやかに見ていた。
威張ったアンナにウィキは顔を真っ赤にしていた。
ちなみに結婚披露パーディーの料理の内容は
無農薬野菜を使ったカリフラワーのブラマンジェと青豆のポタージュや
サニーショコラとトウモロコシのスープ。
冷たい野菜のテリーヌと有機野菜のサラダ添え。
帆立貝と野菜のポワレ。
京芋とズワイ蟹のリエットと
マグレカナールのコンフィーのデュエット。
パルマ産プロシュートとモッツアレラのジェノバソースムール貝添え。
豊潤な香りのブイヨンの鯛とラングスティーヌのポワレ。
サフランの香るソースがかかった平目をと赤海老を
ふっくら焼き上げたのポーピエット。
大海老のポワレにお米のリゾット。
牛の頬肉の赤ワイン煮込み彩り野菜添え。
鴨肉のローストとフレッシュファグラのポワレのトリュフソースがけ。
霜降り牛ロース肉のグリエと取れたて野菜のローストとバルサミコソース。
牛ロース肉のグリエ蜂蜜風味の赤ワインソース。
地鶏のグリエの味噌添えと霜降り牛の山葵ソース山の芋のガレット添え。
セロリラブのピューレを枕に牛のプロバンスクルート焼き
エンジェルム王国産野菜の煮込み添え。
などなど豪華な料理がテーブルに並んでいる。
「ほう、和食もあるのか」
「エリザベス殿は和食も好きらしいですよ。父上」
信長と雷信は和食の料理を見つけたのか箸で食べている。
もちろん和食の婚礼料理もあります。
季節の魚の刺身と鮨、五種盛り。
(最近では生で食べるお刺身の文化も王国に広まりました)
海老とキノコの茶碗蒸し。
ダシの効いたマツタケのお吸い物。
魚と野菜の天ぷら。
鯛の煮物。
大海老の白扇揚げゴマソースのガロニ添え。
国産牛ロースソティ、温野菜添え
鮪、白身魚とサーモンの握り寿司(お寿司も王国に広まりました)。
しょうゆベースのダシの極細うどん。
など、いろいろ和食を取り揃えています。
「リチャード様やスーナ様やセドリック様は
すでに王家の席に座っているようだな。
シュナイダー前公爵夫妻も一緒に座ってるようだ。
陛下と王妃様が入場なさってから
エリザベス様たちは入場するそうだ」
「そうですわね、
新郎新婦の入場を待つばかりですわ」
「なんかドキドキします」
「アル様、こんな時は人と言う字を飲み込むと良いらしいです」
「入場が楽しみですね」
リックとリチャード様とスーナ嬢はすでに王家の席に座ってるようだ。
ジークハルトの両親も同じ席に座ってるらしい。
父グレンと義母ドヌーブはエリザベス様たちの入場を心待ちにしていた。
アルフォンスはドキドキしながら会場の扉を見ている。
従者のドーソンはそんなアルフォンスに人並なアドバイスをしてた。
筆頭執事のカイルも微笑みながらその様子を見守ってた。
「リムニスタ・サムエル・エンジェルム国王陛下、
リリアーヌ・サムエル・エンジェルム王妃殿下ご入場!!」
陛下と王妃様が入場するみたいだ。
陛下は王様としての贅沢な赤の織物と白の刺繍の正装で赤いマントを着ていて
毛皮を贅沢に使ったファーを身にまとってた。
王妃様は青い生地のドレスを着ていて白の百合のコサージュと
シンプルなAラインのスカートが魅力的だった。
そして王妃夫妻が席に着席した。
「新婦エリザベス・サムエル・エンジェルム様、
新郎ジークハルト・シュナイダー様ご入場!!」
ようやく新郎新婦が入場するみたいだ。
エリザベス様は結婚式と同じプリンセスラインの
光の魔道石が散りばめられたドレスを着ていて。
ジークハルトはエンジェルム王国の緑と白の軍服を着ているようだ。
まぁ、緑の騎士団長だからね。
新郎新婦も無事着席した。
「お集まりの国内外の貴族や王族の皆さま、
本日は本日はエリザベス・サムエル・エンジェルム様と
ジークハルト・シュナイダー様の結婚披露パーティーに
ようこそおいでくださいました。
では、結婚披露パーティーを開催させていただきます」
司会者で赤の騎士団の騎士団長のリイム・スピアーズが
披露宴の開始を宣言した。
風の拡声魔法で声がパーティー会場中に響いてるみたいだ。
そして会場のお客さんは拍手を一斉にした。
こうして結婚披露パーティーは始まった。
まず、新婦の主賓である陛下があいさつするようだ。
「ただいまご紹介にあずかったリムニスタ・サムエル・エンジェルムだ。
エンジェルム王国の国王でもある。
僭越ながら一言お祝いの言葉を述べさせていただく。
ジークハルト殿、エリザベスご結婚おめでとう。
ならびに両家のみんなもおめでとう。
新郎のジークハルトが王国の騎士団長になったのは5年前だった。
国の治安を守る緑の騎士団の騎士団長として
犯罪者や逆賊を捕まえる仕事を責任もってしてくれていた。
国を守るという信頼関係のもとジークハルト殿は
よくやってくれていると思う。
嫌な顔ひとつせず誰よりも積極的に責務をこなしてくれました。
その真面目さがエリザベスが気に入ったところの一つだと思う。
エリザベスと懇意になったのも賊から
エリザベスを守った事がきっかけだったからな。
そのときのエリザベスは恋する乙女のような笑顔だった。
エリザベスはジークハルト殿というすばらしい伴侶を得たことで、
公私ともにより充実することでしょう。
本日はこのようなすばらしい席に来て下さり礼を言う。
誠にありがとう。
二人の幸多き人生をお祈り申し上げまして
私のあいさつとさせていただく。」
こうして陛下の主賓のスピーチは終わった。
続いてジークハルトの父のシュナイダー前公爵がスピーチするようだ。
「本日はジークハルト、エリザベス様、ご結婚誠におめでとうございます。
私、ジークハルトの父親のロエン・シュナイダーと申します。
さて私は新郎の主賓という事で、
本日挨拶を考えさせていただいたのですが、
どうにも勉学が足らず、良い言葉が思いつきませんでした。
そのため格言や名言といった言葉を用いる事ができず、
大変恐縮ではありますが、
私と妻が考えた明言を披露させていただきたく思います。
『子供は多い方がいい、それだけで今を生きる価値がある』
子供が授かれば、ゆくゆくは子供のために
生きるのが親というものであります。
陛下と王妃様もそうであり、また私たちもそうでありました。
しかし今日のような日を迎えると、
本当に今まで生きてきた価値が多いにあったものだと
痛感するものでございます。
ジークハルト、エリザベス様、まだしばらく二人でいたいという
気持ちもあるかとは思いますが、
子供はそこにいてくれるだけでも幸せを呼び込むものでございます。
お子様を賜りましたあかつきには、
ご一報を頂けます事を心よりお願い申し上げます。
あまり子供の話をすると責めているようでもある、
これは妻の格言でもありますので、
私の祝辞はこの辺りで失礼しておくのが肝要かと思われます。
これで私のあいさつを終わりたいと思います。
ありがとうございました。」
こうしてシュナイダー前公爵のスピーチも終わった。
子供を思う温かいスピーチだったわね。
「本日のめでたい日を迎えられて幸せだと私は思う。
それでは乾杯の音頭に移る。
エリザベスとジークハルト殿の結婚を祝して乾杯!!」
「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」
陛下の音頭により、
一同、シャンパンやジュースの入ったグラスを掲げ乾杯した。
みんな飲み物を飲みほして一息つく。
つづいて新郎新婦のケーキ入刀だ。
ウエディングケーキがカートに乗せられて運ばれてきた。
ちなみに、ユーエリア商会でニッキーが
20メートルもある段重ねのウエディングケーキを10日掛けて作った。
(無属性の保存魔法で品質が悪くならないよう私も補助した)
生クリームといちごなどの季節のフルーツが
たっぷり入ったウエディングケーキである。
「エリいくぞ」
「はい」
ケーキカット用のナイフを新婦のエリザベス様が両手で握り、
新郎のジークハルトが右手を添えて、いっしょに入刀した。
それと同時に王国内外の記者たちが一斉に写真魔法で2人を撮った。
たぶん明日の朝刊の一面記事に載るだろう。
2人はケーキ入刀の時も笑顔で幸せそうだった。
つづく
ありがちな結婚披露パーティーですねw
ケーキ入刀などもかなり結婚式ではお約束なので
書けてよかったですw
前編なので後編に続きますw