第47話:信長との決闘の決着とユーエリア、嫁になる?
<ユーエリア視点>
「まだまだワシはその程度では倒せぬぞ!!
死合いはこれからじゃ!!」
そう言って信長は刀を構えた。
私も拳を握りしめてそれに立ち向かった。
すると信長は刀に力を込め呪文を唱え始めた。
「臨兵闘者皆陣列在前・・・」
これは陰陽術の九行?
信長の刀から霊気が発せられバチバチと帯電し始めている。
「『九行霊波突』!!」
9つの雷の霊気の籠った鋭い突きが私に向かって襲ってきた。
私も同じように魔力を拳に込めた。
「『神拳波九連散』!!」
その突きの剣先に魔力の籠った黄金の拳で同じように9連発のパンチを放った。
お互いの技対技がぶつかり合い衝撃波で辺りが吹っ飛んだ。
互角なのかお互いも吹っ飛んで倒れ込む。
「・・・くくく。やるな」
「・・・そっちこそ」
お互い傷つきながら両者は立ち上がった。
「ただの小娘ではない事は分かっていたがここまでやるとはな。
ワシも織田真流抜刀術最終奥義を出さねば勝てないようだな。
優絵!!!お主を最強の一撃で葬むりさってくれようぞ!!」
すると信長は刀をしまい抜刀術の構えを見せた。
「青龍・白虎・朱雀・
玄武・勾陳・帝台・
文王・三台・玉女」
信長は呪文を唱え始めた。
これも九行の一種で四神の力を使うものだ・・・。
周りに霊力の水の青龍・風の白虎・炎の朱雀・土の玄武が現れて
周りに舞い始めた。
それが信長の刀に吸収されていく。
「陰陽の力・・・ここに開放せし!!」
信長が縮地のスピードで迫って来る。
「『四神陰陽九行斬』!!!」
神速の抜刀術の渾身の斬撃。
四神の霊力のオーラが刀に纏って斬る力が上がってる。
「・・・!!」
私は弾き飛ばされた。空中に舞う。
「うわああああああ!!!お姉様!!!」
「ユーエリア様!!!!」
「・・・!!」
アルフォンスやリイムが真っ青な顔をして叫び声を上げた。
ウィキも息を飲んだ。
「ぜぇ・・・はぁ・・・はぁ・・・。
ワシに最終奥義を使わせるとはな・・・;
だがワシの勝ちじゃ!!」
信長は息を切らせながら勝利の余韻に浸っていた。
ごおおおおおおおお!!!!!
信長の背後から霊力のオーラが舞いあがる。
「まさか私自身、霊力をまた使うとは思わなかったわ」
「な、奥義で完全に斬ったはず・・・」
ぴんぴんしている私に信長は信じられないと驚いていた。
「霊力で来るなら霊力で防御すればいいだけよ」
「・・・お主も陰陽術が使えるのか!!」
どうやら信長は私が陰陽術で斬撃を防いだと気づいたようだ。
私の周りに陰陽の五行の星の霊力の壁が浮かんでガードしている。
しかも、周りの四神や果てはその長の黄龍まで
私に従っているのを見て信長はぽかんとしていた。
「安部晴明って知ってる?」
「平安の都の有名な陰陽師だな」
「私はその安部晴明の子孫と知り合いで、
その安部蓮命から陰陽術を教わったわ。
あ、天台宗のお寺に婿養子に入ったから
天先蓮命って名前だったけど」
実は前世のバイト先の僧侶は安部晴明の子孫だった。
だから寺の法力と陰陽師の陰陽術を彼は使えた。
なので私はそのお坊さんから陰陽術を教わっていたのだ。
「な、安部晴明の子孫の弟子だったというのか;」
信長は意外な私のコネにびっくりしてた。
「そういう事、だからこんな陰陽術が使えるの。
お返しに喰らいなさい」
私は猛スピードで信長に急接近して拳を突き出した。
「『黄龍四神降霊拳』!!」
四神の他にその長の黄龍の霊力のオーラと共に
無数の黄金の拳が信長に襲いかかった。
陰陽術の他に全属性の魔法の力を合わせた技で
信長は吹っ飛んで地面に動かなくなった。
吹っ飛ばされた信長に拳を突き付けて私はニヤリと笑った。
「これで私の勝ちね」
「な・・・意識ははっきりしてるのに・・・動けん」
「あなたの身体の中の魂を直接攻撃したからそうなってるのよ。
数日は動けないわよ。で、勝負あったわね」
私は信長の心臓の胸辺りに拳を突き付けて勝利を宣言した。
「ふ・・・ワシの負けだ。
女子に負けるとは武士の恥、殺せ。」
ふっと笑い、潔く信長はそう言った。
「殺さないわ」
「なに?ワシに生き恥をさらせと言うのか!!」
私の言葉に激高する信長。
私は無表情で「私は殺しはしない生かす道を選ぶ」と冷たく言い放った。
「あなたを生かしておいた方が私がこの国を支配しやすいし。
それにその方がそのあなたの誇りを傷つけられるでしょ?
『生かしてこき使って調教して利用する』それがドSの流儀なのよ」
「・・・く、どえすとはかなり嫌な流儀なのだな」
信長はあまりに悔しかったのか歯を食いしばって口から血を流した。
「あなたはすでに本能寺の変で明智光秀に
負けて生き恥さらしてるじゃない」
「痛い事を言う女子だ・・・。
・・・ワシの天下統一の夢はここまでか」
私の正論に衰弱しきった表情を信長はした。
「っていうか天下統一にこだわる気持ちが分からないわ。
ムリヤリ国を奪わなくてもやりようはあるのに;
戦い以外の商売で私は天下を統一する方法取るわよ。
金に物を言わせて周りを支配してみせるわ。
その天下を側で見せてあげてもいいわよ」
私の言葉に信長はきょとんとして大笑いをし始めた。
「はははははは!!!!商売の力でか・・・。
お主は武士ではなく商人だったな。
くくく・・・・面白い。その歌舞いた精神気にいった!!
この国はお主にやろう!!」
「な!!!」
「御屋形様!!!」
織田家の家臣たちは信長からそれを聞いて真っ青になった。
「ワシはその女子に負けた。
雷森羅の国の征夷大将軍として
それは受け入れなければならぬ。
それに、この優絵殿は女だ。
ワシの息子のライを婿にさせれば織田家は続くぞ」
婿ですか?!!!;;;私、いきなり結婚させられちゃうの?;;;;
まぁ、政略結婚は戦国時代の人にとっては常套手段か;
「ち、父上!!;;;;お、俺は他に好きな人が・・・//////」
「ん?他に想う奴がおるのか?伝蔵の孫娘のお初か?
それとも『えんじぇるむ』の白い女子か?
なら、その娘たちも側室として迎え入れて
祝言をあげればよかろうに」
どうやら信長の息子には思い人がいるみたいだ。
ちらりと女中の女の子とイノーゼを見ている。
2人の女の子は顔を真っ赤にしてた。
美少年侍から好意を持たれるとはやるなあ;
それにしても側室って・・・。まあ、いいけどさ。
「だ、ダメです!!国府宮は俺と結婚してほしいです!!」
「ほう、タクも優絵殿と祝言をあげたいのか?
それなら優絵殿の側室として婿になればよかろう?
これで織田家安泰だ!!」
って鷹宮!!!
なんで、お前まで私と結婚しようとするのよ!!!
っていうか夫婦同士が側室を持っていいのだろうか?
戦国の人の価値観はよく分からないわね;;;;
「絶対ダメです!!お姉様が結婚だなんて!!!
お姉様はまだ9歳なのですよ!!」
「こ、国際間の問題なので陛下にも進言せねば;」
アルフォンスはシスコンを爆発させて
私の結婚を阻止しようと目の前に立ってガードしてる。
リイムは新たな国際間の問題に頭を悩ませているようだ。
「お嬢様、結婚おめでとさんやでw」
「結婚か~素敵ですねw」
フロドとミーロはお祝いムードで私を祝福している。
「あらら;お嬢様、どうする?」
「ま、気長に考えるわよ。結婚か・・・ま、先の話だけどね」
ウィキに言われて、まあ、なるようになると気楽に考える事にした。
「めでたいな。
では、『えんじぇるむ』の国の殿様と優絵殿の父上に会わねばな。
はははは!!ん?な?
わ、ワシの『雷神丸』の刀がない!!」
お祝いムードの中、信長の刀がどこかに消えた。
信長が弾き飛ばされた時に刀もどこかに飛んだのかしら?
信長は家臣に命じて探し出すよう命じた。
ごごごごごご・・・・。
すると地響きが鳴り、光の柱が立ち、
杏槌城の横に
150メートルはあるであろう2本角の巨大な紫の鬼が現れた。
その鬼の肩に野田が乗ってた。
あ、イノーゼの額からティアラが消えてる。
野田は『雷神丸』の刀を持って
『光のティアラ』を被っている。
野田がどうやら盗んだようだ。
「な、野田・・・!!!まさか、謀反か!!
明智のように裏切るというのか?!」
「御屋形様・・・。いや、信長。
ここまで女の子供にやられるとは情けない。
そんな、弱い主はいらないのですよ。
だから、小生は離反させていただきます」
「な、なんだと!!!」
突然の野田の裏切りに信長は激高し血管の切れる勢いで怒った。
「小生があんたに従っていたのは
『雷神丸』の力がほしかったからね。
元々、織田家は雷の大精霊を守護に持つこの世界出身の一族だったんだ。
だから、一族をこの世界に招いてこの島に眠る
『雷神丸』の封印を解かせて
奪い取る機会をうかがってたんだ。
あ、ついでにこのティアラももらってくよ。高価そうだし」
どうやら始めからアイテムを盗む目的で信長に野田は従っていたようだ。
「あああ!!!我が国の秘宝のティアラが!!」
「この人でなし!!!」
エンジェルム王国の宝である『光のティアラ』も盗まれ
リイムは真っ青な顔をした。
信長の息子も野田に激高して叫んだ。
「あ、そうかもね。小生、魔族だし」
そう言うと野田はお面を取った、黒の髪に赤い瞳をしている。
しかも、くるくるしたヤギみたいな2つの角が生えてきた。
「魔族だったのか・・・!!!
く、俺でも気づかないとはかなりの使い手か」
ウィキの力でも正体を見抜けないとは野田はかなりの実力の持ち主のようだ。
「はははは・・・!!小生のホントの名前ははノヴァエビル。
魔族の国『ニブルヘイム』大六魔騎士の1人。
あ、今頃、エンジェルムも同じ
『森羅雷鬼』に襲われてるかもね。
ま、どうでもいいけど。
さ、じゃあこいつらを始末してさっさと終わらせるか」
野田もといノヴァエビルの言葉に王都も同じ巨大鬼に襲われてるらしい。
ヤバい;王都の守りはウンディーネたちに任せてあるけど大丈夫かな?
そんな事を考えているとノヴァエビルが巨大鬼を使って襲いかかってきた。
混乱する織田家の人々と私たち。
ここを何とか乗り切ってティアラと刀を取り戻さなければならないわ!!
私たちは巨大鬼に向かって攻撃を開始した。
つづく
ユーエリアに婚約者が出来ましたw
しかも、イノーゼとお初ちゃんも含めて雷信は嫁にするらしいw
鷹宮もユーエリアの側室の婿になるみたいだし;
なんか、一気に恋愛関係が複雑になったね;
それはそうと、野田もといノヴァエビルが本性を見せました。
刀とティアラを奪われて、巨大鬼も出現してどうなることやら?
次回に続きますw