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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
雷森羅国の侵攻編
58/126

第46話:織田信長との対面と決闘

<ユーエリア視点>


「起きよ」


誰かの声がする・・・。


「・・・起きよ!!」


はっ!!私が目を覚めると目の前にはちょんまげを結った若い男がそこにいた。

周りは何だか時代劇のお殿様が出てきそうな雰囲気の部屋だった。

上座の席でひじを突き閉じた扇子を持ったその若い男がいた。


「やっと目覚めたか。

 さて、この杏槌城あづちじょうに潜入した曲者くせものたちよ、

 歓迎するぞ。特にその金髪の小娘」


なんか偉そうなのでたぶん雷森羅ライシンラ国のトップだろう。

あ、私、警戒しようにも縛られてる。

しかも、みんなも縛られて武器も取られてるみたいだし。


「あの?あなたはどちらさんですか?」


「ほう、この状況でワシが何者か冷静に聞くこの豪胆さ。

 歌舞かぶいておるな。

 ワシの名は織田信長おだのぶなが

 雷森羅ライシンラ国の征夷大将軍せいいたいしょうぐんだ。」


は?織田信長ってあの戦国時代の大スターの?

そういえば、教科書の絵に似ているような;


「え?天下布武てんかふぶしたり。

 楽市楽座らくいちらくざしたり。お寺を焼き討ちしたり、

 戦国一の美人の姫のおいちかたの兄だったり、

 本能寺で死んだあの信長?!」


私は思わず驚いてそう叫んでしまった;


「なぜワシの事を知っておる?;

 ワシの過去は数人しかこの世界に来てから話しておらぬのに;」


信長は絶句してそう聞いてきた。


「・・・」


私は黙った。


「答えよ!!」


信長は怒って私を睨みつけた。

歴史通り信長は苛烈な性格なようだ。


御屋形様おやかたさま・・・待ってください。

もしかしたら俺の国と同じ場所から来たのかもしれません」


忍者服を着た若い男がそう言った。

同じ場所??


「タク、お前と同じ日ノ本の国の未来から来たというのか?この娘が」


「恐らく・・・」


日ノ本の未来?忍者服の若い男は現代日本からのトリッパーなのかな?

信長に聞かれ忍者服の男が黙った後、


「・・・もしかしてお前、国府宮こうのみやか?」


「・・・!!!!」


私は前世の苗字を言われて驚いた。

なんで、私の前の苗字を知ってるのよ;

私の反応を見て忍者服の男がさらに口を開いた。


「やっぱり;俺は鷹宮拓海たかみやたくみだ。

 同じ稲東高校いなとうこうこう2年3組の!!」


鷹宮たかみや?;あの万年テスト2位の自称神童なナルシストの?;」


思い出した!!!こいつ同じクラスメイトの鷹宮たかみやだ!!!!

忍者服に変わってるから気が付かなかった。


「ナルシストは余計だ・・・。やっぱ国府宮こうのみやなんだな;」


私の言い様に鷹宮たかみやはがっくりした。


「お姉様はエンジェルム王国の貴族です!!

 そのヒノモトの国の人じゃありません;」


「王国の貴族の公式記録でもユーエリア様は

 アークレイ伯爵家で生まれたとなっています」


アルフォンスとリイムが私と鷹宮たかみやの会話を聞いて

パニックになってた。

ああ、説明がめんどくさいな;;;;


「・・・転生者だからじゃないか?昔の姿とは似てないし」


「て、転生者・・・?」


「そんな事が現実にあるのですか?;」


鷹宮たかみやの言葉に絶句するアルフォンスとリイムだった。


「ははははは!!!輪廻転生が本当にあるとはな!!

 国府宮こうのみや・・・。聞いたことあるぞ。

 尾張にある神社だったな。

 そこの娘巫女なのか?」


「そうよ。私の前世の名前は国府宮優絵こうのみやゆうえ

 国府宮神社こうのみやじんじゃの娘よ」


「「「「「・・・・!!」」」」」」


信長に言われたので素直に白状した。

私の告白にみんな驚愕していた。


「くくく・・・そうか。我が故郷の者だったとはな」


信長は嬉しそうに私を見つめた。


「日ノ本の尾張の民として歓迎するぞ。

 ・・・のう?優絵とやら?

 ワシはこの世界を天下統一する気でおる」


と信長は野望を語りだした。


「30年前、ワシは本能寺で明智光秀に謀反を起こされ、

 そこにいる菊林忍軍の頭領とうりょう

 伝蔵の手引きで命からがら逃げ出した」


どうやらさっき私たちを捕まえた

忍者のおじいさんに信長は助け出されたようだ。


「とある村に逃げ落ち、この野田海老留のだえびるなる者と出会った。

 野田は妖術や陰陽術などの使い手で異なる世界に行こうと誘われた」


鬼の仮面を付けた怪しい若い男がこの世界に来るきっかけだったらしい。

・・・世界を行き来できるのかしら?

なんか見た目通りの年齢じゃない覇気を感じるわ・・・。

野田は静かにうなづいた。さらに信長は続ける。


「さらに野田から若返りの秘薬を受け取り

 ワシは全盛期の若さに若返って今も維持しておる。

 そして逃げ落ちた村の者どもと共にこの世界に降り立ち

 流れ者の民も集め雷森羅ライシンラの国を30年かけて作り上げたのだ。

 そしてこの世界の者を妻にめと

 雷信らいしんが生まれ跡取りもできた。

 妻は若くして死んでしまったがな。

 あとはこの世にワシの大帝国を築くのみ!!」


信長の歴史の裏エピソードを聞かされ私は「なるほど」と納得した。

この野望に満ち溢れた表情、織田信長は本物の織田信長らしい。


「優絵よ。ワシの国に来ないか?

 さすれば雷森羅ライシンラ国に

 お主の前世の実家に劣らない神社を建てて巫女として迎えよう」


なんと信長からヘッドハンティングの誘いを受けた。

だけど・・・。


「・・・私、強い人でないと下に付く気ないのよね」


「なに?」


私の言葉に訝しげに信長は睨んだ。


「私以上のお金と美貌と権力と血筋と武力を持った奴でないと仕える気ないわ。

 強いて言うなら神ぐらいでないと無理ね。

 それに私は誰かに使われるより使う方が好きだし」


私の言葉に信長は大笑いした。


「神と同じぐらいの奴でないと付かないと申すか!?

 ははははは!!!ワシは征夷大将軍せいいたいしょうぐんだぞ?

 ワシもそれぐらい持っとるわ!」


信長は自信があるのかニヤリと私に笑いかけた。


「・・・試してみます?」


「何?」


私はある提案を信長に持ちかける事にした。


「私と決闘して勝ったらあなたの下に付きましょう。

 さらにエンジェルム王国も差し上げましょうか?

 けど、私が勝ったらこの雷森羅ライシンラ国をいただくわ」


「「「「「「・・・・!!!!」」」」」」


「国を賭けると申すのか?

 たかが小娘のおぬしにそんな力があるとでも?」


私の提案に一同絶句し、信長は疑いの表情を向けた。

まあ、私はただの小娘にしか見えないから国を動かせるように見えないものね。


「エンジェルム王国の経済は

 ここ数年で完全に私のユーエリア商会が支配したわ。

 私がいなくなれば王国の経済は瓦解して国が滅びるでしょうし。

 賭ける価値は十分あると思うけど」


実は商業ギルド長を買収して商業ギルドはまるごと下僕化してあるのよね;

(表向きは商業ギルド長のポストはそのままだけど)

商業ギルドは私の手の中にある。なので王国の経済界は私の物。

貴族たちの弱みもここ半年で握れたしw

着実にエンジェルム王国の裏の支配者になりつつあるw


「な、そ、そんな事が・・・;;;;」


「「・・・!!!!」」


「もうすでにお嬢様の国と化してるよな;」


「お嬢様、我が道いっとるな~;;;;」


「・・・すさまじいわね」


「ユーエおねえちゃんはすごいの?」


リイムは王国の現状に驚き、アルフォンスとドーソンは唖然とし。

ウィキはため息をつき、フロドとミーロは諦めモードだった。

イノーゼはよく分かってないようだった。

雷森羅ライシンラ国の者たちもびっくりして私を見てる。


「ふふふふ。恐ろしい女子おなごだな。

 おぬしが『ゆーえりあ商会』のあるじだったとはな。

 良かろう!!国盗くにとりを賭けて死合しあい受けてやろう!!

 誰か刀を持ってまいれ!!」


信長は刀を使用人から受け取りニヤリと笑った。

こうして、国を賭けた、信長VS私の決闘が決まったのであった。


こうして、杏槌城の下の練兵場で信長と私の決闘が行われる事になった。

私の縄も解かれ

服も動きやすいジーンズとシャツ(ユーエリア商会で発売中)に着替えた。

仲間たちも縄を解かれ、武器も手元に戻されて決闘を見守っている。

信長の家臣たちも決闘を見守りに来て多数のギャラリーができていた。

刀を抜き構える信長が私が武器をもってないのに気が付いた。


「おぬしは刀を使わないのか?」


「いえ、私は徒手空拳としゅくうけんで十分です。このように」


ドカッ!!!


「「「「「なっ・・・!!!!」」」」」


私がそばにある大岩を砕くと信長を含めみんなに驚かれた;


「ふふふふ、面白い。死合しあいのし甲斐があるようだな。

 では、参るぞ!!『流水りゅうすい』」


決闘が始まり信長が刀を抜刀して切り掛かって来た。

その流れるような立ち筋に天下人に届きかけたスターだと感心した。

けれど、私はそれを避けて拳で信長を思いっきり殴った。


「やるな!!」


信長も拳を受けて私をただの女ではないと感じ取ったようだ。

剣技の『流水りゅうすい』で信長は気配を出さずに切り上げた。

それを避ける私。


「では、これならどうだ?『牙追きばおい』」


信長が上段に刀を構え鋭い突きが襲う。

まるで、某明治の剣客漫画の警察官みたいな突きだ。

私をそれをカウンターで避けて殴る。

それを避け、さらに刀で信長は襲いかかってきた。


「『円流えんりゅう』」


信長は円を描くように切り掛かった。

まるで月のような華麗な剣筋だった。

しかし、戦い慣れてる私には通用しないわ。

距離を取って睨み合う。


「この剣術は織田真流抜刀術おだしんりゅうばっとうじゅつといって

 この世界に来てからワシが編み出した流派じゃ。

 この程度はまだまだ序の口よ!!『強牙きょうが』!!」


信長は神速の勢いで私に急接近して鋭い突きをしてきた。

しかし、私は指に魔力を通して信長の刀を二本の指で受け止めた。


「「「「「「「「なに!!!!」」」」」」」」


「刀を指で受け止めただと!!」


私の所業に驚く一同、信長も唖然としている。

これだけじゃ終わらないわよ。


「『神拳波連散しんけんはれんざん』」


その隙に全属性の黄金の魔力を通した数百発のパンチを信長にくらわせた。

信長は吹き飛ばされ地面に激突した。


「・・・父上!!!!」


「きゃああああ!!!」


「す、すげえ!!」


「まさか御屋形様おやかたさまを地に伏せるなど・・・!」


信長側の人物であろう、信長の息子と使用人の女中の娘が叫び声をあげた。

純粋に決闘の激戦に驚く鷹宮たかみや

忍者の頭領とうりょうの伝蔵も驚愕していた。


「くくくく・・・」


すると、信長は笑いながら立ち上がった。


「父上!!」


御屋形様おやかたさま!!」


信長がまだ戦える様子に希望を見出す織田の者たちだった。


「まだまだワシはその程度では倒せぬぞ!!

 死合しあいはこれからじゃ!!」


信長は中腰に刀を構えてやる気のようだ。

私もファイティングポーズを取って戦う意思を見せた。

まだまだ戦いは続きそうな気配がしてきた。

そうでなくてはおもしろくないものねw

私は柄にもなくわくわくしていた。


つづく


ユーエリアが転生者だとあっさりバレましたね;;

そして、なぜだか信長と決闘する事に;

信長の剣術は某明治の剣客漫画に似ていますw

さて、バトルの行方は?

次回に続きますw

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