第3話:伯爵令嬢の朝食とぼろ儲け計画について
アークレイ伯爵家別邸にてその朝食の風景。
基本的に主人と使用人は食事は別です。
使用人たちに給仕をさせながら食事をいただきます。
「お嬢様、本日の朝食はスコーンとポーチドエッグとボイルした
ウインナーにミントサラダでございます」
「自然の恵みに感謝を」
私専属の執事のアドバーグが今日のメニューを言うと
私は自然の神に祈りを捧げさっそくいただきます。
真っ白なテーブルクロスに白蒼の薔薇が描かれた
白磁の食器類の上にはそれらがそれぞれ乗っています。
純銀でできたフォークとナイフでそれらを切り分けマナー通りに頂きます。
「おいしいですわ」
「そうですか、今日の当番はウィキでしたので奴も腕を上げましたな」
「恐縮です」
私がどうやらウィキが今日の朝食を作ったとのこと。
アドバーグも感心しているようです。
コックが居ないため基本的に使用人たちは基本当番制です。
アドバーグはウィキを別邸の執事の後継者にしたいのか
さまざまな知識や技術を教え込んでるもようです。
ウィキはひいひい言いながら調教もしくは教育されているようです。
「所で別邸は私を含め5人しかいないのだから
一緒に食事しても構わないと思うのだけど」
実は使用人はアドバーグとウィキとクレアとアンナしかいません。
他の使用人たちは本邸のほうに取られています。
まあ、私1人に何十人の使用人がいてもしかたないのですが。
「私もお嬢様と食事がしたいです」
「ウィキリード!!失礼だぞ!
お嬢様も主人と使用人のけじめをつける事こそ名門貴族です。
私も食べたいのはやまやまですがそれは本邸のご主人様にしかられますぞ」
「え~」
ウィキも私もみんな一緒に食事がしたいのに;
貴族って言うのは面倒だなあといつも思います。
アドバーグに叱られ不満です。
「え~ではありません。
淑女として貴族として言葉使いには気を付けてください」
「わかりましたわ」
しぶしぶ食事を再開する私でした。
朝食を食べ終わりウィキと一緒に自室に勉強という名目でひきこもりました。
私は魔法の教本を斜め読みしながら
ウィキとこれからについて話す事にしました。
基本ウィキと2人っきりの時は敬語抜きで話します。
私は前世庶民なので疲れるし。
ふと食事の事について思い出した。
「食事と言えば悪魔って魂食べるよね、食事どうしてるの?まさか;」
魂を無差別に食べるのでは?と不安になった。
「バカ言うな、基本的に俺は力の許容量の増大のために魂を喰らうんだ、
普通は人間と同じように普通のメシ食うぞ」
どうやら力を蓄えるために魂を食べるのか;
生きるために食べる訳ではないのね。
ちょっとほっとした。
「魔力の増大の事?」
「俺の全盛期の10分の1以下の魔力しかないからな。
全力が出せないんだよ封印の影響でな」
「ふ~ん、ああザコっぽかったもんね」
私に簡単にのされるぐらいだもんね・・・;
「ザコ・・・orz」
あ、ウィキが凹んでる。傷つきやすいやつだな~。
「で、ザコの悪魔はどうやって力を回復させるわけ?
あ、絶対に魂食べちゃダメだからね。命令」
「・・・ザコって強調するなよ;代わりに魔道石でも食って回復させる。
俺は闇属性と親和がいいから闇属性の石のほうがマシに回復できるが;
ここは光属性の石の原産地だからなぁ;回復がムズい;
後は戦闘でレベルアップして自然に回復するぐらいだな。」
そう言ってウィキがため息をついた。
アークレイ伯爵領は光属性の魔道石の原産地だもんね;
闇属性の魔道石は手に入りにくい。
え?ちょっと待って;石食べるの?
「石食べるの?;;;;」
その辺の魔道石をバリボリ食べるウィキが思い浮かんだ。
歯が血まみれになりそう・・・。
「何考えてんだ;普通にバリボリ食うんわけじゃないぞ;
触れて力を吸収するんだ;まあ力は魂と比べてごくわずかだが」
「ふーん、石食べるっていって
あんたが歯を掛けながらバリボリしてるところを想像しちゃったわ。
某エアバンドのヴォーカルみたいにすきっ歯になったらそれはそれで
・・・ぷっ(笑)」
ぽんぽん持って女々しい踊りをするウィキを想像してみる。
うわ~い踊ってみた動画ですごい試聴数を得られそう。
「俺はキ●ショーみたいにはならねーぞ;;;;;ダンスも踊らん;;;」
「似合うと思ったのに(笑)」
やらせてみたい。ああ、ここにネットがあればアップするのに(笑)
「変な想像するな。で、今日は王都へ行くんだろ」
「そう商業ギルドにね」
商業ギルドに登録してお風呂やトイレに技術や
ボディーソープや洗剤の特許を取ろうと考える。
あわよくばそれを商売にしようと言うのである。
協力してくれる商人を探さないと。
「人間っていうのは不便だな。金が無いと生きられないとは」
「お金には困ってないんだけど。自分専用の光属性の魔道石の鉱山あるし」
アークレイ伯爵家は光属性の魔道石の鉱脈がたくさんある。
それは伯爵家の財政を潤し潤沢なお金がたくさんある。
つまり伯爵家はリッチな伯爵なのだ。
その家族にも恩恵があり子供にも鉱山を分け与えるほど。
つまりそこの収益がおこづかいなのだ。
月に1000万円以上は軽くもらえる。
光属性の魔道石はダイヤモンドと同じぐらい価値があるからね。
まだまだ鉱脈は底をついてないし。
そのことをウィキに言うと目を丸くした。
「セレブ!セレブがここにいる!!」
「お~ほっほっほっ!崇め奉りなさい!!」
「はは~!!!」
って変に土下座して奉るウィキと威張る私が居た。
「でも、そんだけ金があるんだったら別に商売やるひつようなくね?」
「甘い。将来を見越して考えると私は嫁がされる可能性が高い。
で、鉱山は手放さざる得なくなる。
私は仮の持ち主なの」
そう私は令嬢。政略結婚にしろ恋愛結婚しろ伯爵家から将来離れるわけ。
「で、金の為に商売を探そうと」
「手元にあるお金で起業してめざせ!!大商人」
前世の知識をもとに大儲けしてやる。
「めざせコンビニ!めざせファーストフード!!
将来はデパートでも建てるかな」
「7と11なコンビニとかMのつくバーガーとか?
あーコーラ飲みて~」
ウィキはコーラ派か私はソーダ派。
3つの矢のサイダー飲みたい。
「いくらでも飲ませてやるわよwww
右腕になりなさい下僕。副社長になれるわよ」
「副社長でも下僕は固定なのかよ;でものったw」
ニヤリと私が笑うとウィキもにニヤリとわらった。
野望は大きくだね。
「どこに店を出す?伯爵領内か?」
「一番目立つ場所それは王都!!この国の首都エンジェ」
エンジェルム王国の首都エンジェは伯爵領から南西にある大きな町。
まさに王国の中心、かるく100万人は超える大都市である。
この世界のレベルが中世っぽいのでこの人口は多いと言える。
「競争率高くね?」
「流通と生産をなんとかすれば勝てる。
ポーションとマジックポーションの製造法には裏技がありそうだし」
そうポーション(怪我の治癒と体力回復ができる薬)も
マジックポーション(魔力回復薬)もまどろっこしい製造法を民間ではしてる。
ポーションは聖水に木霊の樹の枝にコウモリの翼に水銀。
マジックポーションは聖水に魔道樹の根っこにコウモリの翼に水銀。
と材料に苦労するのである。聖水は教会依存だし、
木霊の樹や魔道樹の根っこはベテランの冒険者や騎士が行ける森しか行けない。
水銀は扱いずらいし、コウモリの羽根は低ランクの冒険者でも取れるけど。
なのでポーションやマジックポーションは値段が高い。
しかし、これらの材料がなくても別の材料で代用できるのである。
ポーションは水とマジカルウィード10gとスライムのコアとコウモリの羽根。
マジックポーションは水とマジカルウィード10gと
ファントムのコアとコウモリの羽根(ファントムは幽霊型モンスター)
これらの材料を少しの魔力を込めて煮て変質させると・・・。
あら不思議wポーションとマジックポーションの完成である。
「400年前には俺らのやりかたでポーションとか作ってたんだけどな~
なんでまどろっこしいやり方になったんだか」
「なんだか戦争で技術が廃れたらしいよ。歴史書で読んだ。
魔王が暴れたっていう大戦で」
「あの勇者も錬金術は門外漢だったか(ぼそっ)」
「ん?なんか言った?」
「いや?」
変なウィキ。
ともかくぼろ儲けの予感がするw
毒消しやその他薬品も代用品で低価格でできそうだし。
教えれば民間にもできるレベルだそうだ。
日用品とかも軽く買いそろえて。弁当とかも出したりして。
夢が広がる。広がる。
「ともかく商業ギルドで登録して店をフライングゲットw」
「まさに飛んで王都に行こうと思ってるからか?」
「アイドルグループもびっくりな店にしてみせるわよ」
風魔法でいけばすぐ着くもんね王都。
まさに舞○術。
フライングゲットしてお金もお客さんの心もゲットしてみせるわよ。
さて王都へいくわよ。
つづく
ウィキに女々しい踊りをさせたら面白いでしょうねw(笑)