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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
雷森羅国の侵攻編
50/126

第38話:王都の1番街でのお買い物と謎の少年登場

<アルフォンス視点>


気持ち悪く、身体をくねくねしているハイにゃんは放っといて

イノーゼに今日の予定を聞く事にした。


「イノーゼは今日は何するの?」


「ユーエおねえちゃんの誕生日プレゼントを買いに行こうと思って」


あ、そうだった!もうすぐお姉様の10歳の誕生日だった。

4月4日がお姉様のお誕生日であと10日ほどでその日が来る。


「僕もお姉様のお誕生日プレゼント買いに行こうかな?」


「うん。いっしょに行こw」


「私もお供します」


「ハイにゃんも行くにゃ~www」


こうして、僕とイノーゼとドーソンと

ハイにゃんは王都に買い物に行く事になった。

お姉様のお屋敷内には王都に一瞬に行ける『ワープポイント』がある。

銀の十字の棒の『ワープポイント』に触ると王都に行けるんだ。

少し浮いた感覚がしたら

王都の『ユーエリア雑貨店本店』の2階の部屋に着いていた。


「お姉様はこんな瞬間移動できるアイテムを作れるなんてすごいよねw」


「ユーエおねえちゃん天才」


「こんなアイテムを作れるユーエリアお嬢様はすごいですね」


「あの移動する時の酔う感覚が気持ちいいにゃw」


口々にみんなお姉様の天才さに感動しながら雑貨店の階段を下に降りて行った。

バックヤードのバイトの店員さんたちにあいさつした後、裏口から外に出る。


「どこに買いにいったらいいのかな?」


「お姉様は貴族ですからプレゼントは良い物でないと困ります」


「でしたら1番街がいいと思います。貴族専用のお店も多いですし」


イノーゼと僕がどこにプレゼントを買いに行ったらいいか困っていると、

ドーソンが貴族たちの店が多い1番街に行こうと勧めた。

勧めに従って1番街に行くと煌びやかなドレスや服を着た

貴族の紳士や淑女が歩いていて、

お店もかなり綺麗な建物ばかりでガラスのウインドーに飾られてる

商品も品質の良い物が多かった。

高級な品物を扱う店ばかりなので2番街のような露店は全くなかった。


「すごいこれが1番街・・・」


「イノーゼは平民だからこんな店を見るのは初めてだっけ?」


「うん、はじめて」


イノーゼも高級な街の様子に目を奪われていた。

僕たちは1番街を歩きまわり良さそうなお店を探した。

すると、僕はあるお店のウインドーの中に飾られている

ドレスに目を奪われていた。

流行りの光沢のあるクリーム色の布の生地にピンクのリボンと

フリルがかわいらしいドレス。

胸には大きな濃いピンク色の薔薇のコサージュが飾られていて綺麗だ。


「お姉様に似合うかもしれない」


「きれいだね」


「きれいにゃ~www」


「アル様、これが気に入りましたか?ここに入りましょう」


僕たちはそのドレスに目を奪われていた。

僕たちはそのドレスが売っているお店に入る事にした。

中はドレスだけでなく食料品や雑貨など様々な物が売っていた。


「『ユーエリア商会雑貨店王都貴族支店』へようこそ。

 お好きな商品をお買い求めください」


どうやらお姉様のお店が1番街にもあったみたいだ。

丁寧なお店のお姉さんに軽く会釈して

みんなそれぞれプレゼントを店の中に選びに行った。

僕はマネキンに飾られたドレスやハンガーに掛かってるドレスを見ていた。

赤や薄緑や薄銀やピンクなど様々なデザインのドレスを見てみる。

いろいろ見たけどウインドーに飾られているドレスが

一番お姉様に似合ってると思った。

店員の人にウインドーのドレスが買えないか聞いてみる事にした。


「ウインドーに飾られているドレスですか。

 はい、買えますよ」


「サイズは調整できますか?」


ウインドーのドレスのサイズだとお姉様には少し大きいもんね。


「はい、できますよ。少し時間を頂く事になりますが」


「10日後の4月4日までにできますか?

 お姉様の誕生日なんです」


「そうですね。特急料金をいただきますが間に合わせて見せましょう。

 ドレスの代金とサイズ調整の値段はこれぐらいで・・・」


お店のお姉さんがそろばんをはじき値段を見せてきた。

これぐらいなら僕のお小遣いで買えるね。

貴族向けのお店だからそれなりに高いお金だけど。

僕はお店のお姉さんから注文票を受け取りサイズなどいろいろ書いた。

お姉様のサイズがなんで分かるのかって?

サイズの目視は貴族のたしなみです。

(お姉様のドレスをクローゼットで勝手に見てたから)


<イノーゼ視点>


ユーエおねえちゃんは確かお茶が大好きだったはず。

わたしはお茶の雑貨コーナーに行ってお茶の葉っぱを色々選んでみた。


「いいにおい」


ケースの中にあるお茶の葉っぱの匂いをそれぞれかいでみると、

すごくいい匂いがした。

ダージリン、アッサム、アールグレイ・・・いろいろある。

その中でもジャスミンティーって書いてある

お茶のケースの中の匂いをかいでみた。


「これいいかも」


私はお店の人を呼んでジャスミンティーのお茶の葉っぱを箱に詰めてもらった。

カラフルな紙とリボンでラッピングしてもらって受け取った。

お茶っ葉だけじゃお茶は飲めないのでティーセットの

飾られているコーナーに行ってみる。


「いろいろある」


白や薄いカラフルないろいろな色の陶器のカップに

さまざまなお花などの柄が付いてる。

胡蝶蘭にチューリップや薔薇の花びらの描いてある

いろいろなティーセットがきれい。

そのなかでも白地にサクラっていうピンクのお花のティーセットを見つけた。

サクラは春に咲くきれいなお花でユーエおねえちゃんのお屋敷にも咲いてる。

ユーエおねえちゃんのイメージにぴったり。

私はそれを手に取って見てみた。


「ふーん、この国にも桜ってあるんだな」


「わ;」


わたしが慌てて後ろを振り向くと、変な服を着た黒髪のおにいちゃんがいた。

紺の変な服で下の黒のズボンもドレスのスカートみたいに長くて変だった。

靴も草でできている縄で編んだみたいなものを履いていた。


「変な服」


「変?これは着物っていって伝統的なカッコいい服だ。

 袴もカッコいい代物だし。

 お前の着物もなんか変だな。なんかひらひらしているし」


おにいちゃんのキモノって服のほうが変だと思うけど;

わたしのワンピースそんなに変なのかな?

新しいフリル付きのきれいな水色のチェックのワンピースなのに。


「むう、変じゃないもん」


「ははは。そうむくれるな。

 それ、買うんだろ?店の奴に持っていったらどうだ?」


変なキモノのおにいちゃんにそう言われて、

わたしはほっぺたを膨らませながらお店の人のいるレジに

サクラ柄のティーセットを持っていった。


「あ、イノーゼはティーセットを選んだんだね。

 サクラ柄でお姉様にぴったりだね」


「良いプレゼント選びましたね」


アルくんとドーソンさんもわたしの選んだプレゼントを見て褒めてくれた。


「にゃ~wハイにゃんのプレゼントも見てにゃ~w」


ハイにゃんは舞踏会に使う赤い仮面と赤いロウソクを持ってきた。

仮面はともかくロウソクは何に使うものなんだろ?


「これでユーエたんにロウソクプレイをしてもうのにゃwww

 仮面もユーエたんのドSさを引き立てるにゃw

 ああ、プレイが楽しみにゃ~www」


ハイにゃんは仮面とロウソクを持ってそう言ってくねくね身体を揺らせてた;


バキッ!!


アルくんは黙ってハイにゃんを殴ってた;;;;


「にゃああああ!!!今日もいいパンチにゃあああ!!!」


ハイにゃんは殴られたのに気持ち良さそうな顔をしてた;

なんで痛いのが気持ちいいんだろう?


「と、とにかくそれらを郵送いたしますか?

 誕生日の日にちまでにラッピングしてお送りいたしますので」


お店のおねえさんがそう言っていたので

わたしとハイにゃんはプレゼントを渡した。


「僕のプレゼントのドレスも一緒に郵送してください」


「では、郵送先の住所を」


「アークレイ伯爵領、アークレイ伯爵家別邸の・・・」


アルくんが住所を言ってゆくとお店のおねえさんが驚いた顔してた。


「まさか、社長のお家の方・・・?」


「それはご想像にお任せします」


そう言ってアルくんはしーってお口に人差し指を立ててた。

ユーエおねえちゃんのプレゼントは誕生日の日まで秘密にしておきたいもんね。

それでわたしたちはお店から出た。

まさか、わたしたちの会話をキモノのおにいちゃんが聞いていたとも知らずに。


お店を出た後、アルくんたちとお昼ご飯をユーエおねえちゃんのお店の

『レストランユーエリア』で食べた。

内装はおしゃれで前にユーエおねえちゃんがこういうのを

『ファミレス風』って言ってた。

丈の短いメイド服を着たおねいさんが注文を取りに来た。

わたしは『ミートスパゲッティ』、アルくんは『チーズバーガー』、

ドーソンさんは『麦飯の焼き肉定食』、

ハイにゃんは『チーズフォンデュ』を注文してた。

それぞれそれらを食べている時、

ハイにゃんが熱々のチーズフォンデュを食べてて

猫舌なのに熱さに興奮して気持ち良さそうに悶えてた;


「やけどしそうな熱さが舌にびりびりして気持ちいいにゃ~www

 あ、チーズを垂らしてもらってチーズフォンデュプレイを

 今度、ユーエたんにしてもらおうかにゃwふふふふふw」


「お姉様にそんな事させて汚すな!!!!」


バキッ!!!


「にゃああ!!!今日もクリーンヒットにゃあああ!!!」


また、アルくんがハイにゃんを殴ってた;

さらに、熱々のチーズが掛かったパンの刺さった棒を

ハイにゃんの口の中にムリヤリ突っ込んでた。


「にゃああああ!!!!あつあつで気持ちいのにゃあああ!!!」


「・・・この変態猫!!!!!」


「にゃああああ!!!!」


・・・ハイにゃんってわざとアルくんに殴られたり

棒を口の中に突っ込まれたりして気持ち良さそうだった;

ちょっと引いちゃった;;;;


それでお昼ご飯を食べ終わって雑貨店の本店の

ワープポイントに戻ろうと歩いていると

道の向こうでプレゼントを買ったお店で会ったキモノのおにいちゃんが

剣や槍を持った騎士さんたちに追っかけられていた。

あ、こっちに来る。


「逃げるな!!」


「待て!!この不法入国者!!!」


「怪しい黒い異国人め!!逮捕だ~!!!」


「捕まるってのに待てるかよ!!」


そうキモノのおにいちゃんは叫んでわたしたちと出くわした。

すると、キモノのおにいちゃんは

わたしたちに気が付いたのかわたしの手を取った。


「あ、さっきの童女どうじょだな!!人質にいいな・・・。

 店で立ち聞きしたが『あーくれい』という

 公家くげの童女らしいな来い!!」


「あ、イノーゼ!!!」


「イノーゼたん!!」


「イノーゼちゃん!!」


キモノのおにいちゃんがわたしの手をひっぱって走り始めた。

みんなはそれを見て慌てて追っかけてきた。

え?え?どこに行くんだろ?

わたしは手を引っ張られながら

キモノのおにいちゃんを見てパニックになってた。


つづく



イノーゼが着物の謎の少年に連れてかれました。

一体何者なのでしょうか?

着物といいあやしい・・・。

次回に続きます。

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