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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
雷森羅国の侵攻編
55/126

第43話:王都入り口での戦闘

<キラ視点>


医療テントで怪我をした若い女の人から迷子のお子さん

(トムくんという名前らしい)を探すよう頼まれました。

なので、ハイにゃんと一緒に戦場から港全域にいたるまで

探しましたが見つかりません。

ちなみに戦場はかなり激戦で敵の攻撃を避けるのが

精いっぱいでかなり怖かったです。


「どこにトムくんはいるのでしょう?」


「こんな時はユーエたんのアイテムに頼るにゃw」


するとハイにゃんはカバンからピンクのステッキを取り出しました。


「ハイにゃん、これは何ですか?」


「迷子ステッキくんにゃwこれで迷子になった人を探し出せるにゃw

 これを倒して倒れた方向にトムくんはいるにゃw」


ハイにゃんはそう言うとその迷子ステッキくんを倒すと

どうやら王都の入り口ほうにいるようです。


「もしかしたら王都のほうに避難しているかもしれませんね」


「でも王都の入り口は結界で封鎖されてるから入れないにゃ」


そうでした;敵が入ってこないように

ユーエ先生方が王都の入り口を魔道具の結界で閉じていたんでした。


「困ってるかもしれませんからその王都の入り口に探しに行きましょう」


「にゃ~w」


僕たちは港に繋がっている王都の入り口に行く事にしました。

門より少し前の辺りでうずくまっている子供を見つけました。

あれがトムくんなのでしょうか?

とんがり頭なので特徴は似ています。


「トムくん?」


僕が話しかけるとトムくんは顔を上げて僕を見つめていました。

しかし、何か様子が変です。

目の焦点が合っていないような・・・。


「キラたん!あぶないにゃ!!」


「!!」


いきなりトムくんが小さなナイフで襲いかかってきました。

な、どうして?!

僕とハイにゃんは必死に避けました。

日ごろの訓練の賜物で先生方に感謝しなければなりませんね。


「トムくん!!聞こえないのですか?!

 しっかりしてください!!」


「にゃ~;なんか誰かに操られているようだにゃ;」


催眠の魔法でも掛かっているのでしょうか?

正気を失っているようでトムくんは僕の言葉が聞こえてないようでした。


「あ?何かトムくんのお腹に変な模様が書いてある紙が貼られているにゃ」


「光ってますね;あれが催眠の魔法の核なのでしょうか?」


ハイにゃんの指摘で見るとトムくんは紙の魔法で操られているみたいです。

あれで操られているのでしょうか?

でも、あまりにトムくんが素早過ぎて、

どうしたら正気に戻せるんでしょうか?


「あ!!」


「キラたん!!」


ナイフを避ける時、足を絡めてしまい僕はつまずいてしまいました。

トムくんのナイフが迫ります!!


ガキン!!


僕が恐る恐る上を見上げるとリックくんが盾で

トムくんのナイフを防いでいました。


「リックくん!!」


「なんでキラがこんなとこに?;

 まあ、いいやこの子供をなんとかすればいいんだろ?

 ノッレ!!」


「うん!!『ブロックバレット』!!」


ノッレちゃんが岩の魔法を飛ばし横の木の上に向かって撃ちました。

すると、黒ずくめの変な服の男の人が気絶して木から落ちてきました。


「こいつがこの子を操っていたのね」


そうノッレちゃんが言って黒づくめの人の持っていた紙を破りました。

するとトムくんの紙も破れてトムくんも気を失いました。


「よかったです」


「よかったにゃw」


僕はトムくんを気絶した背負いました。

早くお母さんのところに届けなければなりません。

医療テントに帰ろうとしましたが誰かに呼び止められました。


「待て!」


「誰ですか?」


「怪しいにゃ;」


「木から落ちた奴と同じ服だな」


「って事は敵って事ね」


いきなり現れたのは黒づくめの怪しい変な服の人たちでした。

変な形のナイフも持ってます。

あの、丸い紙の珠はなんでしょうか?紐も付いてますし。


「ふふふふ・・・我らは菊林忍軍。

 織田信長様の忠実なるしのびなり!!

 見えない壁をこれから破壊する!!

 貴様らは黙って見ているがいい!!」


そう変な人は言うと丸い紙の玉の紐の部分に火を付けました。

じじじじ・・・と変な音がしています。

それを王都の入り口に複数投げました。


ドカアアアアアアアアン!!!!!


すごい音がしました。

あれは大砲の玉と同じ系統のものだったようです。

そういえばユーエ先生がバクダンっていうものがあるって言ってましたね。

もしかしてそれがそうなのでしょうか?


辺り一面爆発の煙が漂っています。

しばらくして煙が晴れました。


「よしっ。通るぞ」


そう言って変な人達は王都に向かって歩こうとします。


「・・・!!!なんで通れんのだ!!

 見えない壁が壊れておらん!!!」


どうやら結界は破壊されていないようです。門も無事でよかったです。

変な人達は混乱しているようでした。


「商会で開発した魔道具は伊達じゃないもの」


「ライシンラの奴らが攻めてくる前に必死に設置した甲斐があったな」


どうやら結界の魔道具はノッレちゃんとリックくんが設置したみたいです。

この魔道具はオリハルコン製で地面に埋没式になっていて

埋め込んで発動するので壊れにくいのです。

さすがユーエ先生とウィキ先生の魔道具ですねw


「お前らがこの透明な壁を作ったのか?

 そのお前らの胸にある銀色の奇妙な形の留め物の紋所。

『ゆーえりあ商会』という商屋の紋だな?」


僕らが付けているユーエリア商会幹部バッチを

怪しい人のリーダーが見て

僕たちがユーエリア商会の人だと気づいたようです。

ちなみにそのバッチは銀でできていてハートに

Uってマークが付いている形をしています。


「当初、ひ弱そうな男が商屋の者であると調べて分かっていたからな。

 その男を捕まえて見えない壁をどかせる方法を聞こうと思ったがしかたない。

 ぬ、ならお主らをまとめて拷問して壁を退かせる方法を探るとしよう」


ひ弱そうな男って僕の事ですか?;;;;ヒドイです;

これでもみんなと特訓して鍛えているのに;

なんて考えていると怪しい黒づくめの男たちが僕たちに襲いかかってきました。


「そのひ弱そうな男はイジメになるので討つのはやめろ。

 情けも忍道にんどうだからな!!」


僕はなぜか除外されているようですね・・・;

イジメってそんなに僕弱そうですか?;;;


「「「「「『影分身の術』」」」」」」


怪しい人たちは何十人に増えて襲いかかってきました。


「アンナの奥義みたいに増えやがった!!」


「でも、何か変よ」


リックくんが分身した人を剣で切っても

実体が無いようにすり抜けてしまいます。

するとリックくんとノッレちゃんが怪しい人たちの攻撃を

避けながら何かに気づいたようです。


「『ニードルウエイク』」


ノッレちゃんが土の魔法で隆起させて怪しい人たちを攻撃しました。

あ、大勢いた人たちが元に戻ってます。

怪しい人達は手足を土の突起で串刺しにされて動けないようです。


「本物だけは地面に影ができているからすぐ分かったわ」


「うぬぬぬ・・・。影分身の弱点をすぐに見抜くとは。

 ただの幼子おさなごではないな」


「私はこれでも18歳なの!!!」


悔しがる覆面をした黒づくめの怪しい人のリーダーに

ノッレちゃんは失礼ねと怒ってました。


「なるほど見た目通りの歳ではないのか・・・。

 妖怪のたぐいなのか・・・。

 ならば実力もありそうだな。

 俺は菊林忍軍の土居服助どいふくすけ。本気で相手いたそう」


するとドイが変なナイフを持ってリックくんたちに襲いかかってきました。


「はははは!!菊林忍軍の中でも足の速さは忍軍一。

 クナイの味、とくと思いれ!!」


ドイが素早い動きでクナイっていうナイフで襲いかかりました。

リックくんもノッレちゃんをガードして剣で切りかかりました。


「・・・!!なに!!木?」


「『変わり身の術』だ!!貴様の剣は甘いな!!」


「・・・!!」


ドイを切ったと思ったらそれは木の丸太に変わっていました。

その隙にドイがクナイでリックくんの首を切ろうしましたが

ギリギリ少し切られただけで助かりました。でも血が流れています。


「ちっ・・・!!!」


「首を取り損ねたか・・・。

 しかし、動きは鈍っているようだな」


リックくんが身体を動かすと首から血が流れて動きが鈍っているようです。

ドイがクナイを持ってまたリックくんを切ろうとしましたが

しかし、紙一重でリックくんはそれを避けています。


「血を流しているのにその動き・・・やるようだな。

 なら、陰陽術式神『ガマ太郎』召喚!!」


ドイは紙を取り出してそこから巨大なガマガエルを召喚しました。

もの凄い5メートルはある巨体の上にドイは乗りました。

そして大ジャンプしてリックくんたちを踏みつけようとしました。


「のわっ!!カエルの化け物かよ!!」


「押しつぶされたらトマトにされるわ!!」


「カエルこわいにゃ~」


「・・・カエルで圧死なんて嫌な死に方したくありませんね」


無差別に襲いかかるカエルのジャンプを避けていると

次にカエルは舌をムチのようにして叩いてきました。


「舌で叩かれるなんてベトベトしているから嫌ね」


「たしかにキモいよな」


そう言いつつリックくんとノッレちゃんは舌から避けていました。


「気持ち悪いから反撃させてもらうわ!!

 『サンドスピアー』!!」


ノッレちゃんは硬化した砂の槍でガマガエルの足を貫きました。

カエルは動けなくなり効いているようです。


「今だ!!『前転回舞剣ぜんてんかいぶけん』」


リックくんも剣でジャンプしながら縦に回転して敵に切り込みました。


「『虚空剣こくうけん』、『獅子牙喰斬ししがくざん』、

 『双牙波進斬そうがはしんざん』!!」


上空に切り上げ、さらに斬り下ろし、

とどめに2つの大きな斬撃をカエルに仕掛けました。

怒涛の連続攻撃にカエルもかなり傷を受けたようです。

しかし・・・。


「うおっ!!」


「きゃっ!!」


ガマガエルは舌を2つ伸ばしリックくんとノッレちゃんを捉えました。

そして呑みこんでしまいました。


「ふっ・・・たわいない」


ドイはつまらなそうにそう呟きました。


「リックくん!!!!ノッレちゃん!!!」


「いやにゃああああああああ!!!!!!」


僕とハイにゃんは目の前の惨状に叫び声をあげました。

あまりの2人の最後に僕は絶望して座り込みました。


「さ、ひ弱そうなのを捕らえて見えない壁をどかせる方法を吐かせるか。

 ん?ガマ太郎?どうしたんだ?」


するとガマガエルがどんどん身体を風船のように膨らませていきます。


パンッ!!!!!!


そして水と砂が中から飛び出しガマガエルが破裂しました。

ドイも弾き飛ばされて地面に激突しています。


「リックくん!ノッレちゃん!!」


「無事だったにゃ~!!」


ガマガエルの残骸の中から2人が出てきたようです。

口には5cmの超小型の酸素ボンベ

(風魔法の魔法陣の印刻のおかげで呼吸ができる)を咥えています。

あ、それでカエルの中にいても呼吸ができたんですね。


「な、なぜだ?なぜ、ガマ太郎が破裂したのだ?;」


「それはこう言う事」


「ね」


ドイの問いにリックくんは手から水を空中に出し、

ノッレちゃんは砂を空中に出してました。

水と砂の魔法で膨らませてカエルを中から破裂させたんですね。


「よ、妖術ようじゅつか!!」


「違うわ!これは魔法よ!!」


「その力よく喰らっとくんだな」


「「『アクアサンドコンクリート』!!」」


リックくんとノッレちゃんは周りの水と砂を操って

砂と水を魔法で出して、

それを錬金術の変質をしてコンクリートに変化させて

ドイの足を固定して動けなくさせました。


「う、動けん・・・。

 がっ!!」


そしてその隙にリックくんが手刀で首筋を叩きドイを気絶させました。

そして怪しい黒づくめの人達を魔法のロープ改

(強度がオリハルコン並みで解けない)で縛りました。


「リックくん!すぐ、首治しますね」


「あ、そうか首、ケガしてたんだった」


僕は造血剤とハイポーションをリックくんに飲ませました。

すぐ、首の傷が塞がっていきます。

流れた血もすぐ造血剤で回復するでしょう。


「ぬ・・・。俺はやられたのか;;;」


ドイは気が付いたようでロープで縛られた身体を

動かしましたが動けないようです。


「く・・・俺も腕が鈍ったようだな。

 しかし、えんじぇるむの都の別の入り口に他の忍者も向かっている。

 今頃、突破されて都の中にいる事だろう。くくく」


怪しい人たちが他にもいるんですか?!

だったら、他の入り口にも行かないと大変な事になります;;


「あ、それは大丈夫にゃ」


「なに?」


「ハイにゃんの村の仲間の水猫たち全員にも王都のそれぞれ入り口に

 見張っとくよう頼んどいたにゃw

 だから安心にゃw」


ハイにゃんの仲間たちが王都の入り口を守っているみたいです。

いつの間に頼んでおいたのでしょうか?


「あ、ハイにゃんにゃ~!!」


「こっちの北門、西門、南門の怪しい奴は捕まえたにゃw

 そっちの東門も片付いたみたいにゃねw」


「他の水猫たちも引き続き見張ってるにゃw」


「テツにゃん、ケンにゃん、ユキにゃん、ありがとにゃw」


二足歩行の鉄のしっぽをした猫と緑色のしっぽの猫と白いしっぽの猫が

怪しい奴らを纏めて縄で縛って引きずってこっちに来ました。

どうやらハイにゃんの仲間みたいです。


「よ、妖怪を仲間にしていたのか;;;

 く、しかし、

 今頃、海の方で『森羅雷鬼しんららいき』が暴れているはず。

 あの式神がいれば我らの勝ちは揺るがないはずだ!!」


「ガマガエルみたいなのが海の方にいるのかしら?;」


「だったら早く戻らないと!!」


ドイの言葉を聞くと港がピンチらしいです。

リックくんとノッレちゃんは急いで港の方へ向かいました。


「ハイにゃんはテツにゃんと怪しい奴らを騎士団に引き渡すにゃw

 ケンにゃんとユキにゃんはここの門を守っていて欲しいにゃw」


「「わかったにゃw」」


どうやらハイにゃんと鉄のしっぽの猫は黒い服の怪しい奴らを

騎士団に引き渡すみたいです。

緑色のしっぽの猫と白いしっぽの猫は王都の入り口を

そのまま守ってくれるみたいです。

緑色のしっぽの猫と白いしっぽの猫はなんか槍を持ってカッコつけてました。

なんかかわいいです。


「僕はトムくんをお母さんの所に連れて行かないといけませんね」

 

僕をトムくんを背負って医療テントに戻りました。


「ありがとうございます!!!(感涙)」


「いえ、困った時はお互い様ですよ」


トムくんをトムくんのお母さんの所に連れて行くと、

トムくんのお母さんはトムくんの無事を喜んでいました。

ちょっと衰弱してるみたいだけどトムくんはすぐ治ると思います。

僕はハイポーション作りに戻りましょう。

怪我している人たちは待ってくれませんからね。


つづく


無事、キラはトムくんをお母さんに届ける事ができましたw

しかし、王都にはなにやら何かが迫ってるみたいです;;;

果たしてどうなる事やら?

次回に続きます。

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