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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
雷森羅国の侵攻編
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第41話:エンジェルム王国の防衛会議とその頃のイノーゼ

<ユーエリア視点>


イノーゼが謎の着物侍少年と忍者軍団に連れ去られてしまった。

奴らの目的はエンジェルム王国の侵略らしい。

なので何とかしてもらおうと王様に謁見した。

国が動く事態なので王様だけでなく王家の人達や騎士団長たちにも

エンジェ城の一室の会議室に集まってもらい、事の事態を説明した。


「イノーゼちゃんが!!イノーゼちゃんが!!」


第一王女のエリザベス様はイノーゼが誘拐されたショックで泣き叫んでいた。


「エリザベス、落ちつきなさい。きっとその子は取り戻してみせますから」


王妃のリリアーヌ様はとりみだすエリザベス様をそっと慰めた。


「しかし、そのイノーゼ殿だけではなく光のティアラまで盗まれるとは・・・」


王様のリムニスタ陛下は国宝のティアラまで盗まれた事に頭を悩ませていた。


「あれは数十億イエンの価値のある王家に代々伝わる宝ですからね・・・;

 敵がその価値に気づいたらやっかいですよ;」


第一王子のリチャード様もそのティアラが盗まれた事を

ヤバいと感じているようだった。


「ティアラもイノーゼも大変だけどさ・・・;戦争も始まるんじゃないか?」


第二王子であるセドリックことリックも始まる戦争の気配に戦慄していた。


「ふむ、我が国を攻めてくるのなら防衛をして叩きつぶすのみだ!!

 エンジェルム王国を侵略者の手に渡すわけにはいかないからな」


陛下は真剣な表情をして国を守る決意をした。


「赤の騎士団の情報によるとライシンラの国の軍は

巨大な鳥に乗って空から攻めてくるようです」


「あの少年が乗ってた奴と同じ鳥ね;;;」


「しかし、王国では空を飛んでいる敵と軍は戦った事はないな;」


赤騎士団長リイムの報告を聞いて青の騎士団長のレイルと

緑の騎士団長ジークハルトが顔を曇らせた。

王国では空を飛ぶ空軍がないのである。

だからそういう敵とは王国は戦った事が無いのだ。


「そのライシンラの国の軍はどのくらいるのだ?」


「およそ一万かと・・・」


陛下の問いにリイムは静かに答えた。


「王国の総軍の人数は三万人・・・。

 だけど、空から来る軍の力が未知数よね;」


「恐らく、五分五分の戦いになりますね」


レイルの言葉にリイムは戦いの行方は五分で互角になるだろうと予想した。


「私もその敵が使っているような鳥の力が使えます」


「真か!!ユーエリア殿!!」


私が式神が使える事を知ると陛下は驚いていた。


「しかし私の力では十数名が乗れるにとどまります」


「軍全体がそれに乗って戦うには足りぬか・・・;」


私の霊力ではそれぐらいしか式神が作れない。

軍全体が空中戦をするのには足りないのだ。

それを聞いて陛下は悔しそうにしていた。


「でも少数精鋭ならその鳥に乗れるわね。

 少しでも優位に戦えるわ」


「しかし、圧倒的数に押されたらやられるのではないか?」


「うっ・・・;」


レイルの言葉にジークハルトは懸念を返した。

言葉を詰まらせるレイル。


「それに空の敵と戦うには魔法が必須です。

 空中戦で敵を撃ち落とすにも雷魔法や風魔法を使う魔道師の数が足りません」


攻撃魔法を使う魔道師は実は貴重で初級魔法でも使う人は軍の半数ぐらい。

その中でも雷魔法と風魔法は2、3割ってところだった。

リイムは自軍の魔法を使う兵の弱さにため息をついた。


「敵も妙な紙の魔法を使ってくるみたいだし・・・;

 困ったわね」


「敵もそれなりに魔法が使えそうだよな;」


「・・・かなり苦戦しそうだな;;;;

 空中戦に持ち込まれたら頭打ちか・・・;;;」


レイルやジークハルトや陛下もそれを聞いて苦い表情をしていた。

みんな絶望しかけたその時、私は口を開いた。


「まだ、希望があります」


私はそう言って、ある図面を会議室のテーブルに広げた。


「これはなんだ?ユーエリア殿?」


「これはユーエリア商会の秘密兵器、

 魔道式巨大大砲ファイヤーボルトくんです」


魔道式巨大大砲ファイヤーボルトくんとは

それは魔道式巨大大砲ファイヤーボルトくんだった。

大砲自体に雷と火と水3種類の魔道石を合成し(魔道石を合成し自作できた)

それは大砲の砲身の玉座に空気中の強大な無の魔力を圧縮し

3種類の属性に変化させ砲撃ができる魔法陣を大砲内部と玉座に印刻してあり。

空気中の魔力を使う魔法はウンディーネから教わり、

自己流で魔法陣の式を組み立てた。

雷、火、水の3種類の魔法の砲撃ができる優れ物です。

ちなみに少しの魔力をこめるだけで誰にでも撃てます。

以上の説明をするとみんな目を輝かせていた。


「おおお!!!これはすごい!!」


「これなら空中にいる敵も撃ち落とせるわw」


「新兵器ですか・・・。

 これなら攻撃魔法が撃てない兵でも動かせますね」


「これだけ複雑な魔法陣見た事ないぞ」


陛下と3人の騎士団長は魔道式巨大大砲ファイヤーボルトくんの

図面を見て驚愕した。


「まだ試作段階ですが私とそこにいるウィキで開発しました」


「魔法陣の作成には苦労しましたがこれで戦いは楽になるはずです」


私がウィキを見ると褒められて若干照れているようだった。


「我が娘と使用人がすごい天才だと改めて実感したよ」


「ユーエリアさん・・・;あなたの頭脳はすさまじいですわね;」


「お嬢様の頭の中身が見てみたいです」


一緒に謁見に来ていた父グレンと義母ドヌーブと

筆頭執事のカイルも驚いていた。

・・・大砲自体地球のを参考にしたんだけどね;


「あ、ちなみに普通の小さいサイズのミニファイヤーボルトくんもあります」


「なんと!!ユーエリア商会の技術力は王国一だな!」


「騎士団に近々売るつもりでしたが。今回は完成していて幸運でしたね」


「これで防衛線に有利になるな」


実は普通の大砲サイズの奴も開発しておいたんだよね。

騎士団に売るつもりで兵器会社も作ったし。

私の言葉に陛下も満足そうだ。


「ならその新兵器も含めて考え王都防衛作戦会議を行いましょう」


「王都の港の防衛ラインはこの辺よね」


「騎士団の配置はどうする?」


3つの騎士団長たちも王都周辺の地図をみながら

防衛のための作戦会議を始めた。

その結果、精鋭の騎士たちには私の式神の鳥に乗る事になった。

恐らく、船でも攻めてくるだろうと思い海軍も組織して

海でも防衛する事になった。

港や船にも大砲を準備したりして。

それが決まった後も細かい作戦を夜通し話し合った。

雷森羅ライシンラ国の軍がやってくる。

国の防衛線が始まろうとしていた。


<イノーゼ視点>


わたしは大きな鳥さんに乗せられて

変な建物の中の部屋にいるように言われました。


「孤児院のワシツにそっくり・・・」


その建物の中の部屋は孤児院のワシツみたいに

タタミが敷き詰められていて驚きました。

それとドレスから変な白地に青い朝顔の模様のキモノに着替えされられました。

ちょっとお腹が布で締められて苦しいです。

ティアラがそのまま頭に乗っているからキモノとは合わない感じがする;

わたしは部屋の中でじっとしていると誰かがフスマを開けて入ってきました。


「お、お茶と・・・ご飯です」


丸い木のお盆を持った水玉柄のキモノを着た

長い黒い髪の同い年ぐらいの女の子がやってきました。

お盆には焼き魚と漬物とおみそ汁と麦飯に似た

白いつぶつぶが集まった物が乗っていました。

なんだかユーエおねえちゃんが考えたニホンショクみたいです。


ぐうううう・・・・


お腹が空いたのでお腹が鳴っちゃった;;;;

恥ずかしい;


「//////////////」


「お腹が空いてるみたいね。毒は入ってないから食べて食べて」


キモノの女の子は笑うとお盆を私の目の前に置きました。

静かにわたしはそれを食べ始めました。


「おいしい」


「よかったw」


わたしがニホンショクを食べると女の子は笑顔になりました。


「それにしてもおはし上手に使って食べるね。異国の人なのに」


「ユーエおねえちゃんに教えてもらった」


私がそう言うと女の子は「そうなんだ」と感心してた。


「ふーん、エンジェルムにもはしの文化があるんだな」


「わっ!!」


いきなり後ろから知らない男の人の声がしたのでびっくりしました。


「拓海!お客さんをびっくりさせちゃダメじゃない!!」


「ごめんごめん;びっくりさせるつもりはなかったんだけど」


女の子に怒られて後ろから黒づくめの変な服を着たおにいちゃんが出てきた。

ちなみにそのおにいちゃんも黒い髪だった。


「驚かせてごめんな。俺は鷹宮拓海たかみやたくみ

 ついでにこっちは菊林初きくばやしはつだ。」


「初めまして、わたしの事はおはつって呼んでね」


「こちらこそ、わたしはイノーゼです」


お互い自己紹介するとタクミおにいちゃんも

オハツちゃんもザブトンに座った。


「よろしくな。

 で、なんかはしの使い方が慣れているみたいだけど、

 そのユーエって子に教わったのか?」


「うん、孤児院でも『ニホンショク』が出るから

その時にオハシを使って食べるの」


それを聞いたタクミおにいちゃんはすごい驚いてた。


「『日本食』だって!!」


「うん、ユーエおねえちゃんが考えた料理ですっごくおいしいの」


私がテンプラだったりミソカツだったり、アジの塩焼きだったり

サバのミソ煮だったり料理を次々言っていくと2人とも驚いていた。


「えんじぇるむにも天ぷらがあるんだね」


「うん、しょうゆで掛けてわたしは食べてる」


「もしかしてお味噌もある?」


「うん。おミソとしょうゆもユーエおねえちゃんが作ったの」


どうやらここにも同じおミソとしょうゆがあるみたいで

オハツちゃんは驚いていた。


「まさか、そいつも俺と同じトリッパーなのか?(小声)」


「タクミおにいちゃん?」


タクミおにいちゃんは小声でなんかぶつぶつ言っていた。

わたしが声を掛けると気が付いてなんでもないって言ってたけど。


「いや、なんでもない。

 孤児院って言ってたな。イノーゼはアークレイの養女なのか?」


「ううん。わたしはユーエリア商会の従業員よ。

 アークレイのおうちの子供はユーエおねえちゃんとアルくんだけ

 ユーエおねえちゃんにはアルくんっていう弟がいるの」


「あ~。間違えて誘拐されて来たんだな;イノーゼは」


タクミおにいちゃんは頭を抱えてた。

わたしはユーエおねえちゃんと間違えられてここに連れてこられたみたい。


「そのユーエって子は俺と同じ黒髪と黒目なのか?」


「ううん、金色の髪に金のおめめをしてる」


「だったら俺と違うのか・・・。

 金の髪と目ってどっかの錬金術師かよ;」


それを聞いてタクミおにいちゃんはがっかりしてた。


「ユーエおねえちゃんも錬金術使えるよ。

 そういえば、同じような金の髪と目の

 男の子の錬金術師のお話を本に書いてたよ」


私は収納魔法で本を取りだすと2人に見せた。


「男の子とその弟の子、腕と足と身体を奪われてかわいそう・・・」


「・・・!!!」


オハツちゃんはお話を呼んで涙を流してた。

タクミおにいちゃんはぱらぱらをその本を読んでいくといきなり大声を出した。


「これまんま鋼の腕の錬金術漫画と同じ話じゃねえか!!」


タクミおにいちゃんはその本のお話を知っていたみたい。

それで最後まで読み終わると後ろの背表紙を見て驚いてた。


「作者はコーノミヤ・ジンジャー・・・

 国府宮神社こうのみやじんじゃ

 まさか・・・。

 ユーエって名前ってもしかして;国府宮こうのみやお前なのか?」


タクミお兄ちゃんはユーエおねえちゃんとお知り合いなのかな?

なんか、真剣な表情をしてなにか考えてるようだった。


「なぁ、そのユーエって子の話詳しく話してくれないか?」


「わたしも聞きたい」


タクミおにいちゃんとオハツちゃんがそう言ったので

わたしはユーエおねえちゃんの事をいっぱい話した。

オハツちゃんは興味深そうに聞いてた。

タクミおにいちゃんは何か懐かしそうにわたしの話を聞いてた。

夜遅くまでお話をして少し寝不足になっちゃったけど楽しかった。


つづく


 

鷹宮が再び登場しましたw(プロローグ参照)

どうやら異世界トリップしていたようで雷森羅国にいるようですw

戦争も近いですしどうなることやら?

次回に続きますw

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