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ドS伯爵令嬢の異世界転生漫遊記(またの名を悪魔のドM下僕受難記)  作者: ねこもどき(ラルク)
水の大精霊編
45/126

第35話:対ウンディーネ戦決着!

<ユーエリア視点>


「私の本気はこれからです」


水の大精霊のウンディーネが身体から

水が分離して流れボロボロになりながら私たちを睨みつけた。

周りの水の魔道石から魔力を吸収して

身体を癒やしているが回復が追いつかないようだ。

すると両手を上に掲げて空気中の水を集め始めた。


「『エアアクアシューター』」


上空に浮いている空気で圧縮した水を勢いよく発射して

私とアンナに向かって撃ってきた。


「『アルティメットシールド』」


イノーゼが肉眼で確認できるほど強力な結界の魔法の盾を出現して水を防いだ。


「ユーエおねえちゃん、アンナおねえちゃん!!

 『キュアヒーリング』」


イノーゼは私とアンナに治癒魔法を掛けた。

けど、アンナは奥義の反動から筋肉が動かないようだ。


「大事な時にすみません;」


「大丈夫、私たちに任せなさい。アンナは休んでて」


私はアンナにそう言うと拳を構えてウンディーネに向かって行った。


「『雷電突波拳らいでんとっぱけん』」


私は渾身の雷を纏ったパンチでウンディーネを殴った。

するとウンディーネは雷にしびれ効果は抜群だ。


「くっ、雷の属性も持っているのですか;

 うかつでした」


水を雷はよく通すので水属性の魔力を持つ存在には大ダメージを与えられる。


「『獅子牙喰斬ししがくざん』」


リックもいつの間にイノーゼから回復してもらったのか

立ち上がって剣の上下の斬り込みでウンディーネを攻める。


「よしっ!!一気に攻めるわよ!!

 『エレメンタルエンチャント』!!」


私は両手のこぶしに雷と炎の両方の属性の魔力を纏い、

同じようにリックの剣にも同じダブルの属性を付加した。


「『炎舞雷龍咆哮撃えんぶらいりゅうほうこうげき』!!」


「く・・・動けません;」


私の拳から炎を纏った電撃の牙を持つ

龍の形をした火と雷のエネルギーが放たれてウンディーネを締めつけた。


「『炎雷獅子牙喰斬えんらいししがくざん』!!」


その隙に雷と炎の魔力の纏った剣で思いっきりウンディーネを切りつけた。


「ぐはっ!!!!!!!!!!」


ダブルの剣と拳の炎雷攻撃にかなりウンディーネはダメージを受けたはずだわ。

ウンディーネは倒れて動かない。


「やったの?」


「倒したのか?」


私とリックは恐る恐るウンディーネに近づいた。


「『アクアガン』!!」


ウンディーネは死んだふりしたのか隙を付いて水流を銃のように撃ってきた。


「『ロックシールド』」


それをノッレが岩の壁の魔法でガードした。


「2人とも油断しないで!!」


ノッレは警戒を解いてないのか杖を構えたままだ。


「死んだふりするとは卑怯な奴め;」


「なんとでも言いなさい;私は全力でお相手しているだけです」


卑怯さを責めるリックの視線にウンディーネは気にせずそう言った。


「もう私自身も限界です・・・。

 この聖域の水の魔力を限界まで使い、最大の攻撃で決着を付けます」


ウンディーネがそう言うと

周りの水の魔道石の結晶から魔力を限界まで吸い取った。

そうするとウンディーネの魔力の力がオーラができるほど強大になった。


「受けなさい・・・。

 『セイントアクアドラゴン』!!!」


ウンディーネは水を龍の形にして巨大な水龍を作り上げた。

まるで東洋の龍を思い出させるその姿は巨大な水の芸術だった。

その水龍は私たちを飲み込むように口を開け、

周りの空気中から水の渦を作りだし身体に纏って襲ってくる。


「『スパイダーヴォルト』」


私はアクアクリスタルゴーレムに使った時以上に強力な魔力を魔法に込めた。

すると巨大な雷の身体をしたクモが現れて

水龍に向かって電撃の糸を水龍に吐く。

水龍は雷の糸に絡まって動けなくなった。


「痺れさせて倒せ!!!!!」


私がそう雷のクモに命じると雷の糸に絡まった水龍に高圧電流が走った。

水龍は叫ぶ暇もなく電気分解されて消滅した。


「そんな、そんなバカな!!!」


ウンディーネは半狂乱しつつも手から水流を飛ばして私に攻撃してきた。

私は手から電撃を発生させて相殺する。

魔法がぶつかり合いこの戦いで両者とも

水に濡れていたので電撃が伝わり痺れた。


「ぐあああ!!!!」


「ああああ!!!!」


それでも攻撃をやめない私とウンディーネ。


「く・・・なにを・・・して・・いるの・・です?

 その・・ままでは・・貴女も・・・死に・・ますよ?

 くはっ!!!!」


「大切な・・・下僕を・・・助けるため・・に命・・なん・・て!!

 幾ら・・でも・・賭け・・てやる・・わ!!

 そして勝つ!!」


私は電撃に痺れ息も絶え絶えになりながら呪文を唱え始めた。


「落雷の・・轍!降臨せし・・大地・・に!

 落と・・せ!轟なる・・裂音と・・ともに!!

『ヴォルテニックインパクト』!!」


天井に巨大な魔法陣が現れて雷雲を発生させる。

強大な雷の魔力が周りの水の魔道石を破壊していく。


ゴロゴロゴロ・・・・。雷鳴が鳴り響き。


バリバリバリバリバリ!!!!!ドンッ!!!と落雷が落ちた。

ウンディーネの身体が落雷の電流の餌食となった。


「こ、これは・・・伝説の・・神話魔法!!

 きゃあああああああああああ!!!!!!!!!」


ウンディーネは轟音の特大な落雷に撃たれて動けなくなった。


「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・やったわ」


私はそう息を切らせて言うと地面に倒れ込んだ。


「ユーエ!!」


「ユーエおねえちゃん!!」


「しっかりしろ!!」


「ユーエリア様!!」


リックたちが私に慌てて駆け寄ってきた。

(アンナはリックに抱えられて来た)

そっと起こされて私はみんなを見る。


「ちょっと・・・無理しちゃったわ・・」


私はみんなに笑顔でピースサインを向けた。


「バカ野郎・・・心配掛けさせやがって」


リックはボロボロな私を見て涙目でそう言った。

すると、ウンディーネは生きていたのか倒れたままこう言った。

慌ててみんながそっちを見る。


「そ・・こ・・まで・・やる・・とは・・・。

 あなた・・がた・・の・・

 仲間を・・思う・・信念・・・理解いた・・しました。

 けれ・・ど・・魔の者・・は・・罰・・します!!」


ウンディーネはありったけの水流を

ウィキの閉じ込められている水晶の珠に向けて撃った。


「危ない!!」


私はとっさにウィキの閉じ込められている水晶の前へ

瞬間移動の魔法を使い移動した。

そして水流が私にぶつかった。


「お嬢様!!!!!!!!!!!!!」


叫び声とともにウィキから魔力が放出されて

閉じ込められていた水晶の珠が割れてウィキは中から出てこれたみたい。

よかった無事みたい出てこられたのね。

私はウィキを見て安心した。


<ウィキ視点>


俺を庇ったお嬢様が目の前で倒れた。

俺はお嬢様の側にあわてて駆け寄った。


「お嬢様・・・なんで、そこまでして俺を?」


「あなたは・・私の・・下僕もの・・だから・・よ」


俺の問いかけにお嬢様はにっこりと笑ってそう答えた。

お嬢様の言葉に俺は心動かされた。

・・・下僕なんて言ってるけどお嬢様はホントは

俺の事を仲間だと認めてくれているんだな。

目の奥が熱くなった。


「・・・」


ウンディーネはそれを黙って見ていた。


「絆の力・・・確かに・・見届けました」


ウンディーネはそう言うと瞬間移動の魔法で俺とお嬢様をどこかへ運んだ。


「ここは・・・?」


水の滝に囲まれた霧と飛沫が漂う清涼なる場所に俺たちはいた。


「ここは聖なる癒しの水の間です。

 ここに居れば傷が癒されます」


見るとお嬢様はウンディーネの戦いでできた傷も治っていた。

ウンディーネも治ってるみたいだ;

傷に周りの滝の飛沫の癒しの水が染みこみ治っていく。


「ここなら話しやすいと思いまして移動いたしました。

 魔王、そして、そのご主人殿?」


ウンディーネは他の仲間たちに聞かせないようここに移動してくれたらしい。


「魔王ってどういうこと?」


お嬢様が俺を見て戸惑いながらそう言った。


「彼は400年前、世界を混乱に陥れた魔王なのです」


ウンディーネの言葉にお嬢様は驚いて俺を見た。


「ただの悪魔じゃなかったの?」


「違う、ただの悪魔じゃない・・・。

 俺の正体は魔王サタンヴェルト。

 400年前にこの世界を混乱に陥れた魔王だ」


俺の告白にお嬢様は思い出したようにこう言った。


「魔神(悪魔)のアスモデウスが

 ウィキに対してやけに腰が低かったのも魔王だから?」


「俺は元々、魔神の頂点に居る存在だったんだ・・・。

 魔界から地上に降り立ち魔族として魔王となった」


「そうだったの」


俺の告白にお嬢様は納得したようだった。


「400年前には魔王に人間だけでなく精霊たちも被害を受けました」


ウンディーネは昔を思い出したのか悲しい顔をした。


「俺は無差別に人間も精霊も他の種族たちも殺しまくった。

 だから精霊たちに嫌われてるんだよ」


だから俺はは魔法を使う時、精霊の補助なしで魔法を使っていた。

俺は暗い顔で沈みながらそう言った。


「その表情ができるって事は反省して後悔してるんでしょ?」


お嬢様の言葉に俺は驚いて悲しげに苦笑いした。


「だったらいいじゃない。今は魔王サタンヴェルトじゃなくて

私の下僕のウィキリード・ハートフィリアだし。

もしまた悪の道に行くような事があれば

ムチでしばいて私が直々に調教してあげるわw」


「お嬢様らしいな;」


ムチ持って微笑むお嬢様に俺は笑った。


「どうやら貴女方あなたがたは固い絆で結ばれているようですね」


ウンディーネはそう言うと少し思案してからこう言った。


「私と契約しませんか?」


ウンディーネはこう言ってお嬢様を見た。


「どっかの白い悪魔の宇宙生物みたいね;」


「は?」


「いえ、こっちの話です;」


お嬢様は契約って聞いて某魔法少女なアニメを思い出たようだ;

ウンディーネは首を傾げていたが

お嬢様は気を取り直して契約について聞くようだ。


「契約ってどういうことなの?」


「私と契約すると水の大精霊の力と魔法が使えます。

 しかも私をいつでも呼び出す事ができます」


どうやらRPG系の精霊の召喚ができるみたいだな。


「契約するにはこの『エレメンタルソウル』のペンダントに

 私の大精霊の力を込めると契約完了します」


ウンディーネが花の開いた形をした

9つの穴のあいたペンダントをお嬢様に見せた。

これが『エレメンタルソウル』のペンダントらしい。


「私と契約したらこれを差し上げましょう。

 しかも、私以外の大精霊もこのペンダントを持って会えば契約できます」


どうやらこれは精霊召喚のアイテムのようだ。

しかも他の大精霊も契約できるようになるらしい。


「さて、どうしますか?」


「私と契約するのは何でなの?」


お嬢様は自分自身のメリットだけでなく契約相手のメリットも一応聞いた。


「私ももし魔王が悪い事をしたら一緒に調教しようと思いまして。

 正直に言うと魔王の見張りの為です」


「ああ、なるほど」


どうやら魔王である俺を見張るために主人であるお嬢様と契約するわけらしい。

お嬢様は納得してた。


「おいおい;ウンディーネ;

 お前までドSなプレイをお嬢様と一緒に俺にする気かよ;

 キャラ変わってないか?」


「世界平和のために私の人格も少しは変えようかと思いました」


ウンディーネの言葉に俺は頭を抱えた。


「どうして俺の周りにはそんなドSな女が増えるんだ;;」


と俺は自分の運命に涙目になった。


「契約しますか?」


ウンディーネの言葉にお嬢様は覚悟を決めた。


「契約します」


「分かりました。

 『汝、ユーエリア・アークレイに

  我が大自然の水の大精霊の魔法の力と我自身を託さん。

  大精霊契約エレメンタルソウルコネクト』」


ウンディーネがそう呪文を唱えると

ペンダントが光り輝き水色の宝玉が穴に嵌まった。


「契約は完了いたしました。

 これからは貴女がマスターです。

 よろしくお願いいたします」


ウンディーネはそう言うと優雅に一礼した。

こうして、お嬢様は水の大精霊ウンディーネと契約した。


「マスターのお仲間が心配しておいでです。

 向こうの聖域の時間は止めてありますが

 早く戻りましょう」


そう言ってウンディーネは俺たちを連れて元の場所に瞬間移動した。

こうして、お嬢様はウンディーネを仲間に引き入れたのだった。


つづく

ウンディーネが仲間になりました。

精霊を仲間にするのはファンタジーのお約束ですねw


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